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子ども目線でアイデアを 小中学生の挑戦可能に

202308/13

高崎商科大教授 前田 拓生さん

 起業家(きぎょうか)の発掘(はっくつ)を目指(めざ)すビジネスプランのコンテスト「群馬(ぐんま)イノベーションアワード(GIA)2023」(上毛新聞社主催(じょうもうしんぶんしゃしゅさい)、田中仁財団共催(たなかじんざいだんきょうさい))に応募(おうぼ)してみませんか? 11回目(かいめ)となる今年(ことし)は、初(はじ)めて小中学生(しょうちゅうがくせい)も挑戦(ちょうせん)できるようになりました。高崎商科大(たかさきしょうかだい)の前田拓生教授(まえだたくおきょうじゅ)に「イノベーションって何(なに)?」「ビジネスプランってどう考(かんが)えるの?」といった疑問(ぎもん)を分(わ)かりやすく解説(かいせつ)してもらいました。

【Q】イノベーションって何ですか。
【A】技術組み合わせ 新しい価値生む
 イノベーションと聞(き)くと、ゼロから何(なに)かを生(う)み出(だ)すイメージがあるかもしれません。この言葉(ことば)を定義(ていぎ)した経済学者(けいざいがくしゃ)のヨーゼフ・シュンペーターは「新結合(しんけつごう)」という意味(いみ)を持(も)たせています。
 新結合(しんけつごう)とは、今(いま)あるものや仕組(しく)み、技術(ぎじゅつ)をこれまでにない形(かたち)で組(く)み合(あ)わせ、新(あたら)しい価値(かち)を生(う)み出(だ)すことです。「1+1」が単(たん)なる2ではなく、10や50、100になる組(く)み合(あ)わせを考(かんが)えるのです。
 代表的(だいひょうてき)なイノベーションは蒸気機関車(じょうききかんしゃ)(SL)でしょう。馬車(ばしゃ)で荷物(にもつ)を運(はこ)んでいた人々が、より遠(とお)くにたくさん運(はこ)びたいと考(かんが)えて生(う)み出(だ)しました。その時(とき)に組(く)み合(あ)わせたのが、糸(いと)を紡(つむ)ぐのに使(つか)われていた蒸気(じょうき)の力(ちから)と馬車(ばしゃ)の仕組(しく)みです。
 蒸気(じょうき)の力(ちから)を馬車(ばしゃ)の動力(どうりょく)に代(か)えることでSLが生(う)まれたのです。このように組(く)み合(あ)わせ次第(しだい)で、これまでになかった新(あたら)しいもの、アイデアを生(う)み出(だ)せる可能性(かのうせい)があります。

【Q】ビジネスプランって どう考(かんが)えるの?
【A】やりたいことから始める
 難(むずか)しく感(かん)じるかもしれませんが、実(じつ)は「自分(じぶん)がやりたいこと」を考(かんが)えればいいのです。自分(じぶん)が魅力(みりょく)を感(かん)じることなら、他(ほか)の人にも響(ひび)く可能性(かのうせい)があります。自分(じぶん)のやりたいことをみんなが楽(たの)しめたり、使(つか)えたりするサービスや仕組(しく)みになるよう考(かんが)えてみましょう。
 まず、自分(じぶん)がやりたいことを見(み)つけます。例(たと)えば「遊園地(ゆうえんち)に行(い)きたい」。さらに深掘(ふかぼ)りしてみると、「ゴーカートで遊(あそ)びたい」と、より具体化(ぐたいか)することができます。
 今度(こんど)は、遊園地(ゆうえんち)に行(い)かないと、本当(ほんとう)にゴーカートで遊(あそ)べないのかを考(かんが)えます。もしかしたら、身近(みぢか)に代(か)わりになるものがあるかもしれません。椅子(いす)の脚(あし)に車輪(しゃりん)を付(つ)けたり、自由(じゆう)に操縦(そうじゅう)できるハンドルを備(そな)えたりしたら、家(いえ)でも遊(あそ)べるゴーカートの完成(かんせい)です。
 さらに楽(たの)しくなるように工夫(くふう)してみましょう。椅子(いす)の脚(あし)の長(なが)さを変(か)えて安定感(あんていかん)をなくせばスリル感(かん)が出(で)るかもしれません。自動走行(じどうそうこう)できるように何(なに)か動力(どうりょく)になりそうなものを見(み)つけるのも面白(おもしろ)いですね。
 このように何(なに)かと何(なに)かを組(く)み合(あ)わせ、機能(きのう)を付(つ)け加(くわ)えたり、削(けず)ったりしながら、新(あたら)しい遊(あそ)び道具(どうぐ)を生(う)み出(だ)せたのなら、それはイノベーションによる商品(しょうひん)と言(い)えます。
 小中学生(しょうちゅうがくせい)の皆(みな)さんの柔軟(じゅうなん)な発想(はっそう)が、大人(おとな)を驚(おどろ)かせるビジネスプランになる可能性(かのうせい)を秘(ひ)めています。ぜひ挑戦(ちょうせん)してみましょう。

