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トップ座談会(6)時代の価値創造へ

202411/20

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会。最終回は、参加者が時代のニーズをつかみ、発展させていくことの重要性について語り合った。
(次回は27日掲載)

※掲載は座談会当日の発言順です

◆田子会計事務所代表 田子 宏美氏

◎高まる需要 読み取る
 「中小企業の経営者の1番のパートナーとなり、ともに成長していくこと」を会社理念に掲げている。インボイス制度、電子帳簿保存法の改正など、経理の世界は変化が激しい。 人工知能(AI)の性能が向上する中、税理士などの経理業務は「将来的になくなる仕事」ともいわれているが、冷静に周りを見渡してみれば、会計事務所に助けを求める声は増えている。時代のニーズに応じたサポートは需要が高まっているように感じる。
 中小企業が何に困っているのかをきちんと読み取り、悩みに合った商品を提供することで、お客さまの役に立てるチャンスはまだまだある。お客さまから信頼してもらえる税理士事務所として、仕事に自信と誇りを持ち、地域を盛り上げていきたい。

 たご・ひろみ 1980年、前橋市生まれ。税理士、中小企業診断士。女性経営者、創業者の支援、事業承継などに力を入れている。

◆JTB群馬支店長 三上 敬太氏

◎地域一体 挑戦続ける
 コロナ禍を経て、旅行業界は大きく変化した。日本人の海外旅行者よりも、訪日外国人の数が圧倒的に増えている。群馬は全国に誇る温泉王国。観光地としての人気が高く、ビジネスチャンスとして捉えている。
 支店長になってから社員に伝えているのは「スイング・ザ・バット」というキーワード。既成概念にとらわれず、時代の変化やニーズに柔軟に対応し、失敗を恐れずに挑戦を続けたい。
 県内中高の修学旅行の取り扱いは毎年1万人以上。生徒さんたちの一生に一度の思い出づくりの手伝いができることをうれしく思っている。
 観光地も人材不足という課題に直面している。今までに培ってきたノウハウを生かして、地域一体で課題解決に取り組んでいきたい。

 みかみ・けいた 1976年、新潟県長岡市(寺泊)生まれ。98年JTB入社。2018年から2支店にて副支店長を経験し、24年2月から現職。

◆日本政策金融公庫前橋支店長 森下 勝弘氏

◎新たな目線で支援を
 政策金融機関として小規模事業者、中小企業、農林漁業者の経営を資金面等からサポートしている。今は、お客さまにとっては、原材料高騰、人手不足などとても厳しい経営環境であり、さらに短期間に外部環境が一変してしまう時代だ。そんな厳しい時だからこそ、お客さまの本音をじっくりと聞かせていただき、粘り強く寄り添える金融マンを目指していきたい。
 食品市場では、かつて、「内食」「中食」「外食」といった区分があったが、コロナ禍でこれらは完全にカオス化してしまった。今までの市場や業態への先入観を捨て、新たな目線で物事を見ていくことを大切にし、お客さまの安心と挑戦を支え、共に未来をつくっていきたい。

 もりした・かつひろ 1968年生まれ。91年農林漁業金融公庫(現日本政策金融公庫)入庫。2023年3月25日から現職。

◆石田屋代表取締役社長 石田 昌嗣氏

◎住宅に太陽光生かす
 本県と埼玉県北部で一戸建て住宅を年間約180棟建築している。2002年にパナソニックのフランチャイズグループに加盟し、本格的に一戸建て住宅建築事業を行うようになった。藤岡市に本社、埼玉県本庄市の隣にある神川町に事業拠点を構える。
 住宅はお客さまがその家で幸せな家庭を築くことが目的にある。メンテナンスや困り事に迅速に対応できるように、拠点から約1時間で行ける距離を商圏の目安としている。
 今年のテーマは、太陽光と自然エネルギーを生かした住まいづくりとまちづくり。エネルギーを有効活用した住宅を提案し、軌道に乗せていきたい。お客さまに「石田屋で良かった」と言ってもらえることを目標に取り組んでいる。

 いしだ・まさつぐ 1977年、鬼石町(現藤岡市)生まれ。2002年に石田屋入社。本県、埼玉県北部で一戸建て住宅を建築。22年から現職。

◆アゼット代表取締役 大河原康史氏

◎次の世代へ受け継ぐ
 WEBシステムの開発を主に請け負っており、特にオンラインで学習する「eラーニングシステム」の制作を得意としている。そのほかにパソコンやWEBに関する相談にも応じており、柔軟に対応できるのが当社の強み。
 創業時から役員として参画しているが、真面目で人の良い仲間が多い。本年度の抱負は理念と行動指針を固めて、社員全員で一丸となって次のステップに進むこと。
 WEB業界は変化のスピードが速い世界。いち早く反応して、新しいことを取り入れていきたいと考えている。若い世代が活躍して、切磋琢磨(せっさたくま)しながら会社を導いていってくれれば、この先も明るいだろうと思う。土台をしっかりと築き、次の世代へ受け継いでいきたい。

 おおかわら・やすし 1972年、沼田市生まれ。2000年にWEB業界へ転身。アゼット設立時から役員として携わり、08年に代表就任。

◆野村證券東日本コーポレート・ファイナンス部 松本 太聖氏

◎寄り添う姿勢大切に
 企業の成長ストーリーに自分自身も寄り添っていきたいという思いが生まれ、現在の部署に移った。今年の抱負は「オーナーシップを持つ」ことで、これからの抱負でもある。野村の看板に頼らずとも、「あなただから仕事をお願いした」という機会を増やしていきたいと思っている。
 環境が常に変化していく状況の中で、証券会社のプレーヤーやサービスはほとんど変わっていない。課題は担当者がどれだけお客さまと今後について綿密に話し合えているかということ。どの証券会社でも基本的には変わらないサービスだからこそ、より深い信頼関係を築いていけることが最終的なゴールだと思っている。お客さまに寄り添って、理解する姿勢を大切にしていきたい。

