
人間性磨き信頼を得る
セガサミーホールディングス
里見 治紀 グループCEO

人間性磨き信頼を得る
コロナ初期に大きなダメージを受けたが、事業構造の見直しなど早期に構造改革に着手したことで難局を乗り越えることができた。そうした取り組みによって前期(2022年3月期)はV字回復し、当期利益は対前年比で約30倍に伸びた。今期も大きなネガティブ影響はないと感じている。
巣ごもり需要の効果は薄れつつあるが、ゲームユーザーが世界中で増えた状況は変わらない。そこはポジティブに働いている。一方で社会も「ウィズコロナ」に適応してきているのではないか。シーガイア(宮崎県)などのリゾート事業も、コロナ前を超える勢いになってきている。
今後の戦略としては、成長領域への投資を考えている。今後3年で計2500億円を投資する。「挑戦」は「チャレンジ」ではなく「リスク・テイキング」だと思っている。その先にチャンスがあれば、リスクを取っていく。
私たちも新たな挑戦として、9月からバスケットボール男子Bリーグ(B1)サンロッカーズ渋谷のオーナー企業となった。未知の分野だが、いろいろとチャンスがある。まずは人気チームに育て、感動を届けたい。ファンや選手、スタッフ、さらには社員にも、セガサミーがオーナー企業になって良かったと思ってもらえるように力を入れていく。
起業はまさに挑戦であるが、起業を目指す皆さんへ助言したいことがある。
一つは事業の大義が何かを見極めること。会社を成長させるためには「社会にどういった価値を提供したいのか」を明確にすることが大切だと考えている。私たちは「感動体験の創造」を掲げている。皆さんも社会貢献につながる何かを見つけてほしい。
もう一つは変化の潮流を見逃さないこと。運は多くの人に同様に与えられていると思う。重要なのは、それを生かせるかどうかということ。目の前の機会を確実につかみ取っていくことが重要だ。
最後に人間性を磨くこと。ビジネスモデルを練り込むことも大事だが、人物として相手に信頼されるかがより大切だ。この人のためなら、と思ってもらえるよう人間性を磨くことが成功の秘訣である。
22.9.24 上毛新聞掲載はこちら