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本県発映画でまちづくり 飯塚さん(前橋)大賞 13組、独自視点でプラン

202412/15

 12回目を迎えた起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)のファイナルステージが14日、前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋で開かれた。最終審査に臨んだ13組が社会課題の解決や暮らしの変革につながるような視点を持った事業プランを発表。最高賞の大賞はベンチャー部門で出場し、「『映画づくり=まちづくり』群馬発の世界で戦える俳優と映画づくりプロジェクト」を、顔に特殊メークを施し提案した映画監督、脚本家でスタジオ6.11(前橋市)代表社員の飯塚花笑さん(34)が輝いた。
(関連記事 5~7、19面)

 応募323組から2回の審査を通過した中学生から社会人までが熱のこもった3分間のプレゼンテーションを披露。協賛社に加え、来場者が投票し、この結果を参考に慶応大の国領二郎教授ら6人が審査した。
 ビジネスプラン部門は、高校生以下の部で前橋商業高3年の江戸美月さん(17)、大学生・専門学校生の部で慶応大3年の渡辺光祐さん(22)、一般の部でデジタルスイッチ(渋川市)社長の田中秀彰さん(38)、ベンチャー部門はMU(ミュウ、高崎市)社長の村田悠典さん(35)がそれぞれ入賞した。今後の成長が期待される奨励賞には共愛学園前橋国際大3年の春山奈緒さん(22)が選ばれた。
 本県を拠点に活動するラッパー、NAIKA MC(ナイカ エムシー)さんの思いのこもった言葉のパフォーマンスで開幕。ブレイクダンサーのSHADE(シェイド)さん、Mako(マコ)さんはダンスで盛り上げた。本県にゆかりのある20~30代の若手起業家4人が起業への思いを語ったトークセッションもあった。
 実行委員長の田中仁・ジンズホールディングスCEOは閉幕後の交流会で「自分自身をイノベーションして人生を切り開いてほしい」と期待を込めた。GIA協賛社や歴代入賞者らが43のブースを出展した「群馬イノベーションマーケット」も開かれた。
(文 大楽和範、写真 新井諭)

24.12.15 上毛新聞掲載はこちら

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課題に独自の解決策

202412/15

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)は14日、ファイナルステージに13組が出場した。ラッパーのNAIKA MC(ナイカ エムシー)さん、ブレイクダンサーのSHADE(シェイド)さんとMako(マコ)さんが、それぞれ熱のこもったパフォーマンスを披露。若手起業家4人によるトークセッションでは、好きなことを突き詰める行動力などについて議論を深めた。

【大賞】
 スタジオ6.11代表社員・映画監督・脚本家 飯塚 花笑さん

◎ロケ地情報提供し支援
 前橋市を拠点に、世界を視野に入れた映画の製作や、俳優のレッスンに取り組む。プレゼンでは撮影地に大きな経済効果をもたらす映画のロケを本県に誘致するため、撮影チームに対して情報をワンストップで提供する事業を紹介した。大賞に選ばれ、「『群馬で映画なんて』と言われることもあった。映画が実際に地域を活性化させていることが認められた」と喜ぶ。
 映画の撮影ではスタッフの食事代や宿泊代など、多額の費用がロケ地に還元される。ただ撮影チームが地域の実情に疎く、撮影場所や飲食店、宿泊施設などの情報が不足している場合も多いという。そうした情報を地域と密着した立場から一元的に提供することで、本県での撮影をサポートしている。支援体制の充実によって本県での撮影機会が増えることで、地域経済が潤うだけでなく、レッスン生の出演機会が確保でき、人材育成にもつながっていくと見通す。
 非日常をつくる映画への実感を持ってもらおうと、この日は映画「ロッキー」の主人公に扮(ふん)し、顔に傷などの特殊メークを施して臨んだ。「群馬県を映画の聖地へ」。力強く述べ、高らかに拳を突き上げた。

◆ビジネスプラン部門入賞◆

【高校生以下の部】
 前橋商業高3年 江戸 美月さん

◎旅行者とガイド結ぶ
 コロナ禍が一段落し、国内ではインバウンド(訪日客)需要の取り込みが活発化する中、「トラベル」と「マッチング」を掛け合わせた多言語対応プラットフォーム「トラッチング」を考案した。家族で国内旅行した際、現地の人に親切にしてもらった経験から「外国人にも同じことができたら」と考えたのがきっかけだ。
 旅行会社では提供できないニッチなローカル体験を望むインバウンドに照準を合わせた。自治体がトップページを作成し、事業者やガイドと呼ばれる地域住民が登録。旅行者はプロフィルから申請すればマッチング成立となる仕組みだ。
 高校卒業後は大学に進学する。「大学でも今回のプランを磨き上げて、起業したい」と目標を掲げる。

