起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)のファイナルステージが12月14日、前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋で開かれる。本番を前に、プロジェクトを支える協賛社トップに、それぞれの成長戦略や注力する事業、今期の抱負、ファイナリストへのエールを寄せてもらった。
◆うすい副社長 柴崎 大海氏
◎新たなスタイルを模索
学習塾業界では、少子化の影響で特に過疎の進んでいる地域で生徒の確保が難しい状況にあります。その中、小学校低学年講座の充実、小学校受験市場への参入、太田での日本語学校の開校など、教育の枠組みの中で、ビジネス領域を広げ、顧客を増やす努力をしてきました。
社内組織では世代交代の時期を迎えており、私を含めた30~40代の社員が、経営の根幹に携わる場面が増えてきました。
今年は新しい市場を見つける努力を続けながら、群馬の教育レベルを高め、地方から人材を輩出するミッションに立ち返りたいと思っています。小型校舎の展開を進めつつ、生徒個人ごとのニーズに応えていくスタイルを確立していこうと考えています。
◆アサヒ商会代表取締役社長 広瀬 一成氏
◎「真のプロ」を目指したい
「プロフェッショナルマインド」が本年度の抱負です。私たちは文具とオフィスの専門事業者としてお客さまに支えられてきました。しかし、AIが進展し、誰もが簡単に知識をまとめ、情報を得られる時代では生半可なレベルではもはや「プロ」とは言えません。
プロとはスペシャリティーとホスピタリティーを兼ね備えた人。専門家であるだけでなく、お客さまにどのような価値をもたらすかを親身に伝える。この両方ができてこそ真のプロです。
「時間」が最も貴重なリソースとなった今、お客さまの貴重な時間を有意義なものにするためにも、働く私たち自身が豊かで意義ある時間を過ごすためにも、この姿勢を大切にしていきたいと考えています。
◆冬木工業代表取締役 大竹 良明氏
◎自分のワクワクを探そう
高崎市に本社を構え、総合建設と鉄骨製造の2本柱で事業を展開しています。創業97年となりますが、その歴史の中でも大きな変革期を迎えていると感じています。DXやカーボンニュートラルといった世界的な潮流への対応は、われわれのような中小企業も取り組まなければならない段階にきています。
時代の変化を敏感に察知し、チャンスと捉えて、イノベーションを起こしたい。重要なのはワクワク感を持って楽しむことです。そうすることで自ら考え、行動するようになるでしょう。一歩踏み出せば、次のワクワクが生まれる。この繰り返しが、達成感ややりがいにつながります。小さなことからでいい。自分のワクワクを探してみましょう。
◆高崎健康福祉大学理事長学園長 須藤 賢一氏
◎変革はアイデア次第
イノベーション=最先端科学技術と考えがちですが、テレビでは「転職代行業」のCMが盛んに流れています。学生や主婦をはじめ、多くの方々が起業する例も耳にするようになりました。最近、「退職代行業」なる生業の存在を聞いて驚いた記憶があります。想像は創造です。イノベーションもアイデア次第ですね。
私の本年度の抱負は、心理学科の設置認可申請書を提出することに尽きます。心理学科の開設は2026年度に予定しております。
本学が設置する8学科の専門分野は国連が提唱するSDGsと極めて親和性が高く、学生が学ぶ進捗度とSDGsとの関連度に適用できる方程式はないだろうか、と自問自答している今日この頃です。
◆大和証券高崎支店長 押上 剛人氏
◎豊かな未来創造に貢献
当グループは「お客さまの資産価値最大化」を経営基本方針に掲げています。的確な市場環境分析と深度あるお客さま理解に基づいた質の高いコンサルティングやソリューションを提供して、中長期的なお客さまの資産価値向上に取り組み、資産運用立国の実現と金融・資本市場を通じた豊かな未来の創造に貢献してまいります。
当グループは、社会問題の解決、未来の社会と金融・資本市場の発展のため、積極的にサスティナブルファイナンスの促進に取り組んでいます。全てのステークホルダーの皆さまに必要とされる存在となれるよう、サスティナブルで豊かな社会の実現のための新たな資金循環の仕組みづくりにグループを挙げて取り組んでまいります。
◆グリンリーフ・野菜くらぶ代表取締役社長 沢浦 彰治氏
◎150年ぶりのチャンス
5年前から進めてきた総菜を含めたミールキット工場が11月に完成しました。この工場には、消費期限が3日程度だったものを7日まで延ばせる設備を導入し、中には日本で8台目となる設備も入ります。
工場が完成すると農産物の付加価値を上げながら、消費者の方々に手に取ってもらえる価値ある商品化をより早く進められます。
かつて国際分業論を進めた中で日本の農産物と食は、際立つ安さになりましたが、今、その状況は逆転し、日本の農業は150年ぶりのチャンスです。この時代に平成初期から農業の6次産業化に取り組む当社は、お客さまにより喜ばれる商品づくりに、経営者とスタッフが一丸で頑張っていきたいと思います。
◆ヤマト代表取締役社長 町田 豊氏
◎働き方改革をより一層推進
当社の生産システムを担う人材の育成を目指して、長年にわたり研修施設の「教育センター」で新入社員教育を実施しています。
入社後1年間は技術研修を受講するため、同期入社の社員の仲間意識が強まります。配属後も業務上の諸問題の解決などを通して、互いに助け合う関係が続きます。
教育センターでは建築に関する基礎的な研修に加え、現場での実習カリキュラムを充実させています。建設業は、エッセンシャルワーカーとして社会で活躍できるステージであることを自覚し、社員一同業務に励んでいます。
本年度は、働き方改革をより一層推進し、働きがいのある会社づくりを進めていきたいと考えています。
◆プリマベーラ・リユース事業部社長執行役 守田 達郎氏
◎新しいステージへ進化
今期のテーマは「自分がやらずに誰がやる♪」を掲げ、全員経営を通じて、経営理念の実現に向けて、全従業員で取り組んでいきます。
自走・自創する企業にするために今まで取り組んできましたが、さらに新しいステージへ進化させます。会社のツールである「日報革命」「実行革命」を使い、決定サイクルを早く回し、実行力を高めて「やらされ感」ではなく、自主的に、積極的に、前向きに。自分ごとにしていく。それが「自分がやらずに誰がやる♪」です。
今後、専門性の高い業態の出店を進めます。8月にはアメカジ専門店の「Vintage Bank」を出店。また新しい顧客を創造しました。この店舗も現場の意見を取り入れた出店を行うことができました。
◆富士スバル代表取締役会長兼CEO 斎藤 郁雄氏
◎最善のサービスを提供
昨今のデジタル技術発展により、お客さまは事前に十分な情報収集をされ、ご来店時には限られた時間で高い成果や満足を得ることを志向しています。
その要望を超えるサービスを実現するため、社員一人一人のタイムパフォーマンス向上を重要視しています。常に時間を意識した行動を取り、高いアンテナを張って情報収集し、お客さまへパーソナライズを活用した最適な提案をする。アフターフォローにおいても迅速かつ丁寧なコミュニケーションを積み重ね、お客さまと信頼関係を構築する。
経営理念「Thanks to you」のもと、心からのありがとうを共鳴し、ステークホルダーの皆さまへ最善のサービスをご提供していきます。
掲載日
2024/11/27
24.11.27 上毛新聞掲載はこちら