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トップ座談会(5)未来見据え変革を

202411/13

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会。社会情勢や産業構造が急速に変化する中、企業に求められる役割は何か。座長の岩井雅之・ファームドゥグループ代表ら9人が意見を交わした。
(次回は20日掲載)

◆ファームドゥグループ代表 岩井 雅之氏

◎環境配慮 再エネ注力
 野菜販売や農業、再生可能エネルギー事業などを展開する。加えて、ザスパ群馬のユニフォームスポンサーを長年務めるなど、社会貢献活動にも力を入れている。また人材不足が課題となる中、当社では海外から特定技能者を積極的に採用している。
 国外に子会社を四つ構えており、海外を訪れる機会も多い。現地に訪れて感じるのは気温上昇による大雨や大規模な台風といった自然災害と被害者の増大。農業も過酷な環境にさらされている。地球の温度を下げる努力が必要と考え、近年は太陽光発電に力を入れている。
 今年で70歳を迎えた。年を取る寂しさを感じる一方、あと10年は現役でやれると自信を深めている。電力、食糧、環境の分野で、アクセルを踏み込んで事業を拡大していきたい。

 いわい・まさゆき 1954年、富岡市生まれ。93年に脱サラし独立。グループ国内3社、海外4社を経営し、食糧と電力事業に注力する。

◆コーエィE・C事業部 取締役統括部長 加藤 満氏

◎既存の枠を超え挑戦
 イベントプロデュースのほか、国内外でアミューズメント施設を展開している。コロナ禍においては、イベント運営で培ったノウハウを生かし、県からワクチン接種会場の運営を受託。Gメッセ群馬で1万人規模の会場運営を担った。直近は、温暖化でスキー場の雪不足が課題となる中、降雪機を製造するイタリアのメーカーと代理店契約を締結。国内での取り扱いは初めてで、全国のスキー場から注目いただいている。
 イベントの中止が相次いだコロナ禍の経験から、イベントに頼らない事業運営を見据えている。近年は前橋市の温泉施設などの指定管理業務のほか、グランピング施設運営などのPFI事業にも挑戦しており、今後も一つの事業に捉われず、ビジネスチャンスを広げていきたい。

 かとう・みつる 1967年、埼玉県熊谷市生まれ。イベント事業の全体管理と営業を担当。PⅢ戦略室長も兼務。

◆ダイコー代表取締役 斎藤 胡依氏

◎“そば人材”育成推進
 そば店の運営やそば粉の製造・販売を手がけている。コロナ禍に弁当店を開業、今年4月にはうどん店も新たにオープンした。
 そばに関わる人材を育成するため、そば打ちの技術などを教える「日本そば文化学院」を運営しており、卒業生の多くがそば職人などとして活躍している。2020年からは高校生を対象にした「そば打ち大会」も開催。昨年は全国から延べ50人近くが参加し、“そば打ちの甲子園”として定着しつつある。今後は高校卒業後にも活躍の場を広げようと、U25の大会を開催したいと展望している。
 10年ほど前からモンゴルでそばを栽培しているが、近年は温暖化の影響で栽培できる地域が広がっている。栽培面積を拡大しながらそば粉の生産量を増やしていきたい。

 さいとう・こい 1970年、中国生まれ。2006年に十割そば専門店「竹林」を開店し、08年にダイコーを設立。「日本そば文化学院」理事長。

◆群馬県信用保証協会長 鬼形 尚道氏

◎事業者の将来支える
 当協会は中小企業・小規模事業者が金融機関から融資を受ける際、保証人となって借り入れを円滑に進めるための公的機関。県内事業者の約4割に当たる約2万5千社に利用いただいている。
 創業や経営改善、事業承継などの支援を拡充するため、今年4月に経営支援部を新設した。加えて、早期に改善計画を策定し、将来に備える事業者を応援するため「未来挑戦応援保証」制度も新たに設けるとともに、経営者保証に依存しない融資慣行の確立にも力を入れている。
 事業活動をサポートし企業の成長戦略を後押しする立場として、職員のレベルアップも欠かせない。資格取得の奨励や派遣研修などを充実させ、支援スキルと応援マインドの向上につなげていきたい。

 おにがた・なおみち 1961年、安中市生まれ。85年、県庁入庁。産業経済部長を経て、2022年に同協会常務理事就任、23年6月より現職。

◆西建代表取締役社長 平形 敦史氏

◎会社発展へ自ら成長
 建具屋として創業し、今年で76年目を迎えた。現在は木製家具の製造・販売から、外構工事、店舗デザイン、一般住宅のリフォームまで手がけている。コロナ禍で事業への影響も心配されたが、リフォーム需要が増加。庭の修繕工事などの注文も多くいただいた。
 私は来年で50歳を迎え、叔父から会社を継いで7年近くが経つ。会社は社長の能力以上には大きくなれないと言われており、今後は自分自身の成長が欠かせないと感じている。
 業界全体では人手不足が叫ばれているが、幸いなことに当社では若手社員が元気に頑張っている。社員たちの生活を守っていくためにも、GIAに参加する若者たちのチャレンジする姿勢や強い意志を見て、感じて、私自身も成長できる場にしたい。

 ひらかた・あつし 1975年、渋川市生まれ。前橋工科大卒。大手物流会社、建築設計事務所を経て2003年入社。17年から現職。

◆増田煉瓦代表取締役 増田 晋一氏

◎食で地域の価値向上
 1917年に前橋で開業。現在はピザ窯に特化し、製造から設計、施工、維持管理まで手がけている。時代とともに煉瓦(れんが)の需要が減少していく中で、前橋の街づくりと合わせ、群馬発信で何かできないかと考えた時に、たどり着いたのがピザ窯だ。
 群馬は小麦の生産が盛んで、1次産業から3次産業まですべてをカバーできる。そうした強みを生かし、新たな産業として発展させていきたい。その取り組みの一つが「キング・オブ・ピッツァ」。今年で6回目を迎え、年々レベルが向上している。
 群馬のピッツェリアを点から面に広げていこうと、県内の観光地や道の駅にピザ窯を納入しているほか、近年は薪(まき)料理にも注目。地域独自の食文化づくりのお手伝いを通じて、地域の付加価値向上に励んでいる。