【大学生・専門学校生の部】
 慶応大3年 渡辺 光祐さん

◎職業限定でポイント
 保育や看護、介護の人手不足が深刻化し、その数は介護業界だけでも54万人といわれる。離職を食い止め、目指す人を増やすために、職業限定型のポイントカードで支援する仕組みを考案した。「2年前は受賞できなかったので、結果につながってうれしい」と笑顔を見せた。
 人材の定着を狙う自治体や企業が関わり、通常のポイントカードよりも高い還元率を設定。地元での消費が増え、地域活性化にもつながるメリットがある。
 「国も賃上げに取り組んでいるが、現状の政策を変えるのは限界がある。お金の使い道で優遇できればと思った」とし、「興味のある企業があれば、ぜひお話ししたい」と事業化への意欲を示した。

【一般の部】
 デジタルスイッチ社長 田中 秀彰さん

◎DXの効率化と育成
 「システム導入で後悔する会社をゼロに」。企業に実践型デジタルトランスフォーメーション(DX)研修を提供し、業務効率化とIT人材の育成を同時に支援するプランを提案した。
 中小企業の多くでDXの成果が出ていないとして、社内にIT人材がいないことや、推進ノウハウがないことなどを要因に指摘する。そんな企業が知識の取得ではなく「自走」できるサービスとして打ち出す。
 ワークショップなどを通じて企業の経営像や課題、業務改善に向けたアクションを明確化。必要に応じてペーパーレス化や各種デジタル化の導入などを薦める。「デジタルの市場はますます成長が見込まれる。巨大な市場に対し、群馬県から挑戦していきたい」

◆ベンチャー部門入賞◆

 MU社長 村田 悠典さん

◎論文要約し動画配信
 生成人工知能(AI)を駆使して医学論文の要約動画を作成し、配信するプラットフォームを開発した。20~30代の若手医師をメインターゲットに、医療の学習が効率的にできるようサポートする。
 論文は年間約168万本発行されるが、実際に医師が読めるのは年平均36本ほどという。AIが論文を読み込み2~3分の動画にまとめることで、限られた時間でも多くの知見に触れられるようにする。
 製薬企業の営業として10年以上勤務する中で、最新の医薬品の情報が医療従事者に十分に届いていない現状を目の当たりにしてきた。「適切な医療情報を全ての人に届けるために群馬から発信していきたい」と意気込む。

◆奨励賞◆

 共愛学園前橋国際大3年 春山 奈緒さん

◎子ども感情色で表示
 少子化の今、不登校の児童生徒は増加している。悩みがあっても、自分の気持ちをうまく言葉で表せない子どもは多いと感じたことから、感情を色で可視化し、教師が児童生徒の精神状態に合った指導をできるように手助けするインソール(靴の中敷き)とアプリを考案した。
 アプリでは感情を分析する人工知能(AI)を駆使し、中敷きに搭載したセンサーを通して読み取った湿度や脈拍から感情を色で表示。不安や緊張状態が一目で分かるようにする。子どもの生活に支障が出ないように中敷きを採用した。
 現在はチームでシステム開発を進め、センサーの利用は企業に働きかけている。「全ての教育現場で当たり前に使えるようにしたい」と展望する。

24.12.15 上毛新聞掲載はこちら

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【ファイナリストプレゼン】世界変える未来描き 新たなビジョン提案

202412/15

◆ビジネスプラン部門(高校生以下の部)◆

◇根子 優太さん(桐生高3年)
 身近に潜む食物アレルギーのリスクに着目。確認が困難な視覚障害者向けに、原材料表示や独自のQRコードをカメラで読み取り、音声でアレルギー情報を知らせる装置を開発した。
 より多くの人が利用できるよう、実際の装置とアプリの二つでサービスを提供。障害の程度によって使い分けできるように工夫した。「技術だけでなく、ビジネスにつなげる視点も大切。事業化に向け、今後も挑戦を続けたい」と意気込んだ。

◇佐野 結愛さん、天田ヒカリさん(前橋東高2年)
 人身事故削減を目指し、危険運転を防止するアプリ「SRR」を考案した。スマートフォンのカメラで表情を読み取ることで、心拍数や呼吸数を検知。ストレスや怒りなど予兆があった際に音声で注意を促すほか、事前に登録した連絡先へ通報する機能も搭載した。
 スマホ1台で利用できる手軽さを生かし、タクシーや運送事業者向けに従量課金制での実装を展望。2人は「SRRの商品化を実現し、世界に広げていきたい」と力を込めた。