 まつもと・たいせい 1996年生まれ。慶応大卒。2019年入社。八王子支店、法人開発部を経て、23年9月より現職。上場企業30社を担当。

◆太陽誘電開発研究所長 平國正一郎氏

◎変化の兆しをつかむ
 当社には「おもしろ科学で より大きく より社会的に」というミッションがある。新しいものを生み出すには時間がかかり、決して簡単なことではないが、科学の力で新商品や新技術を開発していきたいと考えている。
 5年後、10年後にはどんなふうに世の中が変わりそうだと予想して、先手を打って進めていかなければならない。国内に限らず海外の動向にもアンテナを張り、変化の兆しをつかむことが重要で、それが新たな価値を生み出すことにつながる。
 読み取ってきたものと違うトレンドが出てくることもあり、試行錯誤を繰り返しながら研究を進めている。上半期の成果を振り返りながら、これからどのように成果を出していくかを模索していきたい。

 ひらくに・しょういちろう 1965年、鹿児島市生まれ。88年太陽誘電入社。主に研究所で研究開発に従事。2017年から現職。

◆クスリのマルエ代表取締役社長 鈴木 暁子氏

◎スピード感ある成長
 前社長の江黒太郎から、今年の5月17日に引き継いだ。新たな組織づくりやスタッフの思考の変化などを促しながら、スピード感を持って変わっていきたい。
 ドラッグストアは進出が多く、商圏が非常に狭くなっている。WEBを中心とした販促強化に加えて、地域のニーズに合わせた品ぞろえやレイアウトに力を入れている。人材育成について、若い世代の考え方も変わってきている。昨年から頭髪や服装規定を緩やかにしたことで、スタッフのモチベーションアップだけでなくコミュニケーションや接客のきっかけにもつながっている。
 新たな社長に代わったことを契機として、今までできなかったことにも挑戦し、会社を盛り上げていきたい。

 すずき・あきこ 前橋市出身。共愛学園高―新潟薬科大卒。2002年入社。取締役兼調剤統括本部長などを経て、5月17日から現職。

◆HAWORD代表取締役 宮﨑 雄一氏

◎食で人を幸せにする
 イノベーションスクールに1期生として参加し、起業した。イタリアンレストランを2店舗とドレッシングの製造・販売をしている。イノベーションアワード、イノベーションスクール、座談会から、たくさんの学びと人脈を得ることができた。
 レストランは3世代が一緒に楽しめるような店。人との触れ合いを喜びに変えるという使命を持って取り組んでいる。10年経営を続けてきた中での気付きやアドバイスから「ハピネス~すべての人を幸せに」という熱い思いは奥深さを増している。
 月に2回ほど、スタッフが映画監督など、さまざまな業界の一流の人たちに触れる機会を設けている。スタッフにも店への思いを共有して、一緒に最高のレストランをつくり上げていきたい。

 みやざき・ゆういち 1972年生まれ。2013年にイタリアンレストラン「ピッツェリア・ぺスカ」を開店。前橋市で2店舗を展開する。

【ファイナルステージ概要】
12:00アリーナ開場、13:00開幕
◆「コーヒースタンド」オープン
ONCA COFFEE、大和屋珈琲 ほか
◆ウェルカム演奏
NAIKA MC(ラップ披露)
◆ファイナリスト(13組)最終プレゼン審査&表彰式(敬称略)
 【ビジネスプラン部門高校生以下の部】江戸美月(前橋商高3年)、根子優太(桐生高3年)、佐野結愛・天田ヒカリ(前橋東高2年・同2年)、浜島陽奈(ぐんま国際アカデミー中等部2年)
 【同部門大学生・専門学校生の部】宮川拓也(群馬大5年)、渡辺光祐(慶応大3年)、春山奈緒(共愛学園前橋国際大3年)
 【同部門一般の部】西沢洋介(にしざわ接骨院院長)、田中秀彰(デジタルスイッチ代表取締役)、小保方貴之(FМ桐生事業本部長)
 【ベンチャー部門】飯塚花笑(スタジオ6.11代表社員)、岡村昌輝(Splash Brothers取締役)、村田悠典(MU代表取締役)
◆地元若手起業家トークセッション
①高橋史好さん
=concon(株)
②アジズ・アフメッドさん
=(合)NowNever.
③村上 采さん
=(株)Ay
④林 龍男さん
=(株)Dazy
◆ダンスパフォーマンス(ブレイキン)
SHADE×Mako
■同時開催イベント(11:00~)
「群馬イノベーションマーケット」

ファイナルステージは12月14日(土) @日本トーターグリーンドーム前橋

掲載日
2024/11/20

24.11.20 上毛新聞掲載はこちら

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トップ座談会(5)未来見据え変革を

202411/13

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会。社会情勢や産業構造が急速に変化する中、企業に求められる役割は何か。座長の岩井雅之・ファームドゥグループ代表ら9人が意見を交わした。
(次回は20日掲載)

◆ファームドゥグループ代表 岩井 雅之氏

◎環境配慮 再エネ注力
 野菜販売や農業、再生可能エネルギー事業などを展開する。加えて、ザスパ群馬のユニフォームスポンサーを長年務めるなど、社会貢献活動にも力を入れている。また人材不足が課題となる中、当社では海外から特定技能者を積極的に採用している。
 国外に子会社を四つ構えており、海外を訪れる機会も多い。現地に訪れて感じるのは気温上昇による大雨や大規模な台風といった自然災害と被害者の増大。農業も過酷な環境にさらされている。地球の温度を下げる努力が必要と考え、近年は太陽光発電に力を入れている。
 今年で70歳を迎えた。年を取る寂しさを感じる一方、あと10年は現役でやれると自信を深めている。電力、食糧、環境の分野で、アクセルを踏み込んで事業を拡大していきたい。