 ますだ・しんいち 1960年、前橋市生まれ。大学卒業後、大手家電メーカーで技術職を経て94年入社。98年5代目就任。

◆東京海上日動群馬支店長 上杉 克氏

◎多様なリスク下支え
 一連の不適切事案により、お客さまをはじめ関係者の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
 当社は1879年に創業し、今年で145年を迎えている。県内には前橋、高崎、太田に事業所を構え、県民の皆さまや企業の皆さまを中心に安心・安全をお届けすることを生業(なりわい)としている。群馬はこれまで災害が少ないと言われてきたが、近年は異常気象の影響により、自然災害が頻発化・激甚化している。加えて、サイバー攻撃などリスクも多様化しており、従来型の保険機能に加え、各種ソリューションの提供にも注力している。
 一人でも多くのお客さまに保険にとどまらない価値をお届けすることで、群馬の活性化に貢献していきたい。

 うえすぎ・まさる 1975年、静岡県生まれ。98年東京海上入社。金融法人部次長、東京自動車営業部事業開発室長などを経て2024年4月より現職。

◆ソウワ・ディライト 代表取締役CEO 渡辺 辰吾氏

◎地球のミライ照らす
 電気工事業を営んでいる。「地球と人と電気の共生モデル」を模索しており、本気で地球課題に取り組みながら、企業の在り方を再構築している。
 当社ではマイクロバイオーム(微生物多様性)という概念を基にさまざまなデザインを打ち出し、元来の人間のライフスタイルを追求しながら、社会課題解決や地域コミュニティーづくりに励んでいる。その一つが「世界一小さい本屋」という取り組み。物事は大小ではなく、宇宙まで広がる連続性の中でつながっているということを示しており、昨年ギネスにも認定された。
 利益の追求以上に、地球課題をどのように捉え、どう行動していくかが重要。個性あふれるチームではあるが、千年先を見据える視点を持って課題と向き合っていきたい。

 わたなべ・しんご 1976年、前橋市生まれ。デンキの可能性を生態系の脈絡から捉え、社会に実装している。大阪万博にも参画。

◆NTT東日本群馬支店長 井原 智直氏

◎地元根差し地域貢献
 当社は全国の企業というイメージが強いかもしれないが、群馬で働くメンバー約千人のうち、9割以上が群馬県民と、地域に根差した会社だ。創業以来、通信を核に事業を展開してきたが、近年はDXやドローン、エネルギーなど多様な分野から地域課題解決に取り組んでいる。
 環境対策として、今年から当支店全ての電力を再エネに切り替えた。加えてNTTグループとして「IOWN(アイオン)」と呼ばれる次世代通信基盤の開発を進めている。電力消費量が現在の100分の1に抑えられることから、脱炭素に貢献できるものと考えている。県内全ての自治体と連携協定を結ぶなど防災にも注力。今後も、自治体とタッグを組みながら、災害に強い群馬をさらに盤石にするお手伝いをしていきたい。

 いはら・ともなお 1973年、長野県生まれ。96年NTT入社。NTT東日本総務人事部人事第一部門長などを歴任。2023年6月より現職。

※掲載は座談会当日の発言順です

【ファイナルステージ概要】
12:00アリーナ開場、13:00開幕
◆「コーヒースタンド」オープン
ONCA COFFEE、大和屋珈琲 ほか
◆ウェルカム演奏
NAIKA MC(ラップ披露)
◆ファイナリスト(13組)最終プレゼン審査&表彰式(敬称略)
 【ビジネスプラン部門高校生以下の部】江戸美月(前橋商高3年)、根子優太(桐生高3年)、佐野結愛・天田ヒカリ(前橋東高2年・同2年)、浜島陽奈(ぐんま国際アカデミー中等部2年)
 【同部門大学生・専門学校生の部】宮川拓也(群馬大5年)、渡辺光祐(慶応大3年)、春山奈緒(共愛学園前橋国際大3年)
 【同部門一般の部】西沢洋介(にしざわ接骨院院長)、田中秀彰(デジタルスイッチ代表取締役)、小保方貴之(FМ桐生事業本部長)
 【ベンチャー部門】飯塚花笑(スタジオ6.11代表社員)、岡村昌輝(Splash Brothers取締役)、村田悠典(MU代表取締役)
◆地元若手起業家トークセッション
①高橋史好さん=concon(株)
②アジズ・アフメッドさん=(合)NowNever.
③村上 采さん=(株)Ay
④林 龍男さん=(株)Dazy
◆ダンスパフォーマンス(ブレイキン)
SHADE×Mako
■同時開催イベント(11:00~)
「群馬イノベーションマーケット」

ファイナルステージは12月14日(土) @日本トーターグリーンドーム前橋

掲載日
2024/11/13

24.11.13 上毛新聞掲載はこちら

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トップ座談会(4)常に必要な存在に

202411/06

 時代の変化に対応し、存在感を発揮している企業はどんなことを重視しているのか。「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会4回目は、座長の糸井丈之・糸井ホールディングス社長ら9人が語り合った。
(次回は13日掲載)

◆糸井ホールディングス社長 糸井 丈之氏

◎継続視野に取捨選択
 総合リサイクル業の糸井商事を母体に、野球の群馬ダイヤモンドペガサスをはじめとしたスポーツやeスポーツ、農業など幅広く手がけている。
 今年で古希を迎えたのを機に、次の時代にしっかり継続していけるように取捨選択を始めた。今まで30分刻みで組んでいた予定を見直したため、どうしても不義理をしてしまう人も出ている。企業人として飛行も最終段階に入っているので、シートベルトを締めながらきちんと着陸できるように、全てに自分の目が届くようにしたい。
 整理するだけでなく、まだまだ取り組みたいこともある。スズラン高崎店の再開発に伴い、サウナやラウンジといった事業を始めた。こちらも来年は軌道に乗せたい。

