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未来へ発信

202310/29

動き鮮やか会場彩る 農二高吹奏楽部

東京農大二高(高崎市)の吹奏楽部員148人がオープニングやインターバルコンテンツに彩りを添えた。迫力ある堂々としたバンド演奏と、色とりどりの衣装を身にまとったカラーガードが協演、会場を盛り上げた。
 部員は今月、台湾の建国記念日に合わせた式典に招かれ、台湾総統府前でパフォーマンスを披露。顧問の樋口一朗教諭は「初となる海外での演奏経験で、生徒の自己表現に磨きがかかった。自信を持って演奏できている」と話す。
 今回は、アニメソングメドレーやチャイコフスキーのクラシック曲をアレンジした楽曲「エクストリーム・メイクオーバー」など台湾での公演と同様の曲目を繰り広げた。一糸乱れぬ隊列や美しくなびくフラッグの動きが鮮やかで、大勢の観客の心をつかんでいた。
 部長の山宮悠暉さん(3年)は「演奏中の細かい動きまで意識して練習してきた。迫力満点のステージを感じてもらえたと思う」と満足そうに話した。

【交流会】
◎上毛新聞社関口社長あいさつ 「課題を深く掘り下げた」

 表彰式後に交流会が開かれ、15組の出場者をはじめ、審査委員や企業関係者ら計300人が出席した。出場者の健闘をたたえ合って懇親を深めた。
 主催者を代表して上毛新聞社の関口雅弘社長が「ビジネス課題を深く掘り下げた具体性のある発想ばかりだった」とあいさつ。実行委員長を務めたジンズホールディングスの田中仁CEOは発表の質の高さを評価した上で、来年開かれる全国規模のイノベーションアワードを見据え、「群馬を起業の聖地として盛り上げていこう」と述べた。
 出場者が登壇して喜びを語ったり、互いに意見交換したりして盛況だった。

【イノベーションマーケット】
◎歴代ファイナリスト、協賛社、企業 35ブース出展 商品PR

 歴代GIAファイナリストや協賛社、県内を拠点に活動する企業が出展する群馬イノベーションマーケットは、35社・団体が会場入り口近くにブースを出展し、最新の製品やサービスを紹介した。
 県産の素材を使ったアクセサリーやアップサイクル商品などが販売されたほか、各地の地域おこし協力隊や群馬NPO協議会が活動を紹介した。
 機能性インソール(靴の中敷き)の開発・製造を手がけるBMZ(みなかみ町)の山口麻奈美さん(32)は「新開発のゴルフシューズをはじめ、商品を知ってもらう良い機会になった」と話した。


将来性や可能性に夢

【総評】審査委員長・慶応大教授 国領 二郎氏

 485件の応募を勝ち抜いたファイナリストの皆さんに誇りを持ってほしい。それをサポートしてきた皆さん、さらに県全体の皆さんに感謝したい。
 今回の審査も白熱した議論となった。ビジネスとしての将来性やどのような社会課題に応えているか、応える可能性があるかなど、いくつかの基準で選考した。
 大賞となった東京大4年の加藤徳明さんのプランは、海なし県の群馬が海産物のプラントとなるところに夢がある。それをすでに具体的な形で実践している点を評価した。
 GIAは11回目となり、イノベーションの地として定着してきている。大変心強く、この取り組みに参画していることを光栄に思う。

◎社会の仕組み変えて
 関東経済産業局長 太田 雄彦氏

 関東経済産業局長賞に輝いたC&Fマーケティングの佐藤栄寿さんのプランは、日本が直面する課題の解決に資するもの。こうした試みがもっと広がってくれればと思う。
 イノベーションは世の中を変えることに意味がある。今あるものをデジタル化するだけでは不十分。皆さんにはぜひ社会の仕組みを変えていってほしい。

◆審査委員◆
ジンズホールディングスCEO 田中  仁氏
オープンハウスグループ社長 荒井 正昭氏
カインズ会長 土屋 裕雅氏
群馬銀行専務 入沢 広之氏
上毛新聞社長 関口 雅弘氏