◇浜島 陽奈さん(ぐんま国際アカデミー中等部2年)
 けがで車いすを使用することになった友人を補助した経験から、障害の有無にかかわらず、誰もが快適に利用できる公園の整備プランを発表した。
 整備対象に館林市の城沼総合運動場を選定。プランでは、車いすのまま乗れるブランコや段差のないトランポリンといったインクルーシブ遊具の設置、風鈴や花など五感で楽しめる環境整備の推進を掲げた。「みんなが平等に過ごせるようになってほしい」と共生社会の実現を願った。

◆ビジネスプラン部門(大学生・専門学校生の部)◆

◇宮川 拓也さん(群馬大5年)
 人工知能(AI)問診システムと五感のデジタル化を融合し、あらゆる場所での病院診療を実現する「未来の医療」を展望した。
 「病院が苦手」という患者の声を聞いたことが発案のきっかけ。視覚と聴覚による情報に偏っている現在のオンライン診療を発展させた。AI問診と組み合わせることで、自宅にいながら対面と遜色ない医療につなげる。
 「ここ群馬から発信し、世界の医療に強烈な空っ風を吹かせたい」と強調した。

◆ビジネスプラン部門(一般の部)◆

◇西沢 洋介さん(にしざわ接骨医院院長)
 「移動できることは人間の本質的な幸せ」。神経を鍛える健康事業を発表した。自身がプロ野球選手時に経験した痛みなどを解消する役目を担おうと、接骨院を開業し、三つの神経に着目した。
 感覚神経には特殊なタッチで神経の滞りを改善する施術を実施。運動神経には高齢者の機能回復などを図れる療法、自律神経には副交感神経節を刺激する療法を施す。「仲間を増やしながらメソッドを日本中に広めていきたい」

◇小保方貴之さん(FM桐生事業本部長)
 「地域のリスナーと企業がつながる新しい広告市場をつくる」。ユーザーが作成したラジオのプレイリストに合った広告を出稿できるアプリ「shelfs(シェルフス)」の魅力を伝えた。
 利用者は各地のラジオ局から番組を選んでプレイリストを作成。ターゲットを個人からプレイリストに変えることで、文脈に合った広告を提供できる。「利用者のストレスを軽減できる。企業も広告をリーズナブルな価格で出せる新しい選択肢だ」と熱を込める。

◆ベンチャー部門◆

◇岡村 昌輝さん(Splash Brothers取締役)
 3台同時に短時間で洗車できるトンネル洗車機を使ったサブスクリプション(定額利用)の洗車サービスを展開する。本県と栃木県に4店舗を構え、1店舗当たりの会員は約2000人に上る。2027年までに本県近郊で20店舗を出店する構想を示した。
 「イノベーションは未来の当たり前をつくること」と述べ、「群馬で根付き始めた、いつでも、どこでも、気軽にできる洗車を日本の当たり前にしていく」と展望した。

【若手起業家トークセッション】原体験語り挑戦者激励 起業への考え方熱く

 本県ゆかりの若手起業家によるトークセッションでは県内外で活躍する4人が事業内容や起業したきっかけを紹介。好きなことを突き詰める大切さを語り、起業や新たなビジネスに挑戦する人たちの背中を押した。

 インバウンド(訪日客)向けにだるま販売などを手がける高橋史好(ふみこ)さん=高崎市出身、伊勢崎市伝統の絹織物「伊勢崎銘仙」をアップサイクルするアパレルブランドを立ち上げた村上采(あや)さん=同市出身、前橋市中心街のカレー店など飲食店経営の林龍男さん=高崎市出身、映像制作会社経営のアジズ・アフメッドさん=榛東村=が登壇した。

◎インドに留学
 高橋さんは高校時代にインドへ留学し、不動産開発でまちを発展させるホストファザーの仕事ぶりを見て起業家を志すようになったと振り返った。大学在学中に起業しインド向け配信メディアを手がけ、その売却資金でデコレーションして販売しただるまが注目を浴びた。既存のだるまから脱した製品を海外向けに売り込み、将来的にパリコレを目指す夢を語った。
 村上さんも大学時代にアフリカのコンゴ民主共和国に渡り、不安定な社会で力強く生活する現地の人と交流したことが起業の原体験。アパレル事業で同国との橋渡しをしたいと行動を起こし、慣れ親しんだ伊勢崎銘仙でのビジネス構想が後から追いついたと説明した。