 いとい・たけゆき 1954年、高崎市生まれ。79年に糸井商事入社、99年に社長就任。2017年、糸井ホールディングス設立。

◆メモリード取締役専務執行役員 高橋 秀実氏

◎質の高いサービスを
 メモリードグループは長崎で創業して55周年になる。冠婚葬祭業を中心に展開するほか、中高年層向けの複合施設や予防医療法人、農場、宗教法人、保育園などを運営している。
 「これからも、人生のさまざまな場面で必要とされる企業を目指す」が今期のテーマ。原点回帰してサービスの質自体を向上するため、商品の基礎知識やビジネスマナーなどを習得する研修制度を確立した。
 人生の特別な場面だけでなく、日常的な満足度を高めるため、レストランやホテルといったグループ関連施設の充実を図っている。予防医療クリニックと併用して、アンチエイジングの美容商品も取り扱い始めた。葬儀の小規模化に伴い、家族葬向けの葬祭ブランドを立ち上げ、よりニーズに応える1年にする。

 たかはし・ひでみ 1957年、太田市生まれ。大学卒業後、群馬銀行に32年勤務。2013年にメモリード入社、16年より現職。

◆高崎佐藤眼科理事長 佐藤 拓氏

◎見える力も向上図る
 大学病院で行っていた診療を身近に快適にできないかと考え、クリニックを開業した。「光を守る」というビジョンの下、失明に直結するようなリスクの高い病気治療に必要な機器やスタッフをそろえてきた。スタッフが50人を超えたため次の段階に進もうと、今年を第二創業と位置付け、建物や駐車場を拡大した。
 若い人の視力改善にも注力している。眼の中にレンズを入れるICL手術の精度が高くなったため導入した。ドライアイもガイドラインができ、IPLと呼ばれる光の照射による治療も始めた。
 ブルーボトルコーヒーに加え、廃業するイチゴ農園を支援しようと考えている。イチゴのブランディングや健康弁当の販売など、副業の方でも地域貢献していきたい。

 さとう・たく 1971年、宮崎市生まれ。元群馬大医学部眼科講師。専門は加齢黄斑変性。2016年、高崎佐藤眼科を開設。

◆三菱UFJモルガン・スタンレー証券大宮支店コンサルティング第二部長 新家 崇史氏

◎スピード感持ち実行
 MUFGと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャーとして、富裕層サービスに特化している。お客さまによってゴール設定やリスクの許容度は異なる。テクノロジーを使いながらリターンに対するリスクをコントロールし、お客さまごとにプロファイリングして解決策を提示するのがわれわれの使命。ウェルスマネジャーとなって、特別なお客さまに特別で付加価値の高いサービスを提供する。
 今年のチャレンジは「ためる、ふやす、つなぐ、まもる」。マーケットや金利、為替などの状況がかなり様変わりしており、そうした外部環境の変化に対してわれわれがお手伝いできることを、今まで以上にスピード感を持って実行していくのが今年のミッションだと思っている。

 にいのみ・たかふみ 1982年、愛知県生まれ。2005年に入社し、横浜支店、仙台支店、難波支店を経て、22年7月より現職。

◆カネコ種苗代表取締役社長 金子 昌彦氏

◎持続的な農業に貢献
 農業関係の総合企業として事業を展開している。今年のテーマは三つある。このうち研究開発と種子の安定供給は以前から取り組んでいるが、さらに環境分野にも挑戦したい。
 農畜産業は円安の影響や環境の変化などを受け、非常に厳しい状況に置かれている。ただ、生活に欠かせない産業であり、そこを支えていくのが当社の使命だ。一番貢献できると考えているのが農家の所得向上。そこに直結する品種改良に引き続き力を入れていく。
 また、世界中で大干ばつや大雨といった自然災害が起きている。種子が採れなければ作物ができない。リスクを分散し、種子の安定供給に努める。持続的な農業に貢献するという視点を持ち、エネルギー分野にも取り組んでいきたい。

 かねこ・まさひこ 1956年、富岡市生まれ。県職員を経て87年にカネコ種苗に入社。2012年から同社社長。県商工会議所連合会長。

◆ユナ厨房代表取締役 五十畑隆宏氏

◎分野を広げ地域貢献
 当社は飲食店の設備販売から始まった。いかにお客さまに必要とされるかを常に考え、今ではコンサルティングのような形で設計デザインから運営まで幅広くサポートしている。コロナ禍が明けて出店の相談と同時に、閉店や再起についての相談も増えている。
 リユース品を扱っているため、仕入れ先の拡大は欠かせない。そのために東京方面に進出し仕入れ商品の拡充が今後の課題だ。
 3年前に障害者の就労施設を造った。ユナ厨房では不用品を買い取り、洗浄やメンテナンスをして中古品として商品にしている。その過程を施設の障害者の方が立派に担うまでになった。施設運営も軌道に乗せながら、地域の皆さんのお役に立てるように視野を広げていけたらと思う。

 いかはた・たかひろ 1971年、栃木県佐野市生まれ。厨房機器大手メーカーの営業を経て2002年に起業。

◆桐生信用金庫専務理事 今井 有司氏

◎付加価値を最大限に
 当金庫は来年2月で100周年を迎える。桐生地域のシェアは28%ほどあるが、それ以外の地域はまだ8%程度。提供する付加価値を最大限に発揮して、新しいお客さまに振り向いていただけるようにしたい。
 そのために三つ強化する。一つは政府系の金融機関と提携し、個別のビジネスマッチングを行う。二つ目は人材紹介。県内の人材派遣会社数社と提携しており、実際に現場に行ってニーズをくみ取ってもらう。こういうことを通じてお客さまには付加価値を感じていただきたい。
 三つ目は、ビジネスマッチングフェアを11月に開催する。今年のテーマは「BCP(事業継続計画)とお客さまのマッチング」。水害などの災害が頻発しており、BCP策定に向けた具体的な提案をしたい。