<ゲスト審査員>
デロイトトーマツグループCSIO 前田 善宏氏
バニッシュ・スタンダードCEO 小野里寧晃氏

23.10.29 上毛新聞掲載はこちら

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ロヒンギャ、DX推進など15組がプラン 「120点」「一番良かった」 友人、家族ら発表見守る

202310/29

 「群馬イノベーションアワード(GIA)2023」のファイナルステージが開かれた28日、前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋には、ファイナリスト15組の友人や家族らが応援に駆けつけた。2次にわたる審査を勝ち抜き、練り上げた渾身(こんしん)の事業計画をステージで堂々と発表する姿を固唾(かたず)をのんで見守った。

 最初の発表となったビジネスプラン部門「高校生以下の部」。唯一の中学生として出場したぐんま国際アカデミー中等部の鈴木聡真さん(3年)、杏さん(1年)きょうだいが、ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャの難民キャンプの子どもたちへの支援をテーマに発表した。父の凱星(がいせい)さん(48)は「3年間の支援活動が二人の自信になり、堂々とした発表だった」と目を細めた。
 同部門「大学生・専門学校生の部」では、高崎商科大3年の菅野航平さんが、コロナが落ち着き不要となったアクリル板の活用について発表。大学の授業で一緒にテーマを考えたという仲間3人が駆けつけた。宮入奏大さん(21)は「内容を魅力的に伝えてくれた。120点の出来」とたたえた。
 中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化の推進の実現をテーマに発表した共愛学園前橋国際大3年の出井樹利亜さんの発表では、友人が「樹利亜」と書いた自作のうちわを持ってステージを見つめた。津久井星さん(20)は「昨日も遅くまで練習していた。落ち着いて話していて一番良かった」と笑顔だった。
 同部門「一般の部」では「いちもん」の木下隆介さんが、職人のノウハウと凍結技術を用い、飲食店の人気メニューを冷凍食品として販売するプランを発表した。部下の前原彩乃さん(22)=前橋市=は「いつも明るく前向きな上司。分かりやすい内容のプレゼンだった」と出来栄えに太鼓判を押した。
 ベンチャー部門で「ことばのヤングケアラーをなくす」をテーマに発表したNPO法人「共に暮らす」代表のアジズ・アフメッドさん。大学時代の同級生、ムロ・オリバリ・ブルネラさん(24)=伊勢崎市=は、自身の経験を振り返りながら「伝えてほしいことをしっかり伝えてくれた」と納得の表情を浮かべた。
(文 大楽和範、写真 宮崎浩治)

23.10.29 上毛新聞掲載はこちら

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GIA2次審査 15組ファイナルへ

202310/08

 今年で11回目を迎える起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2023」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の2次審査が7日、前橋市の前橋商工会議所会館で行われた。1次書類審査を通過した52組が独自のビジネスプランを発表し、28日のファイナルステージに進む15組が決まった。

◎52組 熱くプレゼン
 エントリーした485組から選ばれた2次審査の出場者は、食、農業、医療福祉、生活全般などの課題解決に向けたさまざまなアイデアを考案。資料をスクリーンに映し、ファイナルステージと同様に3分間のプレゼンテーションに臨んだ。
 廃棄されるしゅうゆかすや規格外の野菜を扱った新たな商品展開、外国人向けに行政マニュアルを多言語化するアプリの開発、企業と連携した難民支援など、出場者は練り上げたプランを熱意を込めて発表した。
 独自の新しいプランを考案する「ビジネスプラン部門」は高校生以下の部で4組、大学・専門学校生の部で3組、一般の部で4組が選ばれた。昨年までの「スタートアップ」と「イノベーション」を統合した「ベンチャー部門」は4組が最終審査の切符をつかんだ。
 審査員は田中仁・ジンズホールディングスCEO、荒井正昭・オープンハウスグループ社長、土屋裕雅・カインズ会長、長谷川健・群馬銀行執行役員コンサルティング営業部長、関口雅弘・上毛新聞社社長が務めた。ターゲット層や経費、運営方法など、事業として実現させるための具体的な質問を投げかけた。
 ファイナルステージは、前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋で公開審査を実施する。東京農大二高吹奏楽部による演奏、クリエイティブディレクターでGO代表の三浦崇宏氏の講演などが行われる。会場では県内を拠点に活動するクリエーターや地元飲食店などが出展する「群馬イノベーションマーケット」も開かれる。
(林哲也)

