
トップ座談会(2)新時代 切り開く
起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会。2回目は座長の荒井正昭オープンハウスグループ社長ら9人が、注力する事業や、今後の展望について意見交換。新時代を生き抜く力は何か、議論を重ねた。
(次回は10月30日掲載)
◆オープンハウスグループ代表取締役社長 荒井 正昭氏
◎海外事業の拡大へ
昨年9月に売上高が1兆円に到達し、今期も1兆3千億円を見込んでいる。日本はこの1年でインフレ時代に突入した。中堅企業の生き残りが厳しくなる中、今までと同様に徹底的に企業規模を大きくしていく。
最も注力しているのは海外事業。現在は売り上げ全体の7~8%ほどだが、中長期的には主力事業の一角に押し上げたい。目下のやるべきことは採用。今後人手不足はより顕著になる。他社に先駆けた高い給与水準で人材を集めている。
みなかみのまちづくりプロジェクトに参画している。生まれ育ったふるさと・群馬が良くなってほしいと思うのは自然の流れ。活気あふれる温泉街に再生し、宝台樹は海外や大都市圏から遊びに来る別荘地にしたいと計画している。
あらい・まさあき 1965年、旧藪塚本町(現太田市)生まれ。97年に不動産業のオープンハウスを設立。2013年に東証1部上場。
◆群馬トヨタグループ 専務取締役 横田 龍太氏
◎投資と成長 好循環を
上期はメーカー認証不正や一部車種の供給制約に加え、雹(ひょう)災の影響から主要実績は前年割れで推移しているが、スタッフが注文可能車種を丁寧に説明し成約に結び付けることができた。未だに不透明な環境の中、お客様との信頼関係構築に苦労しつつも、顧客ニーズに沿った商談に粘り強く取り組んでくれている。
やりがいを高めるため、従業員エンゲージメント向上を年度方針の柱に掲げた。年間休日数125日は全国トヨタ系ディーラーでトップ水準。日々現場で起こる困りごとについて対話を重ね、良好な職場環境づくりに努めていきたい。年明けには太田、高崎で新店舗を開店予定。グループビジョン「Glow To Gunma」実現に向け、投資と成長の好循環を目指していく。
よこた・りゅうた 1988年、高崎市生まれ。大学卒業後、7年間のトヨタ自動車勤務を経て、2018年に群馬トヨタ入社。
◆永井酒造代表取締役社長六代目 永井 則吉氏
◎日本酒の魅力を発信
今年で138年目を迎え、売上高は創業以来の最高値を更新した。日本酒にとって海外はブルーオーシャン。和食だけでなく中華や西洋料理ともペアリングを楽しんでもらいたい。ワインと同じ土俵に日本酒を乗せられるよう、世界の富裕層に向けて提案していく。
特にアジア圏は米食文化が根付く地域。昨年オープンした1日10組限定のテイスティングルームは年内の予約がほぼいっぱいで、海外のお客さまにも来ていただいている。今後はオーダーメードの仕込みに挑戦したい。やっとお客さまを迎える場が整った。温泉地も近いので、インバウンドに紹介するなど地域の力になれたらいい。酒は人と場所と文化をつなぐ役割がある。地域と群馬県をつないで世界に発信していきたい。
ながい・のりよし 1972年、川場村生まれ。95年永井酒造に入社。専務取締役工場長を経て2013年から現職。16年に「awa酒協会」設立。
◆高崎信用金庫常務理事経営管理部長 山田 博文氏
◎地元企業支援を強化
今年創立110周年を迎えた。創立以来、地元の役に立つ金融機関を目指して「地域密着」「相互扶助」の精神のもと経営を続けている。地元事業者を取り巻く環境は依然として厳しいが、当金庫は事業者の抱える課題解決を最優先事項と捉え、重点的に取り組んでいる。
営業担当者と本部の専門スタッフが連携して解決手法を提案する「事業サポート相談」の申込件数は昨年度2125件。相談申込のうち、1865件で実効性ある支援ができた。2022年度からは取引先事業者に限定せず、広く地域の企業を支援するため、本部にビジネスソリューション担当を設置。今年3月には地域活性化推進室を独立させた「企業サポート部」を新設し、より一層支援に注力できる体制とした。
やまだ・ひろふみ 1961年、長崎県生まれ。88年入庫。融資Ⅰ部長、地域サポート部長、経営管理部長を経て、7月より現職。
◆いちもん取締役COO 木下 隆介氏
◎高付加価値化で回復
「金沢まいもん寿司」を展開する親会社のエムアンドケイグループは、ブランド価値を高め、おいしいものを提供することで地域との信頼を築いてきた。一方当社は大手チェーン店との価格競争にあおられ、いいものを安く売ってしまっていた。5年前からコンセプトに「群馬を握る」を掲げ、リブランド・再生プロジェクトに取り組んでいる。地元の付加価値の高い生産者や製造業とコラボし、「ここでしか食べられない」商品を展開。売り上げも少しずつ回復してきた。
昨年は新事業として伊勢崎にうなぎ専門店をオープン。製造業にも挑戦し、ネギトロやうな重を開発している。県民全員に来てもらえるような店づくりをし、地元に根付いていける会社にしたい。
きのした・りゅうすけ 1986年、金沢市生まれ。2019年、事業譲渡でいちもん子会社化、取締役就任。23年GIAファイナルステージ進出。
◆有坂中央学園理事長 中島慎太郎氏
◎既卒者、留学生へ展開