 いまい・ゆうじ 1960年、太田市生まれ。86年に入庫。太田支店長、前橋支店長、本店営業部長、常務理事などを経て今年6月から現職。

◆KJインターナショナル代表取締役 丸野ケンジ氏

◎介護業界へ人材紹介
 約10年前に会社を立ち上げ、人材派遣と人材の紹介をしている。ペルーにルーツがあるため、南米出身者や県内に住む外国人のハローワークのようなことをしてきた。「製造業向け人財総合サービス」をうたってきたが、対象をもっと広げて、今年から「総合人財サービス」へと拡大していきたいと考えている。
 これから力を入れたいのが特定技能の資格を持つ人材の紹介。まずは介護に関わる人材を紹介する仕組みを作った。最近はミャンマーからの入国が増え、彼らの人柄や文化が高齢の方や介護業界にマッチしている。派遣では条件面が合わないなど、介護現場に入っていきにくかったが、特定技能であれば雇用しやすい。今後もヒューマンリソースに関わる全てに取り組んでいきたい。

 まるの・けんじ 1989年、ペルー生まれ。桐生市育ち。人材派遣会社勤務を経て2014年に独立。高度人材の派遣にも力を入れる。

◆オルビス代表取締役 大熊 章之氏

◎水産立ち上げ前進を
 食肉加工の卸と青果(野菜)の卸、そしてローストビーフを中心とした食肉の調理加工の三つを業務の柱としている。主な販売先は飲食店で、コロナ禍は大打撃を受けて6割くらい売り上げが落ちた。ようやく戻ってきて、今期の決算はコロナ前より内容が良くなった。
 食肉がメインだが、青果の事業も10年がたち、ようやく軌道に乗ってきた。生鮮業は肉と魚と野菜。これからは、その中で抜けている水産に力を入れていきたい。水産事業を立ち上げることで、今までとは違った形で前に進める気がする。
 世の中の情勢で、どこかが悪くなってもどこかが良くなる。二足のわらじと言われるが、これからは三足のわらじプラス調理加工で、四つの柱で進めていけたらと思う。

 おおくま・のりゆき 1961年、榛名町生まれ。2000年に大一ミート社長就任。鳥一フーズと合併、オルビスに社名変更し、09年から現職。

【ファイナルステージ概要】
12:00アリーナ開場、13:00開幕
◆ウェルカム演奏
NAIKA MC(ラップ披露)
◆ファイナリスト(13組)最終プレゼン審査&表彰式(敬称略)
 【ビジネスプラン部門高校生以下の部】江戸美月(前橋商高3年)、根子優太(桐生高3年)、佐野結愛・天田ヒカリ(前橋東高2年・同2年)、浜島陽奈(ぐんま国際アカデミー中等部2年)
 【同部門大学生・専門学校生の部】宮川拓也(群馬大5年)、渡辺光祐(慶応大3年)、春山奈緒(共愛学園前橋国際大3年)
 【同部門一般の部】西沢洋介(にしざわ接骨院院長)、田中秀彰(デジタルスイッチ代表取締役)、小保方貴之(FМ桐生事業本部長)
 【ベンチャー部門】飯塚花笑(スタジオ6.11代表社員)、岡村昌輝(Splash Brothers取締役)、村田悠典(MU代表取締役)
◆地元若手起業家トークセッション
①高橋史好さん=concon(株)
②アジズ・アフメッドさん=(合)NowNever.
③村上 采さん=(株)Ay
④林 龍男さん=(株)Dazy

◆ダンスパフォーマンス(ブレイキン)
SHADE×Mako

■同時開催イベント(11:00~)
「群馬イノベーションマーケット」

ファイナルステージは12月14日(土) @日本トーターグリーンドーム前橋

掲載日
2024/11/06

24.11.06 上毛新聞掲載はこちら

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13組ファイナルへ 群馬イノベーションアワード2次審査 50組がアイデア競う

202410/27

 12回目を迎えた起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の2次審査が26日、県庁32階の官民共創スペース「ネツゲン」で行われた。1次書類審査を通過した50組が独自のビジネスプランを発表し、12月14日のファイナルステージに進む13組が決まった。
 エントリーした323組から選ばれた2次審査の出場者は、資料をスクリーンに映しながらファイナルステージと同様に3分間のプレゼンテーションに臨んだ。交通や医療、教育など幅広い分野にも関わる独創的なアイデアが次々と披露された。
 通院したい人と病院をマッチングするサービスや投資型ファンドによる林業支援、海外展開を見据える企業と留学を希望する学生をつなげる仕組みなど、発表者は練り上げたプランについて熱意を込めて説明。県内の交通死亡事故の実例に触れ、ドライバーの心拍数などを計測して事故防止につなげるアプリの活用を提案する参加者もいた。
 独自の新しいプランを考案する「ビジネスプラン部門」は高校生以下の部で4組、大学生・専門学校生の部で3人、一般の部で3人を選出。「ベンチャー部門」は3人が最終審査の切符をつかんだ。
 審査員はジンズホールディングスの田中仁CEO、カインズの土屋裕雅会長、群馬銀行の堀江明彦常務取締役、オープンハウスグループの白井淳コミュニケーションデザイン本部長、上毛新聞社の関口雅弘社長が務めた。収益化の仕組みや運営方法、ターゲット層など、実現に向けた具体的な質問を投げかけた。
 ファイナルステージは前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋が会場で、公開審査で競う。本県を拠点に活躍するラッパー「NAIKA MC」さんのステージや若手企業家らのトークセッションも予定している。
(村山拓未)