 いわい・まさゆき 1954年、富岡市生まれ。93年に脱サラし独立。グループ国内3社、海外4社を経営し、食糧と電力事業に注力する。

◆コーエィE・C事業部 取締役統括部長 加藤 満氏

◎既存の枠を超え挑戦
 イベントプロデュースのほか、国内外でアミューズメント施設を展開している。コロナ禍においては、イベント運営で培ったノウハウを生かし、県からワクチン接種会場の運営を受託。Gメッセ群馬で1万人規模の会場運営を担った。直近は、温暖化でスキー場の雪不足が課題となる中、降雪機を製造するイタリアのメーカーと代理店契約を締結。国内での取り扱いは初めてで、全国のスキー場から注目いただいている。
 イベントの中止が相次いだコロナ禍の経験から、イベントに頼らない事業運営を見据えている。近年は前橋市の温泉施設などの指定管理業務のほか、グランピング施設運営などのPFI事業にも挑戦しており、今後も一つの事業に捉われず、ビジネスチャンスを広げていきたい。

 かとう・みつる 1967年、埼玉県熊谷市生まれ。イベント事業の全体管理と営業を担当。PⅢ戦略室長も兼務。

◆ダイコー代表取締役 斎藤 胡依氏

◎“そば人材”育成推進
 そば店の運営やそば粉の製造・販売を手がけている。コロナ禍に弁当店を開業、今年4月にはうどん店も新たにオープンした。
 そばに関わる人材を育成するため、そば打ちの技術などを教える「日本そば文化学院」を運営しており、卒業生の多くがそば職人などとして活躍している。2020年からは高校生を対象にした「そば打ち大会」も開催。昨年は全国から延べ50人近くが参加し、“そば打ちの甲子園”として定着しつつある。今後は高校卒業後にも活躍の場を広げようと、U25の大会を開催したいと展望している。
 10年ほど前からモンゴルでそばを栽培しているが、近年は温暖化の影響で栽培できる地域が広がっている。栽培面積を拡大しながらそば粉の生産量を増やしていきたい。

 さいとう・こい 1970年、中国生まれ。2006年に十割そば専門店「竹林」を開店し、08年にダイコーを設立。「日本そば文化学院」理事長。

◆群馬県信用保証協会長 鬼形 尚道氏

◎事業者の将来支える
 当協会は中小企業・小規模事業者が金融機関から融資を受ける際、保証人となって借り入れを円滑に進めるための公的機関。県内事業者の約4割に当たる約2万5千社に利用いただいている。
 創業や経営改善、事業承継などの支援を拡充するため、今年4月に経営支援部を新設した。加えて、早期に改善計画を策定し、将来に備える事業者を応援するため「未来挑戦応援保証」制度も新たに設けるとともに、経営者保証に依存しない融資慣行の確立にも力を入れている。
 事業活動をサポートし企業の成長戦略を後押しする立場として、職員のレベルアップも欠かせない。資格取得の奨励や派遣研修などを充実させ、支援スキルと応援マインドの向上につなげていきたい。

 おにがた・なおみち 1961年、安中市生まれ。85年、県庁入庁。産業経済部長を経て、2022年に同協会常務理事就任、23年6月より現職。

◆西建代表取締役社長 平形 敦史氏

◎会社発展へ自ら成長
 建具屋として創業し、今年で76年目を迎えた。現在は木製家具の製造・販売から、外構工事、店舗デザイン、一般住宅のリフォームまで手がけている。コロナ禍で事業への影響も心配されたが、リフォーム需要が増加。庭の修繕工事などの注文も多くいただいた。
 私は来年で50歳を迎え、叔父から会社を継いで7年近くが経つ。会社は社長の能力以上には大きくなれないと言われており、今後は自分自身の成長が欠かせないと感じている。
 業界全体では人手不足が叫ばれているが、幸いなことに当社では若手社員が元気に頑張っている。社員たちの生活を守っていくためにも、GIAに参加する若者たちのチャレンジする姿勢や強い意志を見て、感じて、私自身も成長できる場にしたい。

 ひらかた・あつし 1975年、渋川市生まれ。前橋工科大卒。大手物流会社、建築設計事務所を経て2003年入社。17年から現職。

◆増田煉瓦代表取締役 増田 晋一氏

◎食で地域の価値向上
 1917年に前橋で開業。現在はピザ窯に特化し、製造から設計、施工、維持管理まで手がけている。時代とともに煉瓦(れんが)の需要が減少していく中で、前橋の街づくりと合わせ、群馬発信で何かできないかと考えた時に、たどり着いたのがピザ窯だ。
 群馬は小麦の生産が盛んで、1次産業から3次産業まですべてをカバーできる。そうした強みを生かし、新たな産業として発展させていきたい。その取り組みの一つが「キング・オブ・ピッツァ」。今年で6回目を迎え、年々レベルが向上している。
 群馬のピッツェリアを点から面に広げていこうと、県内の観光地や道の駅にピザ窯を納入しているほか、近年は薪(まき)料理にも注目。地域独自の食文化づくりのお手伝いを通じて、地域の付加価値向上に励んでいる。