◎好きなことで
 林さんは大学卒業後に就職した商社を退職後、一番好きな飲食を仕事にしようと一念発起した。現在は業態の異なる飲食店4店舗を経営するが、学生や社会人での多様な経験が今につながっていると語った。
 パキスタン出身のアジズさんは9歳の時に来日し、日本語が分からない中で映像で人に思いを伝えた経験が現在の糧になっているとした。さまざまな商品を見て魅力を引き出すのが得意で、伝える役目にやりがいを感じているとした。
 ハードルが高いイメージの起業への考え方も共有した。高橋さんは、今は学生でもリスクなく始められる事業があると説明。大学時代に仲間と編集に10時間かかる動画を2年間で200本制作した経験を例に挙げ、「才能は必要なく、泥くさく続けられるかが大切」と強調した。林さんは「好きなことで起業して毎日文化祭のようで楽しい」と語る一方、苦しくても従業員を背負う以上やるしかないと腹を決める覚悟はあると語った。

掲載日
2024/12/15

24.12.15 上毛新聞掲載はこちら

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世界変える未来描き 新たなビジョン提案

202412/15

◎オープニングアクト 新曲で登壇者鼓舞 ラッパー NAIKA MCさん
 オープニングを飾ったのは、本県を拠点に活躍するラッパー、NAIKA MCさんのマイクパフォーマンス。新曲などを披露し、熱い言葉でファイナリストを鼓舞した。
 数々の試練に立ち向かってきた自身をファイナリストに投影。「不完全燃焼なんて真っ平ごめん」「やり続けることに価値がある」など、熱のこもったリリック(詞)とユーモアのある舞台構成で会場を盛り上げ、最後は挑戦者へ「やれんのか?」とエールを送った。

◎ブレイクダンス シェイドさんら華麗なステップ
 発表の合間に、国内外で活動する前橋市出身のブレイクダンサー、SHADE(シェイド)さんと国内ダンスプロリーグやプロチームで活躍するMako(マコ)さんによるダンスパフォーマンスが披露された。
 県内の男子中学生2人によるデモンストレーションでは、若さあふれるダンスバトルと技の紹介が行われた。
 続けて、SHADEさんとMakoさんは華麗なステップや回転技を繰り広げた。SHADEさんは体の柔軟性を生かし、独創的なダンスを披露。数々の「パワームーブ(大技)」で会場を魅了した。

【総評】

審査委員長 国領 二郎(慶応大教授)

◎ニーズ見極め高いレベル
 323件の応募があったが、特徴として何よりレベルが高かった。社会のニーズを見極めながら、どう具体的に解決していくのか、そこにビジネスをどう作っていくのかという発表が多かった。
 さらに今回、世界に挑もうとするプランがいくつもあった。審査も白熱し、最後は意見が割れるほどだった。
 大賞に輝いたスタジオ6.11の飯塚花笑さんのプランは、これまで積み上げてきた実績と未来への挑戦の両方を感じさせるとともに、映画を通じた地域活性化に取り組む点が審査委員の支持を得た。
 GIAは今や全国に注目されるプログラムとなった。群馬を、そして世界を変えていく、一緒に頑張っていける、そんな未来を描けたらと願っている。

【イノベーションマーケット】歴代ファイナリストや協賛社、県内拠点の団体 43ブース設け独自商品PR

【審査委員ひと言】
◇ジンズホールディングス
 田中仁CEO
 やりたいことを追求し、地域に役立つ発表が増え質が上がっている。
◇オープンハウスグループ
 白井淳コミュニケーションデザイン本部長
 年齢関係なくビジネス提案して世の中を変えられると思った。
◇カインズ
 土屋裕雅会長
 社会的意義とビジネス化の視点を両立させる発表に感銘を受けた。
◇群馬銀行
 深井彰彦頭取
 どれも着眼点が面白く実現性があり、何より熱意に満ちていた。
◇上毛新聞社
 関口雅弘社長
 地域のより良い姿に向け、描くビジョンを語ってもらえた。

 歴代GIAファイナリストや協賛社、県内を拠点に活動する団体が出展する群馬イノベーションマーケットは43社・団体が会場内や入り口付近にブースを設け、独自の商品やサービスを紹介した。
 野菜を使ったブーケやペットも食べられる菓子の販売、占いや似顔絵コーナーもあった。きょうだいでイスラム教徒少数民族ロヒンギャの支援に取り組む鈴木聡真さん(ぐんま国際アカデミー高等部1年)と杏さん(同中等部2年)は、企業と協力した活動などを紹介した。
 他に、県内のコーヒー店3店が無料でコーヒーを振る舞った。

【交流会】「群馬から種 生み出そう」 実行委員長があいさつ

 表彰式後に開かれた交流会では、出場者13組をはじめ、審査委員や企業関係者ら250人が出席した。主催者を代表し上毛新聞社の関口雅弘社長が乾杯の発声を行った。参加者は立食形式で飲食しながら、名刺交換や歓談し交流を深めた。
 冒頭、実行委員長の田中仁・ジンズホールディングスCEOが「経済的成長を優先する時代感から、自己実現、社会貢献につなげる使命を感じた。群馬から種を生み出そう」とあいさつ。実行委員の群馬銀行の深井彰彦頭取は「プランが斬新で具体性があり訴求力があった。頼もしさを感じた」と語った。