掲載日
2024/10/27

24.10.27 上毛新聞掲載はこちら

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トップ座談会(2)新時代 切り開く

202410/23

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会。2回目は座長の荒井正昭オープンハウスグループ社長ら9人が、注力する事業や、今後の展望について意見交換。新時代を生き抜く力は何か、議論を重ねた。
(次回は10月30日掲載)

◆オープンハウスグループ代表取締役社長 荒井 正昭氏

◎海外事業の拡大へ
 昨年9月に売上高が1兆円に到達し、今期も1兆3千億円を見込んでいる。日本はこの1年でインフレ時代に突入した。中堅企業の生き残りが厳しくなる中、今までと同様に徹底的に企業規模を大きくしていく。
 最も注力しているのは海外事業。現在は売り上げ全体の7~8%ほどだが、中長期的には主力事業の一角に押し上げたい。目下のやるべきことは採用。今後人手不足はより顕著になる。他社に先駆けた高い給与水準で人材を集めている。
 みなかみのまちづくりプロジェクトに参画している。生まれ育ったふるさと・群馬が良くなってほしいと思うのは自然の流れ。活気あふれる温泉街に再生し、宝台樹は海外や大都市圏から遊びに来る別荘地にしたいと計画している。

 あらい・まさあき 1965年、旧藪塚本町(現太田市)生まれ。97年に不動産業のオープンハウスを設立。2013年に東証1部上場。

◆群馬トヨタグループ 専務取締役 横田 龍太氏

◎投資と成長 好循環を
 上期はメーカー認証不正や一部車種の供給制約に加え、雹(ひょう)災の影響から主要実績は前年割れで推移しているが、スタッフが注文可能車種を丁寧に説明し成約に結び付けることができた。未だに不透明な環境の中、お客様との信頼関係構築に苦労しつつも、顧客ニーズに沿った商談に粘り強く取り組んでくれている。
 やりがいを高めるため、従業員エンゲージメント向上を年度方針の柱に掲げた。年間休日数125日は全国トヨタ系ディーラーでトップ水準。日々現場で起こる困りごとについて対話を重ね、良好な職場環境づくりに努めていきたい。年明けには太田、高崎で新店舗を開店予定。グループビジョン「Glow  To Gunma」実現に向け、投資と成長の好循環を目指していく。
 
 よこた・りゅうた 1988年、高崎市生まれ。大学卒業後、7年間のトヨタ自動車勤務を経て、2018年に群馬トヨタ入社。

◆永井酒造代表取締役社長六代目 永井 則吉氏

◎日本酒の魅力を発信
 今年で138年目を迎え、売上高は創業以来の最高値を更新した。日本酒にとって海外はブルーオーシャン。和食だけでなく中華や西洋料理ともペアリングを楽しんでもらいたい。ワインと同じ土俵に日本酒を乗せられるよう、世界の富裕層に向けて提案していく。
 特にアジア圏は米食文化が根付く地域。昨年オープンした1日10組限定のテイスティングルームは年内の予約がほぼいっぱいで、海外のお客さまにも来ていただいている。今後はオーダーメードの仕込みに挑戦したい。やっとお客さまを迎える場が整った。温泉地も近いので、インバウンドに紹介するなど地域の力になれたらいい。酒は人と場所と文化をつなぐ役割がある。地域と群馬県をつないで世界に発信していきたい。

 ながい・のりよし 1972年、川場村生まれ。95年永井酒造に入社。専務取締役工場長を経て2013年から現職。16年に「awa酒協会」設立。

◆高崎信用金庫常務理事経営管理部長 山田 博文氏

◎地元企業支援を強化
 今年創立110周年を迎えた。創立以来、地元の役に立つ金融機関を目指して「地域密着」「相互扶助」の精神のもと経営を続けている。地元事業者を取り巻く環境は依然として厳しいが、当金庫は事業者の抱える課題解決を最優先事項と捉え、重点的に取り組んでいる。
 営業担当者と本部の専門スタッフが連携して解決手法を提案する「事業サポート相談」の申込件数は昨年度2125件。相談申込のうち、1865件で実効性ある支援ができた。2022年度からは取引先事業者に限定せず、広く地域の企業を支援するため、本部にビジネスソリューション担当を設置。今年3月には地域活性化推進室を独立させた「企業サポート部」を新設し、より一層支援に注力できる体制とした。

 やまだ・ひろふみ 1961年、長崎県生まれ。88年入庫。融資Ⅰ部長、地域サポート部長、経営管理部長を経て、7月より現職。

◆いちもん取締役COO 木下 隆介氏

◎高付加価値化で回復
 「金沢まいもん寿司」を展開する親会社のエムアンドケイグループは、ブランド価値を高め、おいしいものを提供することで地域との信頼を築いてきた。一方当社は大手チェーン店との価格競争にあおられ、いいものを安く売ってしまっていた。5年前からコンセプトに「群馬を握る」を掲げ、リブランド・再生プロジェクトに取り組んでいる。地元の付加価値の高い生産者や製造業とコラボし、「ここでしか食べられない」商品を展開。売り上げも少しずつ回復してきた。
 昨年は新事業として伊勢崎にうなぎ専門店をオープン。製造業にも挑戦し、ネギトロやうな重を開発している。県民全員に来てもらえるような店づくりをし、地元に根付いていける会社にしたい。

 きのした・りゅうすけ 1986年、金沢市生まれ。2019年、事業譲渡でいちもん子会社化、取締役就任。23年GIAファイナルステージ進出。

◆有坂中央学園理事長 中島慎太郎氏

◎既卒者、留学生へ展開
 18歳人口が今後大きく減少していく中、職業教育の担い手である専門学校として社会人・既卒者の取り込み、外国人留学生の受け入れを強化していく。
 コロナ禍を経て、オンライン教育やコンテンツビジネスが定着した。われわれの持つ教育資源をいかに社会人・既卒者のニーズに合った形で提供できるかが重要だと感じる。リアルとデジタルを組み合わせた方法で展開できるよう準備している。
 外国人留学生の動きは世界規模で刻一刻と変化している。日本で仕事するためには、語学や職業教育だけでなく、日本の文化や職業倫理も学ぶことが大切だ。それらを専門学校で学ぶのと同時に事前学習ができる海外拠点を整備していきたい。