 ますだ・しんいち 1960年、前橋市生まれ。大学卒業後、大手家電メーカーで技術職を経て94年入社。98年5代目就任。

◆東京海上日動群馬支店長 上杉 克氏

◎多様なリスク下支え
 一連の不適切事案により、お客さまをはじめ関係者の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
 当社は1879年に創業し、今年で145年を迎えている。県内には前橋、高崎、太田に事業所を構え、県民の皆さまや企業の皆さまを中心に安心・安全をお届けすることを生業(なりわい)としている。群馬はこれまで災害が少ないと言われてきたが、近年は異常気象の影響により、自然災害が頻発化・激甚化している。加えて、サイバー攻撃などリスクも多様化しており、従来型の保険機能に加え、各種ソリューションの提供にも注力している。
 一人でも多くのお客さまに保険にとどまらない価値をお届けすることで、群馬の活性化に貢献していきたい。

 うえすぎ・まさる 1975年、静岡県生まれ。98年東京海上入社。金融法人部次長、東京自動車営業部事業開発室長などを経て2024年4月より現職。

◆ソウワ・ディライト 代表取締役CEO 渡辺 辰吾氏

◎地球のミライ照らす
 電気工事業を営んでいる。「地球と人と電気の共生モデル」を模索しており、本気で地球課題に取り組みながら、企業の在り方を再構築している。
 当社ではマイクロバイオーム(微生物多様性)という概念を基にさまざまなデザインを打ち出し、元来の人間のライフスタイルを追求しながら、社会課題解決や地域コミュニティーづくりに励んでいる。その一つが「世界一小さい本屋」という取り組み。物事は大小ではなく、宇宙まで広がる連続性の中でつながっているということを示しており、昨年ギネスにも認定された。
 利益の追求以上に、地球課題をどのように捉え、どう行動していくかが重要。個性あふれるチームではあるが、千年先を見据える視点を持って課題と向き合っていきたい。

 わたなべ・しんご 1976年、前橋市生まれ。デンキの可能性を生態系の脈絡から捉え、社会に実装している。大阪万博にも参画。

◆NTT東日本群馬支店長 井原 智直氏

◎地元根差し地域貢献
 当社は全国の企業というイメージが強いかもしれないが、群馬で働くメンバー約千人のうち、9割以上が群馬県民と、地域に根差した会社だ。創業以来、通信を核に事業を展開してきたが、近年はDXやドローン、エネルギーなど多様な分野から地域課題解決に取り組んでいる。
 環境対策として、今年から当支店全ての電力を再エネに切り替えた。加えてNTTグループとして「IOWN(アイオン)」と呼ばれる次世代通信基盤の開発を進めている。電力消費量が現在の100分の1に抑えられることから、脱炭素に貢献できるものと考えている。県内全ての自治体と連携協定を結ぶなど防災にも注力。今後も、自治体とタッグを組みながら、災害に強い群馬をさらに盤石にするお手伝いをしていきたい。

 いはら・ともなお 1973年、長野県生まれ。96年NTT入社。NTT東日本総務人事部人事第一部門長などを歴任。2023年6月より現職。

※掲載は座談会当日の発言順です

【ファイナルステージ概要】
12:00アリーナ開場、13:00開幕
◆「コーヒースタンド」オープン
ONCA COFFEE、大和屋珈琲 ほか
◆ウェルカム演奏
NAIKA MC(ラップ披露)
◆ファイナリスト(13組)最終プレゼン審査&表彰式(敬称略)
 【ビジネスプラン部門高校生以下の部】江戸美月(前橋商高3年)、根子優太(桐生高3年)、佐野結愛・天田ヒカリ(前橋東高2年・同2年)、浜島陽奈(ぐんま国際アカデミー中等部2年)
 【同部門大学生・専門学校生の部】宮川拓也(群馬大5年)、渡辺光祐(慶応大3年)、春山奈緒(共愛学園前橋国際大3年)
 【同部門一般の部】西沢洋介(にしざわ接骨院院長)、田中秀彰(デジタルスイッチ代表取締役)、小保方貴之(FМ桐生事業本部長)
 【ベンチャー部門】飯塚花笑(スタジオ6.11代表社員)、岡村昌輝(Splash Brothers取締役)、村田悠典(MU代表取締役)
◆地元若手起業家トークセッション
①高橋史好さん=concon(株)
②アジズ・アフメッドさん=(合)NowNever.
③村上 采さん=(株)Ay
④林 龍男さん=(株)Dazy
◆ダンスパフォーマンス(ブレイキン)
SHADE×Mako
■同時開催イベント(11:00~)
「群馬イノベーションマーケット」

ファイナルステージは12月14日(土) @日本トーターグリーンドーム前橋

掲載日
2024/11/13

24.11.13 上毛新聞掲載はこちら

お知らせ

GIA2024 ファイナルステージは12月14日です

202411/12

✨GIA2024 ファイナルステージは12月14日、前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋です。✨

群馬イノベーションアワードは、イノベーションとチャンスが出会うイベントです。

若手起業家によるトークセッション、ダンスパフォーマンス、また人気3コーヒー店による無料提供などを行います。

ご来場、お待ちしております。

メディア掲載情報

トップ座談会(4)常に必要な存在に

202411/06

 時代の変化に対応し、存在感を発揮している企業はどんなことを重視しているのか。「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会4回目は、座長の糸井丈之・糸井ホールディングス社長ら9人が語り合った。
(次回は13日掲載)

◆糸井ホールディングス社長 糸井 丈之氏

◎継続視野に取捨選択
 総合リサイクル業の糸井商事を母体に、野球の群馬ダイヤモンドペガサスをはじめとしたスポーツやeスポーツ、農業など幅広く手がけている。
 今年で古希を迎えたのを機に、次の時代にしっかり継続していけるように取捨選択を始めた。今まで30分刻みで組んでいた予定を見直したため、どうしても不義理をしてしまう人も出ている。企業人として飛行も最終段階に入っているので、シートベルトを締めながらきちんと着陸できるように、全てに自分の目が届くようにしたい。
 整理するだけでなく、まだまだ取り組みたいこともある。スズラン高崎店の再開発に伴い、サウナやラウンジといった事業を始めた。こちらも来年は軌道に乗せたい。