24.12.15 上毛新聞掲載はこちら

掲載日
2024/12/15

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GIA2024協賛社メッセージ 時代の変化を敏感に

202411/28

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)のファイナルステージが12月14日、前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋で開かれる。本番を前に、プロジェクトを支える協賛社トップに、それぞれの成長戦略や注力する事業、今期の抱負、ファイナリストへのエールを寄せてもらった。

◆うすい副社長 柴崎 大海氏

◎新たなスタイルを模索
 学習塾業界では、少子化の影響で特に過疎の進んでいる地域で生徒の確保が難しい状況にあります。その中、小学校低学年講座の充実、小学校受験市場への参入、太田での日本語学校の開校など、教育の枠組みの中で、ビジネス領域を広げ、顧客を増やす努力をしてきました。
 社内組織では世代交代の時期を迎えており、私を含めた30~40代の社員が、経営の根幹に携わる場面が増えてきました。
 今年は新しい市場を見つける努力を続けながら、群馬の教育レベルを高め、地方から人材を輩出するミッションに立ち返りたいと思っています。小型校舎の展開を進めつつ、生徒個人ごとのニーズに応えていくスタイルを確立していこうと考えています。

◆アサヒ商会代表取締役社長 広瀬 一成氏

◎「真のプロ」を目指したい
 「プロフェッショナルマインド」が本年度の抱負です。私たちは文具とオフィスの専門事業者としてお客さまに支えられてきました。しかし、AIが進展し、誰もが簡単に知識をまとめ、情報を得られる時代では生半可なレベルではもはや「プロ」とは言えません。
 プロとはスペシャリティーとホスピタリティーを兼ね備えた人。専門家であるだけでなく、お客さまにどのような価値をもたらすかを親身に伝える。この両方ができてこそ真のプロです。
 「時間」が最も貴重なリソースとなった今、お客さまの貴重な時間を有意義なものにするためにも、働く私たち自身が豊かで意義ある時間を過ごすためにも、この姿勢を大切にしていきたいと考えています。

◆冬木工業代表取締役 大竹 良明氏

◎自分のワクワクを探そう
 高崎市に本社を構え、総合建設と鉄骨製造の2本柱で事業を展開しています。創業97年となりますが、その歴史の中でも大きな変革期を迎えていると感じています。DXやカーボンニュートラルといった世界的な潮流への対応は、われわれのような中小企業も取り組まなければならない段階にきています。
 時代の変化を敏感に察知し、チャンスと捉えて、イノベーションを起こしたい。重要なのはワクワク感を持って楽しむことです。そうすることで自ら考え、行動するようになるでしょう。一歩踏み出せば、次のワクワクが生まれる。この繰り返しが、達成感ややりがいにつながります。小さなことからでいい。自分のワクワクを探してみましょう。

◆高崎健康福祉大学理事長学園長 須藤 賢一氏

◎変革はアイデア次第
 イノベーション=最先端科学技術と考えがちですが、テレビでは「転職代行業」のCMが盛んに流れています。学生や主婦をはじめ、多くの方々が起業する例も耳にするようになりました。最近、「退職代行業」なる生業の存在を聞いて驚いた記憶があります。想像は創造です。イノベーションもアイデア次第ですね。
 私の本年度の抱負は、心理学科の設置認可申請書を提出することに尽きます。心理学科の開設は2026年度に予定しております。
 本学が設置する8学科の専門分野は国連が提唱するSDGsと極めて親和性が高く、学生が学ぶ進捗度とSDGsとの関連度に適用できる方程式はないだろうか、と自問自答している今日この頃です。

◆大和証券高崎支店長 押上 剛人氏

◎豊かな未来創造に貢献
 当グループは「お客さまの資産価値最大化」を経営基本方針に掲げています。的確な市場環境分析と深度あるお客さま理解に基づいた質の高いコンサルティングやソリューションを提供して、中長期的なお客さまの資産価値向上に取り組み、資産運用立国の実現と金融・資本市場を通じた豊かな未来の創造に貢献してまいります。
 当グループは、社会問題の解決、未来の社会と金融・資本市場の発展のため、積極的にサスティナブルファイナンスの促進に取り組んでいます。全てのステークホルダーの皆さまに必要とされる存在となれるよう、サスティナブルで豊かな社会の実現のための新たな資金循環の仕組みづくりにグループを挙げて取り組んでまいります。

