
追求、挑戦、解決 斬新プラン熱く 小中高生プレゼン、企画多彩
◎高校生探究EXPO
初開催の「高校生探究EXPO」は企画から運営まで高校生が手がけ、「探究の魅力の発信」をテーマに多彩な催しを行った。
県内各地の高校生約60人でつくる実行委員会が主催した。探究発表のステージでは、海洋ごみ問題など、小中高生がそれぞれの問題意識や関心事についてプレゼン。郷土料理の提供や、上毛かるた体験といった参加型ブースも設けた。
実行委員長の加藤郁空さん(ぐんま国際アカデミー高等部1年)は「答えのない世の中で探究の重要性は増している。みんなの興味関心を形にできた」と手応えを語った。探究発表の実行委員イチオシ賞には、社会保障制度を学ぶカードゲームを考案した高崎北高2年の太田瑛琉さんが選ばれた。
◎こだわりパンとコーヒーフェア 13ブース出店
県内外のコーヒー店やパン店が出店するフェアが開かれた。スペシャルゲストとして、全国のおいしいパンの宅配サービスを手がけるパンフォーユー(桐生市)も参加した。
会場には13のブースが設けられた。さまざまな種類のコーヒーのほか、菓子パンや総菜パン、グルテンフリーのベーグルなどこだわりの商品が並び、来場者を楽しませた。
訪れた前橋桃木小3年の高橋凜さんは「公園で食べるのが楽しみ」と笑顔で話した。
◎お気に入りの1本書き味試して投票 群馬ボールペンアワード
文具専門店を展開するハイノート(高崎市)が開催した「GBA」(群馬ボールペンアワード)も人気を集めた。来場者が書き味を試してお気に入りの1本に投票した。
国内外のメーカー15社が製造した48種類が並んだ。筆ペンタイプやライトが付いた変わり種もそろえた。1位には独ラミー社の「safariローラーボール」が選ばれた。
ハイノートの大河原睦社長は「書き味の違いを楽しんでもらえて良かった」と話した。
◎「社会を動かす プランに刺激」 交流会に200人
ファイナルステージ終了後に開かれた交流会には関係者約200人が参加した。上毛新聞社の関口雅弘社長の発声で乾杯後、立食形式で親交を深めた。
交流会は幅広い業種の関係者がつながりを持つ場ともなっている。会場では入賞者があらためて紹介され、リラックスした表情で喜びを語った。
参加した群馬大大学院生の鶴本明日香さん(26)は「社会を動かすビジネスプランに刺激を受けた」と話し、前橋市で写真映像サービスを手がける池田正視さん(42)は「普段出会えない人と接点を持てる貴重な場」と交流を楽しんでいた。
【特別講演】
タイミ-社長 小川 嶺氏
◎自分の時間 誰かのために
スポットワーク(スキマバイト)仲介最大手のタイミー(東京都)の小川嶺社長(28)が、社会課題を解決するビジネスの創業と展開について特別講演した。「人生を懸けてやりたいことで多くの人を喜ばせたい」と起業精神を熱く語った。
小川社長は大学時代に起業を目指して、自身もGIAのような大会に出場してビジネスプランを磨いてきたと説明。受賞したアイデアをきっかけに20歳でアパレルサービスを立ち上げたが、業界関係者との熱量の差を感じて事業転換を決めた。
日雇いバイトを経験する中、人手不足とブラックバイトの問題に疑問を持った。バイト先で感謝された経験を得て「『自分の何でもない時間が、誰かのための時間になる』。これは人生を懸けてやりたいテーマ」と思い立ち、労働市場を大きく変える着想になったと振り返った。
タイミーは業務を切り分けて、どんな職場でも働ける環境をつくれたと説明。「働く人が活躍する場を広げ、東京一極集中から地方を盛り上げていきたい」と展望を語った。
GIA歴代受賞者によるトークも行われ、車エビの陸上養殖に取り組む加藤徳明さん(2023年大賞)と企業のDX支援を手がける田中秀彰さん(24年ビジネスプラン部門一般の部入賞)が事業の進捗(ちょく)を語り、参加者にエールを送った。
【総評】
審査委員長・慶応大名誉教授 国領 二郎氏
◎AIと生命系に可能性
328組の応募を勝ち抜いた発表は、レベルが上がっていることを実感する。激論を交わしながら審査した。
今年の傾向として人工知能(AI)と生命系の話が多く、組み合わせることで可能性がさらに発展するのではないかと感じた。
大賞の茂木雅臣さんのプランは象徴的な取り組み。社会課題と結び付けたテクノロジーやAIによるコミュニケーションの支援など、投資してみたい発表が増えてうれしい。
群馬から世界を目指す期待が持てる。社会を変えていこうとするコミュニティーが大事で、競争しながらも助け合い共に進んでほしい。
掲載日
2025/12/07