◎GIA募集要項
 小中学生(しょうちゅうがくせい)が応募(おうぼ)できるのは、ビジネスプラン部門(ぶもん)の高校生以下(こうこうせいいか)の部(ぶ)です。ビジネスプラン1件(けん)につき2人までエントリーできます。資金調達(しきんちょうたつ)の方法(ほうほう)はクラウドファンディングなど思(おも)い付(つ)く範囲(はんい)で構(かま)いません。対象(たいしょう)は県内出身者(けんないしゅっしんしゃ)か在住(ざいじゅう)、在学者(ざいがくしゃ)。9月8日まで。
 9月中旬(ちゅうじゅん)に1次書類審査(じしょるいしんさ)、10月7日に2次(じ)プレゼンテーション審査(しんさ)を行(おこな)い、ファイナリスト15組程度(くみていど)を決(き)めます。ファイナルステージは10月28日に前橋市(まえばしし)の日本(にほん)トーターグリーンドーム前橋(まえばし)で開催(かいさい)します。
 参加希望者(さんかきぼうしゃ)はGIAホームページ=QRコード=から申(もう)し込(こ)みます。問(と)い合(あ)わせは上毛新聞社営業局事業部(じょうもうしんぶんしゃえいぎょうきょくじぎょうぶ)(☎027・254・9955、平日午前(へいじつごぜん)9時(じ)~午後(ごご)5時(じ))へ。

23.8.13 上毛新聞掲載はこちら

その他

GIAキックオフイベント 事業成功の秘訣語る  
前橋  CEOの小野里さん、田中さん

202305/27

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2023」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)のキックオフイベント「群馬イノベーション会議」が26日、前橋市の昌賢学園まえばしホール(市民文化会館)で開かれた。店舗スタッフがネット上で商品説明して販売する仕組みを構築した「バニッシュ・スタンダード」(東京都)CEO の小野里寧晃さん(同市出身)が 登壇。GIA実行委員長の田中仁さん(ジンズホールディングスCEO)と起業の考え方について語り合った。
 小野里さんは「リアル店舗を救うDX」と題し、自社の事業を紹介。衣服などリアル店舗で接客するスタッフがECサイトに商品説明を添えて投稿し、商品が売れると販売スタッフや所属店舗の売り上げに計上されるビジネスモデルを説明した。
 トークセッションで田中さんから事業 成功の秘訣(ひけつ)を問われた小野里さんは「好きなことをやるのは大前提。全員がウィンウィンになる形 を描いた」と強調。田中さんは「みんな失敗を怖がるが、前例がないことにチャレンジし活力を持ってやると面白い」と話した。
 経営者ら約250人が参加し質疑応答も行われた。
 GIA2023は7月15日~9月8日にエントリーを受け付ける。1次、2次審査を経て10月28日に前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋でファイナルステージを開催する。
(文 関坂典生、写真 大橋周平)

23.5.27 上毛新聞掲載はこちら

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おからでプラスチック 
相模屋食料
全国初ペレット化

202305/25

 豆腐・大豆加工食品を製造する相模屋食料(前橋市鳥取町、鳥越淳司社長)は24日、おからを主成分とするバイオプラスチックの開発に全国で初めて成功したと発表した。成形してプラスチック製品に加工するための原料「おからバイオマスペレット」などを販売する。多くが産業廃棄物として処理されるおからを有効利用できる利点は大きい。将来的には自社の豆腐用パッケージに活用したい考えだ。

