
ロヒンギャ、DX推進など15組がプラン 「120点」「一番良かった」 友人、家族ら発表見守る
「群馬イノベーションアワード(GIA)2023」のファイナルステージが開かれた28日、前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋には、ファイナリスト15組の友人や家族らが応援に駆けつけた。2次にわたる審査を勝ち抜き、練り上げた渾身(こんしん)の事業計画をステージで堂々と発表する姿を固唾(かたず)をのんで見守った。
最初の発表となったビジネスプラン部門「高校生以下の部」。唯一の中学生として出場したぐんま国際アカデミー中等部の鈴木聡真さん(3年)、杏さん(1年)きょうだいが、ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャの難民キャンプの子どもたちへの支援をテーマに発表した。父の凱星(がいせい)さん(48)は「3年間の支援活動が二人の自信になり、堂々とした発表だった」と目を細めた。
同部門「大学生・専門学校生の部」では、高崎商科大3年の菅野航平さんが、コロナが落ち着き不要となったアクリル板の活用について発表。大学の授業で一緒にテーマを考えたという仲間3人が駆けつけた。宮入奏大さん(21)は「内容を魅力的に伝えてくれた。120点の出来」とたたえた。
中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化の推進の実現をテーマに発表した共愛学園前橋国際大3年の出井樹利亜さんの発表では、友人が「樹利亜」と書いた自作のうちわを持ってステージを見つめた。津久井星さん(20)は「昨日も遅くまで練習していた。落ち着いて話していて一番良かった」と笑顔だった。
同部門「一般の部」では「いちもん」の木下隆介さんが、職人のノウハウと凍結技術を用い、飲食店の人気メニューを冷凍食品として販売するプランを発表した。部下の前原彩乃さん(22)=前橋市=は「いつも明るく前向きな上司。分かりやすい内容のプレゼンだった」と出来栄えに太鼓判を押した。
ベンチャー部門で「ことばのヤングケアラーをなくす」をテーマに発表したNPO法人「共に暮らす」代表のアジズ・アフメッドさん。大学時代の同級生、ムロ・オリバリ・ブルネラさん(24)=伊勢崎市=は、自身の経験を振り返りながら「伝えてほしいことをしっかり伝えてくれた」と納得の表情を浮かべた。
(文 大楽和範、写真 宮崎浩治)