 なかじま・しんたろう 1976年、前橋市生まれ。学校法人有坂中央学園に2004年入職。22年から理事長に就任。

◆アイオー信用金庫常勤理事 金子 正則氏

◎事業所支援に実効性
 当金庫は伊勢崎市、太田市を中心に前橋市、佐波郡までを営業地域としてカバーしている。営業エリアの中でいかにパフォーマンスを上げるかが使命だと思っている。3年半後の創立100周年を念頭に、本年度から第6次中期3カ年計画をスタートさせた。「不易流行の地域支援」をテーマに、お客さまに寄り添い、地域から一番に選ばれる「ファースト・コール・バンク」になるべく実践していく。
 重要施策として事業所支援に注力しているが、外部連携先の紹介で満足してしまう、専門知識を持つ人材が少ない、育成に限界があるなど課題が多い。より実効性を高めるため、事業所支援に特化したサポートカンパニーの新設を進めている。来年度早々の設立を目指したい。

 かねこ・まさのり 1965年、伊勢崎市生まれ。87年入庫。2023年に常勤理事に就任。現在、経営企画部・総務部を担当。

◆石井設計グループ代表 石井 繋紀氏

◎満足度の向上が鍵
 法人向けの建築設計監理が主で、現在は事務所や工場、病院などが多い。このほか石井アーキテクトパートナーズ、石井アーバンデザインリサーチを経営。社員80人規模の建築設計事務所は地方としては珍しく、構造設計・設備設計も含めて全てをワンストップでできるのが当グループの強み。社長就任時はバブル崩壊後で業績が厳しかったが、顧客に支持され、当時の倍を超える規模に成長することができた。
 近年は内部体制強化に努め、品質を高めることを重点的に取り組んでいる。建築の価値向上のみならず、コストやスケジュールも含め、顧客満足度の向上を重視している。クライアントと向き合い、着実に仕事の満足度を得ていくことが次の成長につながると確信している。

 いしい・しげのり 1964年、前橋市生まれ。89年、石井設計入社。グループ3社の代表を務める。県建築士事務所協会長。1級建築士。

◆大和ハウスリアルティマネジメント不動産本部北関東支店高崎営業所長 星 邦人氏

◎NSC出店を加速
 大和ハウスグループの1社として、主に不動産事業とホテル事業を展開。不動産はロードサイドの商業店舗をメインに、全国に4千を超える施設を展開している。
 NSCと呼ばれるスーパー、ドラッグストアなどが入居する比較的小規模な郊外型商業施設に力を入れている。みどり市ではフレッセイ笠懸店を核とした「アクロスプラザ笠懸」を手がけた。県内の出店を加速していきたい。ホテルはダイワロイネットホテルを国内76カ所に展開。北関東には宇都宮、つくば、水戸に直営店がある。県内の新規出店を目指し、物件を探している。
 不動産を扱う上で大切なコンプライアンスの意識を高めつつ、県民の皆さまに喜んでいただける施設を積極的に開発していきたい。

 ほし・くにと 1978年、仙台市生まれ。2005年入社。本社SC事業部を経て、16年の高崎営業所開設時より現任。

【GIA2024協賛社】
▼実行委員/ジンズホールディングス、オープンハウスグループ、カインズ、群馬銀行、上毛新聞社
▼特別協賛社/セガサミーホールディングス、冬木工業、糸井ホールディングス、ファームドゥグループ
▼特別パートナー/コシダカホールディングス、相模屋食料
▼パートナー/相川管理、赤尾商事、アサヒ商会、アゼット、石井設計、石川建設、石田屋、いちもん、うすい、ATホールディングス、NTT東日本群馬支店、emusalon、オルビス、カネコ種苗、共愛学園前橋国際大学、クシダ工業、グリンリーフ&野菜くらぶグループ、グルメフレッシュ・フーズ、群馬トヨタグループ、KJ Internacional、コーエィ、国際警備、JR東日本高崎支社、JTB群馬支店、ジャオス、ソウワ・ディライト、ダイコー、太陽誘電、大和ハウスリアルティマネジメント、高崎健康福祉大学、高崎佐藤眼科、田子会計事務所、中央カレッジグループ、永井酒造、西建、花助、HAWORD、BMZ、広田住宅センター、富士スバル、プリマベーラ、ボルテックス、前橋園芸、増田煉瓦、マルエドラッグ、宮下工業、メモリード、ヤマト、ユナ厨房
▼フィナンシャルサポーター/アイオー信用金庫、北群馬信用金庫、桐生信用金庫、群馬県信用保証協会、しののめ信用金庫、大和証券高崎支店、高崎信用金庫、東京海上日動火災保険、東和銀行、日本政策金融公庫前橋支店・高崎支店、野村證券高崎支店兼太田支店、みずほ銀行前橋支店・高崎支店、みずほ証券高崎支店、三井住友銀行北関東法人営業第一部、三菱UFJモルガン・スタンレー証券大宮支店

ファイナルステージは12月14日(土) @日本トーターグリーンドーム前橋

掲載日
2024/10/23

24.10.23 上毛新聞掲載はこちら

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アイデア守る手続きを学ぶ 2次審査進出者セミナー 前橋

202410/20

 今年で12回目を迎える起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の2次審査進出者を対象にした知的財産権に関するセミナーが19日、前橋市の同社で開かれた。対面とオンラインで計25人が参加し、自分のアイデアを守るとともに他者の権利を侵害しないための手続きを学んだ。
 特許や商標などの相談に応じる独立行政法人「工業所有権情報・研修館(INPIT)」の県知財総合支援窓口(前橋市)で支援を担当する中田謙一さんが講師を務めた。
 新規性や進歩性など特許が認められる要件について解説し、無料で使える知的財産の検索データベースや同窓口を紹介。「アイデアは他の人より先に出願することが大切。世の中に既に同じようなものがないか調べてみてほしい」と呼びかけた。
(須永彪月)