23.10.08 上毛新聞掲載はこちら

その他

群馬イノベーションアワード2023 トップ座談会(3)知恵絞り解決策導く

202310/04

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2023」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会。3回目は座長の入澤広之群馬銀行専務ら9人が「これからの成長戦略」をテーマに、地域と連携して進めている取り組みや既存事業の見直し、人材育成などについて活発に意見交換した。

■支援企業と共に成長 みずほ銀行高崎支店長 遠藤祥日郎氏
 従来の金融機関の支援は事業基盤が確立した企業向けが中心で、イノベーション企業への支援策が不足。〈みずほ〉は、シード・アーリーからアフターIPOまで各企業の成長ステージに合わせ、さまざまな支援策を用意し、ともに成長を歩んでいる。
 成長ステージごとの最適な資金調達、オーナー個人資産対応、IPO・M&A等のEXIT戦略、大企業とイノベ企業の大商談会など、〈みずほ〉の顧客基盤と資金力を生かし、イノベーション企業の成長を多角的にサポートする。会員サービス「エムズサロン」は4千社が加盟。群馬から世界に羽ばたくイノベーション企業の輩出に貢献したい。

 えんどう・しょうじろう 1971年、大分県生まれ。96年入行、東京、仙台、京都の営業部店、融資企画、人事、営業推進企画本部勤務を経て、2022年より現職。群馬に3拠点を置くメガバンクとして地域創生・地域貢献が使命

■多彩な事業で接点を 第一生命保険群馬支社長 加藤秀俊氏
 生命保険業界としてはコロナで多額の給付金を支払い、契約者の皆さまのお役に立つことができた。一方で、対面営業やデジタル推進の部分は課題があり、さまざまなことにチャレンジしないといけない。
 群馬支社の特徴としては、SDGsに関連する冊子の配布や、地域の自治体を中心に協定を結んでいるほか、金融リテラシーの向上を目的に中高生向けにゲーム感覚の出張授業も実施している。地域の皆さまのお役に立つことに取り組み、お客さまとの接点づくりを進めている。
 4月にペット保険会社がグループの傘下に入った。ペットの話も含めて営業員がさまざまな形でアプローチできるよう取り組んでいる。

 かとう・ひでとし 1966年、愛知県生まれ。大学卒業後88年第一生命入社。佐世保営業支社長、長野支社長、青森支社長などを歴任。地域の課題やニーズに寄り添った地域課題解決に取り組んでいる。2023年4月より現職

■社会課題に寄り添う メモリード取締役専務執行役員 高橋秀実氏
 社会の高齢化が進んでいく中で、健康面の不安増大や孤立、地域社会のつながりの希薄化といった課題がある。業界として、寄り添って対応することが必要だと考えた。冠婚葬祭業からウェルビーイング産業への推進が、成長戦略につながると思う。
 5月に予防医療とアンチエイジング美容に特化した医療法人を買収し、中高年層の健康への不安解消と生き生きとした生活が送れるようサービスの提供をしていく。高崎の結婚式場を改装し、中高年層が交流する憩い・学びの場としての複合施設を開設。その中で新しいコミュニティーができている。地域社会とのつながりでは、高齢者の見守りを支援する協定を県と結んだ。

 たかはし・ひでみ 1957年、太田市生まれ。大学卒業後、群馬銀行に32年勤務。2013年にメモリード入社、取締役、常務取締役を経て16年より現職。株式会社リアン、株式会社エクスロイヤルの代表取締役兼務

■企業に合う人材紹介 KJインターナショナル社長 丸野ケンジ氏
 主に製造業に外国人人材を派遣している。当社の人材はどんな仕事もできるビザを持つ日系人や定住・永住している人で、長期に派遣できる。
 人手不足の企業はスピード勝負で人材を要求している。コスト競争をするのではなく、当社の人材を採用して生産性が上がったと言われるよう、その企業に合った人材を選べるようにしている。派遣スタッフも含む社員全体向けには産業医や心理カウンセリングを多言語対応にするなど、福利厚生面の充実を図っている。Chat GPTなどAI(人工知能)も積極的に活用し、社内問題解決の支援や自動翻訳などを実現している。お客さまに良い人材を紹介できるように今後も取り組んでいく。