◆グリンリーフ・野菜くらぶ代表取締役社長 沢浦 彰治氏

◎150年ぶりのチャンス
 5年前から進めてきた総菜を含めたミールキット工場が11月に完成しました。この工場には、消費期限が3日程度だったものを7日まで延ばせる設備を導入し、中には日本で8台目となる設備も入ります。
 工場が完成すると農産物の付加価値を上げながら、消費者の方々に手に取ってもらえる価値ある商品化をより早く進められます。
 かつて国際分業論を進めた中で日本の農産物と食は、際立つ安さになりましたが、今、その状況は逆転し、日本の農業は150年ぶりのチャンスです。この時代に平成初期から農業の6次産業化に取り組む当社は、お客さまにより喜ばれる商品づくりに、経営者とスタッフが一丸で頑張っていきたいと思います。

◆ヤマト代表取締役社長 町田 豊氏

◎働き方改革をより一層推進
 当社の生産システムを担う人材の育成を目指して、長年にわたり研修施設の「教育センター」で新入社員教育を実施しています。
 入社後1年間は技術研修を受講するため、同期入社の社員の仲間意識が強まります。配属後も業務上の諸問題の解決などを通して、互いに助け合う関係が続きます。
 教育センターでは建築に関する基礎的な研修に加え、現場での実習カリキュラムを充実させています。建設業は、エッセンシャルワーカーとして社会で活躍できるステージであることを自覚し、社員一同業務に励んでいます。
 本年度は、働き方改革をより一層推進し、働きがいのある会社づくりを進めていきたいと考えています。
 
◆プリマベーラ・リユース事業部社長執行役 守田 達郎氏

◎新しいステージへ進化
今期のテーマは「自分がやらずに誰がやる♪」を掲げ、全員経営を通じて、経営理念の実現に向けて、全従業員で取り組んでいきます。
 自走・自創する企業にするために今まで取り組んできましたが、さらに新しいステージへ進化させます。会社のツールである「日報革命」「実行革命」を使い、決定サイクルを早く回し、実行力を高めて「やらされ感」ではなく、自主的に、積極的に、前向きに。自分ごとにしていく。それが「自分がやらずに誰がやる♪」です。
 今後、専門性の高い業態の出店を進めます。8月にはアメカジ専門店の「Vintage Bank」を出店。また新しい顧客を創造しました。この店舗も現場の意見を取り入れた出店を行うことができました。

◆富士スバル代表取締役会長兼CEO 斎藤 郁雄氏

◎最善のサービスを提供
 昨今のデジタル技術発展により、お客さまは事前に十分な情報収集をされ、ご来店時には限られた時間で高い成果や満足を得ることを志向しています。
 その要望を超えるサービスを実現するため、社員一人一人のタイムパフォーマンス向上を重要視しています。常に時間を意識した行動を取り、高いアンテナを張って情報収集し、お客さまへパーソナライズを活用した最適な提案をする。アフターフォローにおいても迅速かつ丁寧なコミュニケーションを積み重ね、お客さまと信頼関係を構築する。
 経営理念「Thanks to you」のもと、心からのありがとうを共鳴し、ステークホルダーの皆さまへ最善のサービスをご提供していきます。

掲載日
2024/11/27

24.11.27 上毛新聞掲載はこちら

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トップ座談会(6)時代の価値創造へ

202411/20

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会。最終回は、参加者が時代のニーズをつかみ、発展させていくことの重要性について語り合った。
(次回は27日掲載)

※掲載は座談会当日の発言順です

◆田子会計事務所代表 田子 宏美氏

◎高まる需要 読み取る
 「中小企業の経営者の1番のパートナーとなり、ともに成長していくこと」を会社理念に掲げている。インボイス制度、電子帳簿保存法の改正など、経理の世界は変化が激しい。 人工知能(AI)の性能が向上する中、税理士などの経理業務は「将来的になくなる仕事」ともいわれているが、冷静に周りを見渡してみれば、会計事務所に助けを求める声は増えている。時代のニーズに応じたサポートは需要が高まっているように感じる。
 中小企業が何に困っているのかをきちんと読み取り、悩みに合った商品を提供することで、お客さまの役に立てるチャンスはまだまだある。お客さまから信頼してもらえる税理士事務所として、仕事に自信と誇りを持ち、地域を盛り上げていきたい。