 いとい・たけゆき 1954年、高崎市生まれ。79年に糸井商事入社、99年に社長就任。2017年、糸井ホールディングス設立。

◆メモリード取締役専務執行役員 高橋 秀実氏

◎質の高いサービスを
 メモリードグループは長崎で創業して55周年になる。冠婚葬祭業を中心に展開するほか、中高年層向けの複合施設や予防医療法人、農場、宗教法人、保育園などを運営している。
 「これからも、人生のさまざまな場面で必要とされる企業を目指す」が今期のテーマ。原点回帰してサービスの質自体を向上するため、商品の基礎知識やビジネスマナーなどを習得する研修制度を確立した。
 人生の特別な場面だけでなく、日常的な満足度を高めるため、レストランやホテルといったグループ関連施設の充実を図っている。予防医療クリニックと併用して、アンチエイジングの美容商品も取り扱い始めた。葬儀の小規模化に伴い、家族葬向けの葬祭ブランドを立ち上げ、よりニーズに応える1年にする。

 たかはし・ひでみ 1957年、太田市生まれ。大学卒業後、群馬銀行に32年勤務。2013年にメモリード入社、16年より現職。

◆高崎佐藤眼科理事長 佐藤 拓氏

◎見える力も向上図る
 大学病院で行っていた診療を身近に快適にできないかと考え、クリニックを開業した。「光を守る」というビジョンの下、失明に直結するようなリスクの高い病気治療に必要な機器やスタッフをそろえてきた。スタッフが50人を超えたため次の段階に進もうと、今年を第二創業と位置付け、建物や駐車場を拡大した。
 若い人の視力改善にも注力している。眼の中にレンズを入れるICL手術の精度が高くなったため導入した。ドライアイもガイドラインができ、IPLと呼ばれる光の照射による治療も始めた。
 ブルーボトルコーヒーに加え、廃業するイチゴ農園を支援しようと考えている。イチゴのブランディングや健康弁当の販売など、副業の方でも地域貢献していきたい。

 さとう・たく 1971年、宮崎市生まれ。元群馬大医学部眼科講師。専門は加齢黄斑変性。2016年、高崎佐藤眼科を開設。

◆三菱UFJモルガン・スタンレー証券大宮支店コンサルティング第二部長 新家 崇史氏

◎スピード感持ち実行
 MUFGと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャーとして、富裕層サービスに特化している。お客さまによってゴール設定やリスクの許容度は異なる。テクノロジーを使いながらリターンに対するリスクをコントロールし、お客さまごとにプロファイリングして解決策を提示するのがわれわれの使命。ウェルスマネジャーとなって、特別なお客さまに特別で付加価値の高いサービスを提供する。
 今年のチャレンジは「ためる、ふやす、つなぐ、まもる」。マーケットや金利、為替などの状況がかなり様変わりしており、そうした外部環境の変化に対してわれわれがお手伝いできることを、今まで以上にスピード感を持って実行していくのが今年のミッションだと思っている。

 にいのみ・たかふみ 1982年、愛知県生まれ。2005年に入社し、横浜支店、仙台支店、難波支店を経て、22年7月より現職。

◆カネコ種苗代表取締役社長 金子 昌彦氏

◎持続的な農業に貢献
 農業関係の総合企業として事業を展開している。今年のテーマは三つある。このうち研究開発と種子の安定供給は以前から取り組んでいるが、さらに環境分野にも挑戦したい。
 農畜産業は円安の影響や環境の変化などを受け、非常に厳しい状況に置かれている。ただ、生活に欠かせない産業であり、そこを支えていくのが当社の使命だ。一番貢献できると考えているのが農家の所得向上。そこに直結する品種改良に引き続き力を入れていく。
 また、世界中で大干ばつや大雨といった自然災害が起きている。種子が採れなければ作物ができない。リスクを分散し、種子の安定供給に努める。持続的な農業に貢献するという視点を持ち、エネルギー分野にも取り組んでいきたい。

 かねこ・まさひこ 1956年、富岡市生まれ。県職員を経て87年にカネコ種苗に入社。2012年から同社社長。県商工会議所連合会長。

◆ユナ厨房代表取締役 五十畑隆宏氏

◎分野を広げ地域貢献
 当社は飲食店の設備販売から始まった。いかにお客さまに必要とされるかを常に考え、今ではコンサルティングのような形で設計デザインから運営まで幅広くサポートしている。コロナ禍が明けて出店の相談と同時に、閉店や再起についての相談も増えている。
 リユース品を扱っているため、仕入れ先の拡大は欠かせない。そのために東京方面に進出し仕入れ商品の拡充が今後の課題だ。
 3年前に障害者の就労施設を造った。ユナ厨房では不用品を買い取り、洗浄やメンテナンスをして中古品として商品にしている。その過程を施設の障害者の方が立派に担うまでになった。施設運営も軌道に乗せながら、地域の皆さんのお役に立てるように視野を広げていけたらと思う。

 いかはた・たかひろ 1971年、栃木県佐野市生まれ。厨房機器大手メーカーの営業を経て2002年に起業。

◆桐生信用金庫専務理事 今井 有司氏

◎付加価値を最大限に
 当金庫は来年2月で100周年を迎える。桐生地域のシェアは28%ほどあるが、それ以外の地域はまだ8%程度。提供する付加価値を最大限に発揮して、新しいお客さまに振り向いていただけるようにしたい。
 そのために三つ強化する。一つは政府系の金融機関と提携し、個別のビジネスマッチングを行う。二つ目は人材紹介。県内の人材派遣会社数社と提携しており、実際に現場に行ってニーズをくみ取ってもらう。こういうことを通じてお客さまには付加価値を感じていただきたい。
 三つ目は、ビジネスマッチングフェアを11月に開催する。今年のテーマは「BCP(事業継続計画)とお客さまのマッチング」。水害などの災害が頻発しており、BCP策定に向けた具体的な提案をしたい。