掲載日
2024/10/20

24.10.20 上毛新聞掲載はこちら

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トップ座談会(1)地域と共に成長を

202410/16

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会。企業を取り巻く環境が厳しさを増す中、どんな戦略で乗り切るのか。座長の田中仁・ジンズホールディングスCEOら9人が語り合った。
(次回は10月23日掲載)

◆ジンズホールディングスCEO 田中 仁氏

◎世界を視野に実験店
 「第2創業期」を掲げ、事業会社の経営を息子に引き継いでいる。ただ日本の人口が減っており、世界にマーケットを広げたい。
 グローバル戦略を語るのに米国は欠かせない。人種・文化が多様で、難しい国だ。あらゆる人に直感的に理解できる購買体験、製品やサービス、店舗を作れて初めて成功する。そのための実験店を11月にロサンゼルスに出店し、新しいモデルを作って逆輸入したい。
 今年、世界の企業を対象にESGへの取り組みや情報開示の観点で格付けする「MSCI ESGレーティング」で最高評価の「AAA」を初めて獲得した。これまでの取り組みが評価され、うれしかった。今後も地域に何ができるのか模索しつつ、新しいビジネスの在り方を示したい。

 たなか・ひとし 1963年、前橋市生まれ。88年にジェイアイエヌを設立。2014年、起業支援・地域振興を目的に田中仁財団を設立。

◆BMZ常務取締役 高橋 大悟氏

◎廃校活用し事業拠点
 みなかみ町で、人の健康を足から支えることを目指した商品・サービスを提供している。手がけるのは機能性インソールとシューズの研究開発・販売。赤字が続いていたが、2022年に成長期に入ったと実感しており、昨年度はインソールを260万足販売した。国内市場の拡大を当社事業の成長につなげたい。
 4月に廃校となった中学校校舎の事業拠点への改修に着手した。開業は来年度の予定。「フットパーク」と呼んでおり、シミュレーターなどを設置して、正しい歩き方や走り方、理想の足の状態を体感していただける場所にしたい。
 当社はBtoBが大きかったが、これを機にプロだけでなく、一般のお客さまにもおいでいただける場にして、みなかみ町にも貢献したい。

 たかはし・だいご 1988年、みなかみ町生まれ。2019年、BMZに入社。統括管理部長を経て、24年8月より現職。

◆広田住宅センター代表取締役 広田金次郎氏

◎地域情報の活用図る
 いわゆる「町の不動産屋」で、今年創業50周年を迎えることができた。経営は楽ではないが、空き家・空き地対策や不動産の相続コンサル、地域の活性化に関わることが生き残るために必要な要素だと感じている。
 先日、50周年記念イベントを開いたが、仕掛けがあれば大勢の人を集められると実感した。不動産会社は一般の方々よりも、地域の情報を多く持っている。それを生かせば、地域住民が交流できる場や機会をつくったり、高齢者の見守りや買い物代行を請け負ったりするなど、提供できるサービスの質量が増えるはず。
 空き家をニーズに応じてリフォームして再活用するなど、一つ一つ明かりをともしていけば町は変わる。町が活性化すれば不動産屋も潤う。そう信じて事業を続けたい。

 ひろた・きんじろう 1977年、高崎市生まれ。91年、23歳で広田住宅センター入社。2016年、同センターとグループ会社の代表に就任。

◆しののめ信用金庫常勤理事 高坂 豊氏

◎経営課題解決を支援
 来年6月に創立100周年を迎える。皆さまのご支援のたまものであり、改めて感謝申し上げたい。来年12月までを周年事業期間とし「地域への感謝」をテーマにさまざまな取り組みを進めている。
 行事への参加やボランティアを通じ「信用金庫人」として地域との関係性を再認識する機会と捉えている。取り組みは「私たちにできる100のこと」と題してホームページで公開している。
 少子高齢化や後継者不足などが顕在化している。当金庫はお客さまと経営課題を共有し、共に解決していく「本業支援」に力を入れている。人手不足や事業承継、M&Aなど、あらゆる経営課題解決をお手伝いし、100年後も必要とされる金融機関でありたいと願っている。

 こうさか・ゆたか 1964年、前橋市生まれ。83年入庫。2019年に常勤理事に就任。前橋営業部長を経て、23年9月より法人営業部担当役員。

◆ジャオス代表取締役 赤星大二郎氏

◎車好きに響く商品を
 四輪駆動車向け用品を製造販売している。1985年に東京で創業し、95年に群馬工場の竣工を経て2000年に統合。来年40周年を迎える。
 先月、念願の新社屋が完成したことや、11月にメキシコで開かれる北米最大規模のオフロードレース「バハ1000」に参戦することなどを紹介しようと新聞広告を初めて掲載した。キャッチコピーに選んだのは、車の会社であることにちなんだ「轍(わだち)」という文字。英語なら「トラック」だろうか。父が創業した会社だが、その轍を四輪駆動車でしっかりとグリップし、この先も進んで行くという気概を込めた。
 当社は車好きな方にはよく知っていただいている。マニアからさらに一般のユーザーへ向けても響くものを作り続けていきたい。