 たご・ひろみ 1980年、前橋市生まれ。税理士、中小企業診断士。女性経営者、創業者の支援、事業承継などに力を入れている。

◆JTB群馬支店長 三上 敬太氏

◎地域一体 挑戦続ける
 コロナ禍を経て、旅行業界は大きく変化した。日本人の海外旅行者よりも、訪日外国人の数が圧倒的に増えている。群馬は全国に誇る温泉王国。観光地としての人気が高く、ビジネスチャンスとして捉えている。
 支店長になってから社員に伝えているのは「スイング・ザ・バット」というキーワード。既成概念にとらわれず、時代の変化やニーズに柔軟に対応し、失敗を恐れずに挑戦を続けたい。
 県内中高の修学旅行の取り扱いは毎年1万人以上。生徒さんたちの一生に一度の思い出づくりの手伝いができることをうれしく思っている。
 観光地も人材不足という課題に直面している。今までに培ってきたノウハウを生かして、地域一体で課題解決に取り組んでいきたい。

 みかみ・けいた 1976年、新潟県長岡市(寺泊)生まれ。98年JTB入社。2018年から2支店にて副支店長を経験し、24年2月から現職。

◆日本政策金融公庫前橋支店長 森下 勝弘氏

◎新たな目線で支援を
 政策金融機関として小規模事業者、中小企業、農林漁業者の経営を資金面等からサポートしている。今は、お客さまにとっては、原材料高騰、人手不足などとても厳しい経営環境であり、さらに短期間に外部環境が一変してしまう時代だ。そんな厳しい時だからこそ、お客さまの本音をじっくりと聞かせていただき、粘り強く寄り添える金融マンを目指していきたい。
 食品市場では、かつて、「内食」「中食」「外食」といった区分があったが、コロナ禍でこれらは完全にカオス化してしまった。今までの市場や業態への先入観を捨て、新たな目線で物事を見ていくことを大切にし、お客さまの安心と挑戦を支え、共に未来をつくっていきたい。

 もりした・かつひろ 1968年生まれ。91年農林漁業金融公庫(現日本政策金融公庫)入庫。2023年3月25日から現職。

◆石田屋代表取締役社長 石田 昌嗣氏

◎住宅に太陽光生かす
 本県と埼玉県北部で一戸建て住宅を年間約180棟建築している。2002年にパナソニックのフランチャイズグループに加盟し、本格的に一戸建て住宅建築事業を行うようになった。藤岡市に本社、埼玉県本庄市の隣にある神川町に事業拠点を構える。
 住宅はお客さまがその家で幸せな家庭を築くことが目的にある。メンテナンスや困り事に迅速に対応できるように、拠点から約1時間で行ける距離を商圏の目安としている。
 今年のテーマは、太陽光と自然エネルギーを生かした住まいづくりとまちづくり。エネルギーを有効活用した住宅を提案し、軌道に乗せていきたい。お客さまに「石田屋で良かった」と言ってもらえることを目標に取り組んでいる。

 いしだ・まさつぐ 1977年、鬼石町(現藤岡市)生まれ。2002年に石田屋入社。本県、埼玉県北部で一戸建て住宅を建築。22年から現職。

◆アゼット代表取締役 大河原康史氏

◎次の世代へ受け継ぐ
 WEBシステムの開発を主に請け負っており、特にオンラインで学習する「eラーニングシステム」の制作を得意としている。そのほかにパソコンやWEBに関する相談にも応じており、柔軟に対応できるのが当社の強み。
 創業時から役員として参画しているが、真面目で人の良い仲間が多い。本年度の抱負は理念と行動指針を固めて、社員全員で一丸となって次のステップに進むこと。
 WEB業界は変化のスピードが速い世界。いち早く反応して、新しいことを取り入れていきたいと考えている。若い世代が活躍して、切磋琢磨(せっさたくま)しながら会社を導いていってくれれば、この先も明るいだろうと思う。土台をしっかりと築き、次の世代へ受け継いでいきたい。

 おおかわら・やすし 1972年、沼田市生まれ。2000年にWEB業界へ転身。アゼット設立時から役員として携わり、08年に代表就任。

◆野村證券東日本コーポレート・ファイナンス部 松本 太聖氏

◎寄り添う姿勢大切に
 企業の成長ストーリーに自分自身も寄り添っていきたいという思いが生まれ、現在の部署に移った。今年の抱負は「オーナーシップを持つ」ことで、これからの抱負でもある。野村の看板に頼らずとも、「あなただから仕事をお願いした」という機会を増やしていきたいと思っている。
 環境が常に変化していく状況の中で、証券会社のプレーヤーやサービスはほとんど変わっていない。課題は担当者がどれだけお客さまと今後について綿密に話し合えているかということ。どの証券会社でも基本的には変わらないサービスだからこそ、より深い信頼関係を築いていけることが最終的なゴールだと思っている。お客さまに寄り添って、理解する姿勢を大切にしていきたい。