 いまい・ゆうじ 1960年、太田市生まれ。86年に入庫。太田支店長、前橋支店長、本店営業部長、常務理事などを経て今年6月から現職。

◆KJインターナショナル代表取締役 丸野ケンジ氏

◎介護業界へ人材紹介
 約10年前に会社を立ち上げ、人材派遣と人材の紹介をしている。ペルーにルーツがあるため、南米出身者や県内に住む外国人のハローワークのようなことをしてきた。「製造業向け人財総合サービス」をうたってきたが、対象をもっと広げて、今年から「総合人財サービス」へと拡大していきたいと考えている。
 これから力を入れたいのが特定技能の資格を持つ人材の紹介。まずは介護に関わる人材を紹介する仕組みを作った。最近はミャンマーからの入国が増え、彼らの人柄や文化が高齢の方や介護業界にマッチしている。派遣では条件面が合わないなど、介護現場に入っていきにくかったが、特定技能であれば雇用しやすい。今後もヒューマンリソースに関わる全てに取り組んでいきたい。

 まるの・けんじ 1989年、ペルー生まれ。桐生市育ち。人材派遣会社勤務を経て2014年に独立。高度人材の派遣にも力を入れる。

◆オルビス代表取締役 大熊 章之氏

◎水産立ち上げ前進を
 食肉加工の卸と青果(野菜)の卸、そしてローストビーフを中心とした食肉の調理加工の三つを業務の柱としている。主な販売先は飲食店で、コロナ禍は大打撃を受けて6割くらい売り上げが落ちた。ようやく戻ってきて、今期の決算はコロナ前より内容が良くなった。
 食肉がメインだが、青果の事業も10年がたち、ようやく軌道に乗ってきた。生鮮業は肉と魚と野菜。これからは、その中で抜けている水産に力を入れていきたい。水産事業を立ち上げることで、今までとは違った形で前に進める気がする。
 世の中の情勢で、どこかが悪くなってもどこかが良くなる。二足のわらじと言われるが、これからは三足のわらじプラス調理加工で、四つの柱で進めていけたらと思う。

 おおくま・のりゆき 1961年、榛名町生まれ。2000年に大一ミート社長就任。鳥一フーズと合併、オルビスに社名変更し、09年から現職。

【ファイナルステージ概要】
12:00アリーナ開場、13:00開幕
◆ウェルカム演奏
NAIKA MC(ラップ披露)
◆ファイナリスト(13組)最終プレゼン審査&表彰式(敬称略)
 【ビジネスプラン部門高校生以下の部】江戸美月(前橋商高3年)、根子優太(桐生高3年)、佐野結愛・天田ヒカリ(前橋東高2年・同2年)、浜島陽奈(ぐんま国際アカデミー中等部2年)
 【同部門大学生・専門学校生の部】宮川拓也(群馬大5年)、渡辺光祐(慶応大3年)、春山奈緒(共愛学園前橋国際大3年)
 【同部門一般の部】西沢洋介(にしざわ接骨院院長)、田中秀彰(デジタルスイッチ代表取締役)、小保方貴之(FМ桐生事業本部長)
 【ベンチャー部門】飯塚花笑(スタジオ6.11代表社員)、岡村昌輝(Splash Brothers取締役)、村田悠典(MU代表取締役)
◆地元若手起業家トークセッション
①高橋史好さん=concon(株)
②アジズ・アフメッドさん=(合)NowNever.
③村上 采さん=(株)Ay
④林 龍男さん=(株)Dazy

◆ダンスパフォーマンス(ブレイキン)
SHADE×Mako

■同時開催イベント(11:00~)
「群馬イノベーションマーケット」

ファイナルステージは12月14日(土) @日本トーターグリーンドーム前橋

掲載日
2024/11/06

24.11.06 上毛新聞掲載はこちら

その他

トップ座談会(3)地域活性化へ挑戦

202410/30

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会。3回目は座長の堀江明彦・群馬銀行常務取締役を中心に、課題を抱える地方経済の現状において挑戦を続ける9人が、それぞれの取り組みについて語り合った。(次回は11月6日掲載)

◆群馬銀行常務取締役 堀江 明彦氏

◎ニーズ把握、課題解決
 本年度は中期経営計画最終年度に当たる。2021年にパーパス「私たちは『つなぐ』力で地域の未来をつむぎます」を制定。新型コロナ流行や気候変動、人口減少など、さまざまな社会課題に直面している状況下で、当行の社会的存在意義やコア・コンピタンスを見つめ直し、役職員らの意見を基に作成した。
 パーパスを制定したことにより、お客さまのニーズを把握し、課題解決に取り組む営業スタイルへ変化。従来の融資業務のほか、事業承継や人材紹介、資産運用といったサービスを提供し、好評いただいている。
 近年は温泉・観光地の地域創生に取り組んでいる。当行とみなかみ町、オープンハウス、東京大学が連携して温泉街の再生モデルをつくり、地域活性化に力を注いでいる。