 あかほし・だいじろう 1972年、東京都生まれ。大学卒業後、カナダで3年間過ごす。97年にジャオス入社。2008年から現職。

◆JR東日本高崎支社長 樋口 達夫氏

◎地域と共に活動を
 鉄道会社としては、まず新幹線が敦賀まで延伸された。これを機に福井の人の目を群馬にも向けさせたい。コロナ禍が収束しても、乗客は完全には戻っていない。在宅勤務が増え、ビジネス輸送が減った。だからこそ「駅に来てほしい」と、高崎駅・前橋駅の開業140周年イベントは、地元の人と一緒に盛り上げる工夫を凝らした。
 県と共に取り組んだ「ぐんまちゃん駅」やプラットフォームを提供している「グンマース」も連携の一例。温泉文化の普及を目指すキャンペーンも県民と協力して始めた。人や物の輸送だけでなく、地元とウィン・ウィンの関係をつくりたい。
 従来の仕事をDXに置き換え、女性でも取り組めるよう、模索しつつ進めている。

 ひぐち・たつお 1967年、茨城県生まれ。東京大卒。マーケティング本部戦略・プラットフォーム部門長などを歴任。昨年6月から現職。

◆みずほ銀行高崎支店長 遠藤祥日郎氏

◎課題の解決を利益に
 今年、新紙幣の顔となった渋沢栄一はみずほの源流となる第一国立銀行を設立。渋沢のDNAを受け継ぎ、社会課題解決への貢献が利益につながるという理念を実現したい。
 新パーパス「ともに挑む、ともに実る」にのっとり、自治体や地元企業、金融・教育機関などと共に挑戦し、地域創生という実りを生み出していく。電子地域通貨「高崎通貨」はその一例。メガバンクの『情報』、グループ会社の『機能』、ネットワークに基づく『顧客基盤』の強みを生かし、社会・地域に貢献したい。
 新興企業支援も渋沢のDNA。専門法人部や審査部を設立して対応力を強化。宇宙ビジネスなどディープテック領域のリスクマネー供給に挑戦し、群馬から世界に羽ばたくイノベーション企業輩出に貢献したい。

 えんどう・しょうじろう 1971年、大分県生まれ。96年入行。営業部店、融資企画、人事、営業企画推進本部勤務を経て、2022年より現職。

◆共愛学園前橋国際大副学長 後藤さゆり氏

◎文理融合総合大学へ
 2026年4月の「デジタル共創学部」の新設を目指している。本学は文系の国際社会学部しかなかったが、認可されれば新たに理系学部が誕生することになる。
 新学部は、デジタル技術の見識を生かして、他者と共にウェルビーイングな社会を創出できる人材を育成する。データサイエンスは国際社会学部でも必修科目としているが、新学部ではより高度なDXの内容を学んだ後、「ICT」「マネジメント」「ウェルビーイング」の専門分野に分かれて学ぶ。企業と連携できる制度の活用も視野に入れている。
 また教員養成課程も新しくなる。短大改組で幼児教育・保育コースを4年制に組み込み、ゼロ歳児から高校生まで対応する総合的な保育・教育人材の養成が実現する。

 ごとう・さゆり 1962年、さいたま市生まれ。博士(教育学)。2005年、共愛学園前橋国際大に入職。教学マネジメント担当。16年から現職。

◆石川建設代表取締役社長 石川 雅之氏

◎顧客満足追求に尽力
 4代目の社長に就任した時、「脱オーナー経営」に向けてビジョンを立てた。方針を社員と共有し、それに基づいて取り組みを進めた。その結果「社長に聞かないと分からない」といった指示待ち体質から脱皮できた。
 経営上、重視しているのは顧客満足度の追求。メンテナンスに不満を持つお客さまが多いため、約20人を配置して顧客サービスの充実に力を入れている。DXも導入している。工事を始める前にデジタル技術で建物を見ていただき、完成予想をイメージしてもらう。おかげで多くのお客さまに喜んでいただいている。
 10月に第80期がスタートした。第2ステージと捉え、「変わる石川、選ばれる石川」を掲げた。基本に立ち返り、安全とさらなる品質向上を目指す。

 いしかわ・まさゆき 1964年、太田市生まれ。大学卒業後、大手建設会社勤務を経て石川建設に入社。2014年から現職。

【GIA2024協賛社】
▼実行委員/ジンズホールディングス、オープンハウスグループ、カインズ、群馬銀行、上毛新聞社
▼特別協賛社/セガサミーホールディングス、冬木工業、糸井ホールディングス、ファームドゥグループ
▼特別パートナー/コシダカホールディングス、相模屋食料
▼パートナー/相川管理、赤尾商事、アサヒ商会、アゼット、石井設計、石川建設、石田屋、いちもん、うすい、ATホールディングス、NTT東日本群馬支店、emusalon、オルビス、カネコ種苗、共愛学園前橋国際大学、クシダ工業、グリンリーフ&野菜くらぶグループ、グルメフレッシュ・フーズ、群馬トヨタグループ、KJ Internacional、コーエィ、国際警備、JR東日本高崎支社、JTB群馬支店、ジャオス、ソウワ・ディライト、ダイコー、太陽誘電、大和ハウスリアルティマネジメント、高崎健康福祉大学、高崎佐藤眼科、田子会計事務所、中央カレッジグループ、永井酒造、西建、花助、HAWORD、BMZ、広田住宅センター、富士スバル、プリマベーラ、ボルテックス、前橋園芸、増田煉瓦、マルエドラッグ、宮下工業、メモリード、ヤマト、ユナ厨房
▼フィナンシャルサポーター/アイオー信用金庫、北群馬信用金庫、桐生信用金庫、群馬県信用保証協会、しののめ信用金庫、大和証券高崎支店、高崎信用金庫、東京海上日動火災保険、東和銀行、日本政策金融公庫前橋支店・高崎支店、野村證券高崎支店兼太田支店、みずほ銀行前橋支店・高崎支店、みずほ証券高崎支店、三井住友銀行北関東法人営業第一部、三菱UFJモルガン・スタンレー証券大宮支店

ファイナルステージは12月14日(土) @日本トーターグリーンドーム前橋

掲載日
2024/10/16

24.10.16 上毛新聞掲載はこちら