◎将来は豆腐パックに活用
 鳥越社長によると、業界最大手の同社グループは年間約5万3千トンのおからを排出。このうち6割ほどを猫砂の原料や食用、飼料用に出荷するが、3分の1ほどはコストをかけて廃棄処分している。水分が多く、変色やかびが生えやすいおからは用途が限られ、有効利用は長年にわたり業界全体の課題となっていた。
 同社は、江原寛一会長の発案でプラスチック原料としての再利用を構想。乾燥させたおからを粉砕して微粒子にし、合成樹脂のポリプロピレンと混錬させた。おからの含有割合を51%にすることにこだわり、5年にわたる試行錯誤で粒状のペレットが完成した。特許出願中という。
 前橋市内に約3億5千万円をかけてペレット製造ラインを整え、テスト販売を始めた。複数のプラスチック加工メーカーが関心を寄せているという。全国各地のグループ会社でも順次展開する。
 ペレットを成形した商品開発にも取り組み、現在は鉢植えの「おからポット」(1400円)を同市の道の駅まえばし赤城で販売している。今後はごみ袋や農業用シートなどでの用途を研究し、安全性や強度を高めて主力商品である豆腐の容器への応用を目指す。
 鳥越社長は、ペレットの製造コストの縮減や、さらなる品質向上などの課題があるとした上で「おからの有効利用は創業以来の懸案。SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも先進的な取り組みとして力を入れたい。現在の廃棄分を全てバイオプラスチック化するのが目標」としている。
(石倉雅人)

23.5.25 上毛新聞掲載はこちら

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中小企業の脱炭素化支援 推進会が連絡会

202305/25

中小企業の脱炭素化を支援するため、省エネ診断やセミナーを実施する一般社団法人ぐんまカーボンニュートラル推進会(高崎市上佐野町、赤尾佳子代表理事)は24日、地域プラットフォーム構築事業の第1回連絡会を同市産業創造館で開いた。
石油製品販売の赤尾商事(同所)と省エネコンサルティングの三究知(さんきゅうと)(同市下之城町)が2022年度に同法人を設立。本年度も同事業に採択され、地域密着型の「省エネお助け隊」として活動する。
同法人事務局は連絡会で、エネルギーの使用状況を把握する省エネ診断や改善に向けた支援、セミナー開催の実績を紹介。脱炭素への理解を深めるカードゲームを使ったワークショップの有効性などを伝えた。本年度は本県のほか、埼玉県に支援対象を拡大。大手企業との協力体制も構築し、中小企業への省エネ診断の働きかけを進める方針を示した。
赤尾代表理事は「温暖化が実感できるまで気候が暑くなっている。企業の脱炭素社会に向けた取り組みの支援に努めたい」と話した。
(林哲也)

23.5.25 上毛新聞掲載はこちら

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GIA入賞 加藤さんが授業
前商高2年生39人起業の発想学ぶ
前橋

202303/07

前橋商業高は6日、前橋市の同高で、起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2022」で入賞した中央農業大学校2年の加藤貨代さんを招いた授業を行った=写真。2年生39人がビジネスプラン作成に役立つ発想力や着眼点などを学んだ。
加藤さんはGIAビジネスプラン部門の大学生・専門学校生の部で、ボイセンベリー栽培によって鳥獣害を防ぐ農業を提案した。授業では実際にプレゼンテーションをし、事業損益シミュレーションなどを紹介。耕作放棄地の利用や未開拓マーケット進出につながる視点も示し「夢や目標に向かって諦めずに一歩一歩頑張って」と呼びかけた。
同高では毎年、商業コースの生徒が3年時にGIAに応募しており、ノウハウを学んでもらおうと開いた。(村山拓未)

23.2.8 上毛新聞掲載はこちら

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股関節の骨折防ぐ腰パッド、商品化へ向けCFを開始
北沢さん
(群馬・みどり市)がGIA発表の企画

202302/09

群馬イノベーションアワード(GIA)2020一般の部ファイナリストで柔道整復IM代表の北沢正人さん(63)=みどり市大間々町=は、GIAで発表した「大腿(だいたい)骨頸部(けいぶ)骨折予防パッド」の商品化に向け、クラウドファンディング(CF)を始めた。
大腿骨頸部は太ももの骨の股関節部分。北沢さんは高齢者の骨折の約1割がこの部分で、寝たきりになることも多く、高額な医療負担が発生していると指摘する。転倒による衝撃から保護するパッドを腰に付けることで骨折を防げるとして、独自に試作を続けてきた。
パッドはパルプモードと呼ばれる古紙を使い、サッカーのすね当てとほぼ同じ構造。縦15センチ、横8センチ、厚さ2センチの楕円(だえん)形のパッドを紙パンツの左右両側に付けて使用する。
目標額は200万円で、募集期間は3月31日まで。日本パルプモウルド工業会に加盟するメーカーが型と試作品を製作する。支援者には6月をめどに商品化した予防パッドを送る。
北沢さんは「安価で予防ができ、環境にも優しい商品にしたい」と支援を呼びかけている。
(和田吉浩)

23.2.8 上毛新聞掲載はこちら