 ほりえ・あきひこ 1962年、渋川市生まれ。85年、群馬銀行入行。大宮支店長、太田支店長、営業統括部長を歴任し、2024年6月から現職。

◆クシダ工業専務取締役 串田 伸介氏

◎現場の声反映し改善 
 当社は電気工事や上下水工事などの設備工事、配電盤や制御盤などの製造を主な事業としている。本年度は一人当たりの生産性向上をテーマに業務を行っている。コロナ以降、建設業界は活況が続いており、依頼は増えているが、対応しきれずにお断りしなければならない状況がある。
 昨今の人手不足や働き方改革と相まって、いかに効率的に業務を行うかが重要となっている。例えば、紙の業務管理削除、AIも含めたシステム化による業務簡素化など、DXやAI活用に活路を見いだそうとしている。
 改善はトップダウンではなく、現場従業員の声を反映したものでなくてはならない。俯瞰(ふかん)的に見て変えなければいけないことをしっかりと話し合い、進めたい。

 くしだ・しんすけ 1983年、高崎市生まれ。2011年、クシダ工業に入社。人事や総務に携わり、同社八幡製作所長に就任。23年から現職。

◆ATホールディングス代表取締役 グループCEO 堀切 勇真氏

◎「社員の幸せ」第一に 
 本県を中心に東日本全域で、産業廃棄物の収集運搬から最終処分まで一貫したサービスを提供している。コロナ禍においては、病院からの廃棄物や予防接種の注射針などを処理する重要な役割を担ってきた。
 現在はコロナの特需はなくなったが、そんな局面であっても売り上げだけにこだわることなく「一緒に働く社員と、その家族の幸せを願う」ことを第一に掲げている。売り上げ1千億円よりも千人の仲間を集めることを目標に、社員それぞれの個性を生かして成長につなげていきたい。
 昨年10月、前橋市泉沢町に新社屋が完成した。こちらも売り上げ向上のためというより、働く環境を整える「100%社員のため」の社屋だ。目先の利益ではなく、5年後、10年後を見据えた経営に注力している。

 ほりきり・ゆうしん 1981年、神奈川県藤沢市生まれ。2013年、ATホールディングス設立。アドバンティク・レヒュースを軸に6社を率いる。

◆みずほ証券高崎支店長 賀見 武史氏

◎無償で金融経済教育
 4月に高崎支店長に着任し、上毛かるたは10札ほど覚えた。当支店は個人と法人向けに営業を展開。最近は、個人のお客さまからNISAやiDeCoの問い合わせが増えている。夫婦でゆとりある老後を過ごすには月37万円が必要といわれているが、足りていない人は多い。プライベートでも知人からNISAについて聞かれることが増え、多くの人が危機感を持っていると感じている。
 そういった流れを受けて当支店では、数年前から地方自治体の職員や企業の従業員向けに、無償で金融経済教育を行っている。近頃は参加者からの質問が増えており、関心の高まりを感じる。「ともに挑む。ともに実る。」をパーパスに掲げ、金融機関として地方と日本経済に貢献できるよう、日々取り組んでいる。

 がみ・たけし 1980年、和歌山市生まれ。2003年、新光証券(現みずほ証券)入社。支店・本社営業推進部署を経て、24年から現職。

◆花助代表取締役社長 小林 新一氏

◎「推し活」で受注急増
 「花屋選びの不安を安心に変える」ことを目標に、全国130店舗の花屋と提携し、フラワーネットワークを運営している。
 以前は企業間で祝花を贈るための注文が中心だったが、数年前から「推(お)し活」の受注が増えている。自身が某アイドルグループの楽曲を歌った動画をアップしたのをきっかけに、ファンからコンサートや握手会で「推し」に花を贈るための注文が急増。全国各地の会場へ花を届けている。
 次の目標はデジタルを活用し、取引先からの多種多様な要望に応えていくことだ。例えば動画配信者のマネジメント会社からの受注で、ファンからのプレゼントの受け取り代行を行うなど、新たなサービスに挑戦し、群馬にも魅力的な企業があると若者に認知される存在になりたい。

 こばやし・しんいち 1972年、前橋市生まれ。米国などで花作りを学び、2005年に生花店開業。独自のネットワークで花を届けている。

◆グルメフレッシュ・フーズ 代表取締役社長 松本 健氏 
◎新事業で相乗効果

 当社は「安心とおいしさをまごころこめて」を目標に、主に国産豚を使ったもつ煮やホルモン焼きを製造している。
 本年度より取引先とのパートナーシップ事業により、栃木県芳賀町で工場の操業を開始した。現在、安定的な稼働に向けて取り組んでいる。前橋工場では、原材料や電気料金の値上がりなどにより収益性に苦しむ状況を打開すべく、新商品開発を重点的に、当社ならではの商品開発に取り組んでいる。
 また、老舗焼肉店の事業を承継して以降、現在も前オーナーからご助力いただきながら当時の味と品質を守り続けている。今後は、両事業のノウハウを活用して新たなB to C事業を構築して、相乗効果を目指していきたい。

 まつもと・たけし 1971年、前橋市生まれ。98年、グルメフレッシュ・フーズ設立。「安心とおいしさをまごころこめて」を理念に掲げる。

◆東和銀行法人営業部担当部長兼お客様応援室長 服部 政博氏

◎企業の成長サポート
 今年5月にパーパス「私たちは、地域のお客さまに寄り添い、ともに豊かな未来を創造します。」を策定した。ビジネスモデル「TOWAお客様応援活動」を通じて、お客さまへ課題解決のためのソリューションを提供し、地域経済とお客さまの事業の成長をサポートする。
 単に資金を提供するだけでなく、経営改善やコンサルティング業務などを通じて、お客さまが事業に専念できる環境を構築し、企業の成長を総合的に支援する。
 産官学金の連携を強化し、大学などの研究シーズを生かした新規ビジネスの創出支援など、地域課題の解決に資するイノベーションを目指す。生産性向上や人手不足解消、働き方改革の実現などで、お客さまの企業価値向上に貢献したい。

