GUNMA INNOVATION AWARD

群馬イノベーションアワード受賞者決定!

GIA2015ファイナルステージ ビジネスプラン高校生の部 プレゼンテーション映像

受賞者紹介

群馬イノベーションアワード 大賞:マレーシア国におけるパーム搾油・精製工場の排水浄化とスラッジ燃料化技術の開発 前田設備  前田善成

まえだ・よしなり:
八戸工大卒。都内の空調会社勤務を経て前田設備に入社。27歳で社長就任、38歳で弟に社長を譲り、現在は開発部長。みなかみ町議3期。

みなかみの“超人” アジアで躍動

マレーシアのパーム油工場の廃液が深刻な河川汚染を引き起こしていることを知り、廃液を浄化するとともに、廃液から肥料と火力発電所で使用できる固形燃料(スラッジ燃料)を作り出すことに成功した。

日本の大手企業が取り組んだものの、あと一歩のところで事業化を断念したプロジェクトだった。前田設備はみなかみ町の従業員11人の空調・水道工事会社。当初は周囲から「中小企業には絶対無理だ」と言われたが、その言葉に奮起し、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業採択を受けて実証実験にこぎつけた。

「同様の悩みを抱える世界各国にシステムを売りたい」と意気込む。

空港や防衛省施設などの特殊な設備工事を情熱と創意でこなしてきた。困難とされた橋の路面の融雪も、2004年に同町の谷川橋で成功させた。「前田設備ならなんとかしてくれる」。評判が評判を呼び、海外からも声が掛かるようになった。

アジアの貧困層を救うため、フィリピンでは地下水を利用した水道事業を軌道に乗せ、住民がその収益で学校や教会を運営できるようにした。カンボジアでは井戸掘削を、バングラデシュではヒ素を含んだ井戸水の浄化や遠隔医療システムの普及に取り組んだ。

イメージしているのは、3分で怪獣を倒し、去っていくウルトラマン。苦しんでいる人のもとに駆け付け、限られた時間で問題を解決することが自身や会社の役割であり、存在意義だと考えている。

群馬イノベーションアワードには、どうせ無理だと諦めてしまう若者に「やればできる」と訴えたいと出場した。「日本の技術はすごい、と世界から感謝されるよう精進したい」。みなかみのウルトラマンがアジアの空を飛び回る。

まえだ・よしなり:
八戸工大卒。都内の空調会社勤務を経て前田設備に入社。27歳で社長就任、38歳で弟に社長を譲り、現在は開発部長。みなかみ町議3期。

特別賞・スタートアップ部門入賞:キュレってパブる パブセンクラウドサービス パブセン 佐藤高生

世界に放つ「機織機」 ニーズは億単位

進化し、多様化し、流行、廃れもあるネットサービス。その結果、利用者が投稿した写真などのコンテンツは分散し、あるものは忘れ去られてしまう。 「これを1カ所に集め、自動的に整理したり、配信できるサービスはないものか…」

待つこと5年。満足のいくものは出てこなかった。「自分で作るしかないな」。ビジネスチャンスも見出した。「さまざまなプロバイダーに格納されていくコンテンツは人の活動履歴そのもの。スマホを持つ億単位の人のオーダーになりうる」

IT会社を退職し、開発に没頭して2年。写真や記事を収集(キュレーション)し、再編集して配信(パブリッシュ)できるクラウドサービスの準備が整った。

絹産業で栄えた前橋の下町で、ミシン屋の父、編み物の講師の母のもとで育った。サービスの原点にこの生い立ちがあると感じている。「プロバイダーからコンテンツを引き出し、再編成することは、繭から糸を取り出し、布を織ることと同値」

新サービスの核となる特許出願技術をこう名付けた。「Life Weaver Technology(=人生の機織機(はたおりき)」。おまけに、サービスをアピールするキャラクターは、蚕をモチーフにした「Silkwo―chan(シルコちゃん)」。

シルコちゃんを女の子のキャラクターにしたのは「絹産業を支えてきた上州女性への感謝と敬意」。そして「2年間無収入でパブセン事業化に没頭させてもらえた妻への感謝の気持ちでもある」。

さとう・たかお:
前橋高卒。慶応大在学中に高校の友人らとベンチャー企業を設立し中退。東国インターネット、オラクルなどを経て起業。
さとう・たかお:
前橋高卒。慶応大在学中に高校の友人らとベンチャー企業を設立し中退。東国インターネット、オラクルなどを経て起業。

ビジネスプラン部門高校生の部入賞:規格外農産物が地域を盛り上げる!~農産物パウダー化技術を用いた商品開発への取り組み~ 伊勢崎興陽高校食品科学研究部 桜井雛乃(2年) 加藤真希里(1年)

食品ロス「粉化」で削減

形が悪いなどの理由で、やむを得ず破棄されている規格外農産物に着目。乾燥、粉砕してパウダー化し、焼き菓子などに加工、販売することを提案した。 パウダー化により農作物の加工性と保存性を高められ、地域の食品資源として活用できると説明。食品ロスの削減にもなり、持続可能な循環型社会に貢献する。市内だけでなく県外のブランド野菜への応用など、世界中に取り組みを広めることに意欲を示した。

先輩方から受け継いできた技術あっての発表。この活動を多くの人に広めたい。


ビジネスプラン部門大学生・専門学校生の部入賞:かあちゃんのまごころ 共愛学園前橋国際大国際社会学部 中野里美(3年) 根岸リイン(同) 飯塚真央(同)

親心運ぶ電子クーポン

1人暮らしをする学生の食生活改善を図ろうと発案。ウェブ上に地域の飲食店のメニューを掲示、保護者が子どもに食べさせたい食事を選んで電子クーポン「まごころきっぷ」として携帯電話に送信する仕組みを考えた。学生は受け取ったクーポンを使って無料で食事ができる「新しい仕送り」の形だ。協力飲食店の利用客増も見込めるとして、地域活性化につながるメリットも強調した。

大舞台で発表し大勢に事業を知ってもらえた。学生の食生活をより良くしたい。


ビジネスプラン部門一般の部入賞:髪を失った女性のために群馬シルクのヘッドスカーフ Armonia 角田真住

癒やしのヘッドスカーフ

髪を失った女性のために、県産シルクを使ったヘッドスカーフを提案した。特徴は①高いファッション性②着用の手軽さ③なめらかな肌触り―の3点。自分に似合う色を選べるとともに、鏡がなくてもワンタッチで簡単に身に着けられる。生地はホルマリン不使用で、アレルギー反応を起こしにくいという県産シルクを採用。弱った肌に優しく、心を癒やす効果も期待できる。

ピンチをチャンスに変えられた。成果にしてお返ししたい。