
評価気にせずやり抜く
オープンハウスグループ
荒井 正昭社長

評価気にせずやり抜く
コロナ禍で住宅への関心が高まり、特需と呼べるような追い風が吹いていたが、コロナ前の日常に戻りつつある。ただ、相変わらず買い意欲は強い。大都市圏での展開が当社のビジネスモデル。これまでの東京、名古屋、福岡に加え、昨年は関西に進出。4月には初の地方拠点として、私の出身地である太田市に営業センターを開設した。新たな挑戦となるが、地方においてもお客さまに必要とされる存在になりたい。
今後さらに共働き世帯が増加し、住まいは都心の職住近接、駅近を求める傾向がさらに強まっていくだろう。一方、都会と田舎を行き来する2拠点生活という選択肢を取る人が増え、地方需要も一定数はあると読んでいる。
来期はいよいよ売上高1兆円を達成する見込みだが、マインドはまだ中小企業という方が近い。最終目標は業界ナンバーワン。国内事業とともに、今取り組んでいる米国での不動産事業を加速させたい。
育ててくれた故郷に恩返ししたいという思いが強い。太田市の就学援助基金に寄付し、バスケットボール男子Bリーグ(B1)の群馬クレインサンダーズの拠点となる新アリーナ建設に40億円の資金提供を決めたのも、そういった思いからだ。来春に完成するアリーナは東毛地域を代表する施設になり「家族でバスケットを見に行こう」というスポーツ文化が、この地に根付いてほしい。
ここ1、2年は地域資源をビジネスに生かす「地域共創事業」に力を入れてきた。みなかみ町ではスキー場事業や温泉街再生に取り組み、桐生市では野球をテーマにした官民連携のまちづくり「球都桐生プロジェクト」に賛同した。今後は母校・桐生南高の跡地を取得し、地域に資する複合施設にする予定だ。
もし起業を考えているなら一刻も早くやった方が良い。私もGIA審査員の一人ではあるが、そこでの評価を気にすることはない。人が思いつかなかったこと、無理だろうっていうことをやるのがイノベーション。否定されても自分が思ったこと、やりたいことをやり抜くべきだ。GIAが単なるセレモニーになってほしくない。そこから実際に起業し、すごい企業を生む人が増えてほしいと切に願っている。
22.9.24 上毛新聞掲載はこちら