介護を少しでも楽に
ベッドに寝ている要介護者のおむつは、服を脱がせて中の状態を確認しなければ交換が必要か分からない―。介護現場に潜む負荷を軽減させるチェッカー「オムツLOOPER」を開発。「現場を少しでも楽に」との思いが詰まっている。
乾いた紙は電気を通さないという原理を応用。服の上から機器を当て、もう一方の手で要介護者の手首など皮膚に触れることで体内に電気が通じる回路(ループ)を作り、ボタンを押すとおむつ内の蒸れ具合が確認できる。4段階に判別でき、肌の状態に応じて交換のタイミングを変えるなど個別の事情に対応が可能だ。
介護施設では、入所者の睡眠中におむつを交換する業務がある。中腰の体勢を余儀なくされる従事者と、深夜に確認してもらうことを申し訳なく思う要介護者双方の心身の負担を課題に感じていた。 勤務する介護施設運営会社では、5年ほど前から負担軽減策を試行錯誤。ようやく商品化にこぎ着けた。
今後は量産化や販路拡大、機能強化に努める。介護の課題は国内にとどまらない。「より良い介護の未来をつくることは、社会の持続的な発展を可能にする」。そう信じている。