18歳人口が今後大きく減少していく中、職業教育の担い手である専門学校として社会人・既卒者の取り込み、外国人留学生の受け入れを強化していく。
コロナ禍を経て、オンライン教育やコンテンツビジネスが定着した。われわれの持つ教育資源をいかに社会人・既卒者のニーズに合った形で提供できるかが重要だと感じる。リアルとデジタルを組み合わせた方法で展開できるよう準備している。
外国人留学生の動きは世界規模で刻一刻と変化している。日本で仕事するためには、語学や職業教育だけでなく、日本の文化や職業倫理も学ぶことが大切だ。それらを専門学校で学ぶのと同時に事前学習ができる海外拠点を整備していきたい。
なかじま・しんたろう 1976年、前橋市生まれ。学校法人有坂中央学園に2004年入職。22年から理事長に就任。
◆アイオー信用金庫常勤理事 金子 正則氏
◎事業所支援に実効性
当金庫は伊勢崎市、太田市を中心に前橋市、佐波郡までを営業地域としてカバーしている。営業エリアの中でいかにパフォーマンスを上げるかが使命だと思っている。3年半後の創立100周年を念頭に、本年度から第6次中期3カ年計画をスタートさせた。「不易流行の地域支援」をテーマに、お客さまに寄り添い、地域から一番に選ばれる「ファースト・コール・バンク」になるべく実践していく。
重要施策として事業所支援に注力しているが、外部連携先の紹介で満足してしまう、専門知識を持つ人材が少ない、育成に限界があるなど課題が多い。より実効性を高めるため、事業所支援に特化したサポートカンパニーの新設を進めている。来年度早々の設立を目指したい。
かねこ・まさのり 1965年、伊勢崎市生まれ。87年入庫。2023年に常勤理事に就任。現在、経営企画部・総務部を担当。
◆石井設計グループ代表 石井 繋紀氏
◎満足度の向上が鍵
法人向けの建築設計監理が主で、現在は事務所や工場、病院などが多い。このほか石井アーキテクトパートナーズ、石井アーバンデザインリサーチを経営。社員80人規模の建築設計事務所は地方としては珍しく、構造設計・設備設計も含めて全てをワンストップでできるのが当グループの強み。社長就任時はバブル崩壊後で業績が厳しかったが、顧客に支持され、当時の倍を超える規模に成長することができた。
近年は内部体制強化に努め、品質を高めることを重点的に取り組んでいる。建築の価値向上のみならず、コストやスケジュールも含め、顧客満足度の向上を重視している。クライアントと向き合い、着実に仕事の満足度を得ていくことが次の成長につながると確信している。
いしい・しげのり 1964年、前橋市生まれ。89年、石井設計入社。グループ3社の代表を務める。県建築士事務所協会長。1級建築士。
◆大和ハウスリアルティマネジメント不動産本部北関東支店高崎営業所長 星 邦人氏
◎NSC出店を加速
大和ハウスグループの1社として、主に不動産事業とホテル事業を展開。不動産はロードサイドの商業店舗をメインに、全国に4千を超える施設を展開している。
NSCと呼ばれるスーパー、ドラッグストアなどが入居する比較的小規模な郊外型商業施設に力を入れている。みどり市ではフレッセイ笠懸店を核とした「アクロスプラザ笠懸」を手がけた。県内の出店を加速していきたい。ホテルはダイワロイネットホテルを国内76カ所に展開。北関東には宇都宮、つくば、水戸に直営店がある。県内の新規出店を目指し、物件を探している。
不動産を扱う上で大切なコンプライアンスの意識を高めつつ、県民の皆さまに喜んでいただける施設を積極的に開発していきたい。
ほし・くにと 1978年、仙台市生まれ。2005年入社。本社SC事業部を経て、16年の高崎営業所開設時より現任。
【GIA2024協賛社】
▼実行委員/ジンズホールディングス、オープンハウスグループ、カインズ、群馬銀行、上毛新聞社
▼特別協賛社/セガサミーホールディングス、冬木工業、糸井ホールディングス、ファームドゥグループ
▼特別パートナー/コシダカホールディングス、相模屋食料
▼パートナー/相川管理、赤尾商事、アサヒ商会、アゼット、石井設計、石川建設、石田屋、いちもん、うすい、ATホールディングス、NTT東日本群馬支店、emusalon、オルビス、カネコ種苗、共愛学園前橋国際大学、クシダ工業、グリンリーフ&野菜くらぶグループ、グルメフレッシュ・フーズ、群馬トヨタグループ、KJ Internacional、コーエィ、国際警備、JR東日本高崎支社、JTB群馬支店、ジャオス、ソウワ・ディライト、ダイコー、太陽誘電、大和ハウスリアルティマネジメント、高崎健康福祉大学、高崎佐藤眼科、田子会計事務所、中央カレッジグループ、永井酒造、西建、花助、HAWORD、BMZ、広田住宅センター、富士スバル、プリマベーラ、ボルテックス、前橋園芸、増田煉瓦、マルエドラッグ、宮下工業、メモリード、ヤマト、ユナ厨房
▼フィナンシャルサポーター/アイオー信用金庫、北群馬信用金庫、桐生信用金庫、群馬県信用保証協会、しののめ信用金庫、大和証券高崎支店、高崎信用金庫、東京海上日動火災保険、東和銀行、日本政策金融公庫前橋支店・高崎支店、野村證券高崎支店兼太田支店、みずほ銀行前橋支店・高崎支店、みずほ証券高崎支店、三井住友銀行北関東法人営業第一部、三菱UFJモルガン・スタンレー証券大宮支店
ファイナルステージは12月14日(土) @日本トーターグリーンドーム前橋
掲載日
2024/10/23