 まつもと・たいせい 1996年生まれ。慶応大卒。2019年入社。八王子支店、法人開発部を経て、23年9月より現職。上場企業30社を担当。

◆太陽誘電開発研究所長 平國正一郎氏

◎変化の兆しをつかむ
 当社には「おもしろ科学で より大きく より社会的に」というミッションがある。新しいものを生み出すには時間がかかり、決して簡単なことではないが、科学の力で新商品や新技術を開発していきたいと考えている。
 5年後、10年後にはどんなふうに世の中が変わりそうだと予想して、先手を打って進めていかなければならない。国内に限らず海外の動向にもアンテナを張り、変化の兆しをつかむことが重要で、それが新たな価値を生み出すことにつながる。
 読み取ってきたものと違うトレンドが出てくることもあり、試行錯誤を繰り返しながら研究を進めている。上半期の成果を振り返りながら、これからどのように成果を出していくかを模索していきたい。

 ひらくに・しょういちろう 1965年、鹿児島市生まれ。88年太陽誘電入社。主に研究所で研究開発に従事。2017年から現職。

◆クスリのマルエ代表取締役社長 鈴木 暁子氏

◎スピード感ある成長
 前社長の江黒太郎から、今年の5月17日に引き継いだ。新たな組織づくりやスタッフの思考の変化などを促しながら、スピード感を持って変わっていきたい。
 ドラッグストアは進出が多く、商圏が非常に狭くなっている。WEBを中心とした販促強化に加えて、地域のニーズに合わせた品ぞろえやレイアウトに力を入れている。人材育成について、若い世代の考え方も変わってきている。昨年から頭髪や服装規定を緩やかにしたことで、スタッフのモチベーションアップだけでなくコミュニケーションや接客のきっかけにもつながっている。
 新たな社長に代わったことを契機として、今までできなかったことにも挑戦し、会社を盛り上げていきたい。

 すずき・あきこ 前橋市出身。共愛学園高―新潟薬科大卒。2002年入社。取締役兼調剤統括本部長などを経て、5月17日から現職。

◆HAWORD代表取締役 宮﨑 雄一氏

◎食で人を幸せにする
 イノベーションスクールに1期生として参加し、起業した。イタリアンレストランを2店舗とドレッシングの製造・販売をしている。イノベーションアワード、イノベーションスクール、座談会から、たくさんの学びと人脈を得ることができた。
 レストランは3世代が一緒に楽しめるような店。人との触れ合いを喜びに変えるという使命を持って取り組んでいる。10年経営を続けてきた中での気付きやアドバイスから「ハピネス~すべての人を幸せに」という熱い思いは奥深さを増している。
 月に2回ほど、スタッフが映画監督など、さまざまな業界の一流の人たちに触れる機会を設けている。スタッフにも店への思いを共有して、一緒に最高のレストランをつくり上げていきたい。

 みやざき・ゆういち 1972年生まれ。2013年にイタリアンレストラン「ピッツェリア・ぺスカ」を開店。前橋市で2店舗を展開する。

【ファイナルステージ概要】
12:00アリーナ開場、13:00開幕
◆「コーヒースタンド」オープン
ONCA COFFEE、大和屋珈琲 ほか
◆ウェルカム演奏
NAIKA MC(ラップ披露)
◆ファイナリスト(13組)最終プレゼン審査&表彰式(敬称略)
 【ビジネスプラン部門高校生以下の部】江戸美月(前橋商高3年)、根子優太(桐生高3年)、佐野結愛・天田ヒカリ(前橋東高2年・同2年)、浜島陽奈(ぐんま国際アカデミー中等部2年)
 【同部門大学生・専門学校生の部】宮川拓也(群馬大5年)、渡辺光祐(慶応大3年)、春山奈緒(共愛学園前橋国際大3年)
 【同部門一般の部】西沢洋介(にしざわ接骨院院長)、田中秀彰(デジタルスイッチ代表取締役)、小保方貴之(FМ桐生事業本部長)
 【ベンチャー部門】飯塚花笑(スタジオ6.11代表社員)、岡村昌輝(Splash Brothers取締役)、村田悠典(MU代表取締役)
◆地元若手起業家トークセッション
①高橋史好さん
=concon(株)
②アジズ・アフメッドさん
=(合)NowNever.
③村上 采さん
=(株)Ay
④林 龍男さん
=(株)Dazy
◆ダンスパフォーマンス(ブレイキン)
SHADE×Mako
■同時開催イベント(11:00~)
「群馬イノベーションマーケット」

ファイナルステージは12月14日(土) @日本トーターグリーンドーム前橋

掲載日
2024/11/20

24.11.20 上毛新聞掲載はこちら