 はっとり・まさひろ 1967年、前橋市生まれ。90年、東和銀行入行。本店営業部などを経て、2018年、お客様応援室長就任。24年から現職。

◆前橋園芸代表取締役 中村敬太郎氏
◎癒やしの空間を提供

 当社は造園業から始まり観葉植物のレンタル、エクステリアやガレージのデザイン、樹木や花の植栽まで手がけている。2年前に沼田市内でグランピング・オートキャンプ場の運営を始めた。
 以前と比べて庭造りにかける個人の予算は減っているが、人が自然や緑を求める気持ちは変わらない。緑の価値を提案する新たな方法としてグランピング施設を運営。植物を扱うプロがデザイン設計し、造り、管理する癒やしの空間を提供している。
 今後の展開としては、海外で日本庭園を提供し、その価値を広めていきたいと考えている。そういったクリエーティブな仕事に取り組むことで、若い世代のモチベーションアップとやりがいをつくり、人材確保にもつなげていきたい。

 なかむら・けいたろう 1971年、前橋市生まれ。2003年、家業の前橋園芸入社。10年から現職。外構造園の設計施工を手がける。

◆ボルテックス執行役員 事業統括本部長兼業務本部長 千葉 武敏氏
◎社員の他社出向支援

 東京都心に「区分所有オフィス(R)」というリスクを抑えた形で、オフィスの分譲販売を手がけてきた。フロアごとや、さらに小口化して、より多くのお客さまに所有いただけるよう提案している点が当社の強みだ。
 最近ではJR東京駅八重洲口前の新築オフィスビルを分譲して、主に法人向けに提案している。
 今期は高級別荘の開発にも力を入れている。オフィス分譲の知見を生かし、タイムシェアなどの形を取り入れて広く利用できるようにする。
 現在は人材ビジネス「Vターンシップ(R)」という新規事業に注力している。大手企業以外でも社員に出向の機会を与え、他社でスキルアップするための在籍型出向サービスを提供。都内企業へ社員の出向を検討されている県内企業を支援したい。

【GIA2024協賛社】
▼実行委員/ジンズホールディングス、オープンハウスグループ、カインズ、群馬銀行、上毛新聞社
▼特別協賛社/セガサミーホールディングス、冬木工業、糸井ホールディングス、ファームドゥグループ
▼特別パートナー/コシダカホールディングス、相模屋食料
▼パートナー/相川管理、赤尾商事、アサヒ商会、アゼット、石井設計、石川建設、石田屋、いちもん、うすい、ATホールディングス、NTT東日本群馬支店、emusalon、オルビス、カネコ種苗、共愛学園前橋国際大学、クシダ工業、グリンリーフ&野菜くらぶグループ、グルメフレッシュ・フーズ、群馬トヨタグループ、KJ Internacional、コーエィ、国際警備、JR東日本高崎支社、JTB群馬支店、ジャオス、ソウワ・ディライト、ダイコー、太陽誘電、大和ハウスリアルティマネジメント、高崎健康福祉大学、高崎佐藤眼科、田子会計事務所、中央カレッジグループ、永井酒造、西建、花助、HAWORD、BMZ、広田住宅センター、富士スバル、プリマベーラ、ボルテックス、前橋園芸、増田煉瓦、マルエドラッグ、宮下工業、メモリード、ヤマト、ユナ厨房
▼フィナンシャルサポーター/アイオー信用金庫、北群馬信用金庫、桐生信用金庫、群馬県信用保証協会、しののめ信用金庫、大和証券高崎支店、高崎信用金庫、東京海上日動火災保険、東和銀行、日本政策金融公庫前橋支店・高崎支店、野村證券高崎支店兼太田支店、みずほ銀行前橋支店・高崎支店、みずほ証券高崎支店、三井住友銀行北関東法人営業第一部、三菱UFJモルガン・スタンレー証券大宮支店

ファイナルステージは12月14日(土) @日本トーターグリーンドーム前橋

掲載日
2024/10/30

24.10.30 上毛新聞掲載はこちら

メディア掲載情報

13組ファイナルへ 群馬イノベーションアワード2次審査 50組がアイデア競う

202410/27

 12回目を迎えた起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の2次審査が26日、県庁32階の官民共創スペース「ネツゲン」で行われた。1次書類審査を通過した50組が独自のビジネスプランを発表し、12月14日のファイナルステージに進む13組が決まった。
 エントリーした323組から選ばれた2次審査の出場者は、資料をスクリーンに映しながらファイナルステージと同様に3分間のプレゼンテーションに臨んだ。交通や医療、教育など幅広い分野にも関わる独創的なアイデアが次々と披露された。
 通院したい人と病院をマッチングするサービスや投資型ファンドによる林業支援、海外展開を見据える企業と留学を希望する学生をつなげる仕組みなど、発表者は練り上げたプランについて熱意を込めて説明。県内の交通死亡事故の実例に触れ、ドライバーの心拍数などを計測して事故防止につなげるアプリの活用を提案する参加者もいた。
 独自の新しいプランを考案する「ビジネスプラン部門」は高校生以下の部で4組、大学生・専門学校生の部で3人、一般の部で3人を選出。「ベンチャー部門」は3人が最終審査の切符をつかんだ。
 審査員はジンズホールディングスの田中仁CEO、カインズの土屋裕雅会長、群馬銀行の堀江明彦常務取締役、オープンハウスグループの白井淳コミュニケーションデザイン本部長、上毛新聞社の関口雅弘社長が務めた。収益化の仕組みや運営方法、ターゲット層など、実現に向けた具体的な質問を投げかけた。
 ファイナルステージは前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋が会場で、公開審査で競う。本県を拠点に活躍するラッパー「NAIKA MC」さんのステージや若手企業家らのトークセッションも予定している。
(村山拓未)

掲載日
2024/10/27

24.10.27 上毛新聞掲載はこちら