 まるの・けんじ 1989年、ペルー生まれ。桐生市育ち。人材派遣会社勤務を経て2014年に独立。在日外国人と製造業企業をつなぐ会社として事業拡大中。インド出身の高度人材の派遣にも力を入れる

■信頼つくり活用示す 広田住宅センター社長 広田金次郎氏
 不動産コンサルティングをテーマに三つ話したい。一つは相続関係。生前から親子関係や財産をある程度把握することで、スピーディーに適切にコンサルティングする。二つ目は空き地、空き家の再生・活用。相続後に登記を済まさないままの空き家、空き地があちこちにある。新しい制度で登記が義務になるので、相続人の希望を聞きながら、単に売ってしまうのではなく、地域の発展になる活用や再生を提案していきたい。
 三つ目は不動産知識のコンサルタント。不動産のオーナーや興味のある人と連絡が取れるアプリが開発されている。不動産知識や相続について一緒に勉強し、長く続けられるお客さまとの信頼関係をつくりたい。

 ひろた・きんじろう 1977年、高崎市生まれ。大学卒業後の91年、23歳で広田住宅センター入社。賃貸仲介、売買仲介業務を経て2016年から同センターおよびグループ会社の代表に就任

■「深掘り」と「探索」 群馬銀行専務 入澤広之氏
 銀行の業務範囲が徐々に拡大されており、成長の機会の拡大と捉えている。いま取り組んでいるのが、グループ会社との連携による既存事業の深掘りと、新事業の探索だ。
 既存事業では、関連グループ会社8社と共に、その機能を最大限に活用してお客さまのニーズや課題の解決を進め、コンサルティング業務の強化を進めている。新事業の中では、人材ソリューション事業や、購入型クラウドファンディングサイトの運営といった地域商社事業にも取り組んでいる。加えて、地域の活性化につながるための所有建物の賃貸活用など、地域やお客さまの役に立ち、かつ銀行の収益になることを成長戦略の基本の考え方としている。

 いりさわ・ひろゆき 1960年、前橋市生まれ、慶応大卒。84年群馬銀行入行。所沢支店長、熊谷支店長、総務部長、総合企画部長、常務取締役などを歴任し、2022年6月より現職

■「感動」で差別化図る 石川建設社長 石川雅之氏
 建設業界は価格の高騰が激しく、コスト競争だけでは経営は成り立たない。他社との差別化を図り、価格以外でも選んでもらえる取り組みとして、「感動戦略」を今期のテーマに掲げた。
 具体的には「建物を建てる前にデジタルで見える化する」と「メンテナンス体制」。平面図で建物をイメージするのは非常に難しいため、最初にデジタルでリアルに再現する。イメージしやすく、お客さんに非常に喜んでもらえる。また、メンテナンスとリフォームの専門部署がサポート体制を敷いている。
 この二つをしっかりアピールすることと、首都圏事業の拡大が当社の成長戦略と考えている。

 いしかわ・まさゆき 1964年、太田市生まれ。大学卒業後、大手建設会社勤務を経て石川建設に入社。関東一円を営業エリアとして拡大し、2014年から現職。19年から太田商工会議所副会頭

■多様な要望に応える ボルテックス社長兼CEO 宮沢文彦氏
 不動産の区分所有、小口商品化に取り組んでいる。今秋には超高級マンションのタイムシェアを始める。一部の富裕層しか手が届かないものを小口化して形を変えることで、さまざまな人の手に届くようになる。
 不動産以外の事業では、Vターンシップという在籍型出向の人材育成に取り組んでいる。自社のキーマンを他社に出向させると、短期間でも新たな価値観や考え方が身に付き、見違えるようになる。中小企業ではこういう機会がなかなかないので、そのマッチングをしたい。
 さまざまな企業や個人と協働し、働き方の多様化についていろんな可能性を探りながら自分たちの成長を実現したい。

 みやざわ・ふみひこ 1965年、前橋市生まれ。89年に大学卒業。証券会社経験後、不動産会社で営業部長として不動産コンサルティングなどを手掛ける。99年にボルテックス設立

■連携深め地域活性化 JR東日本高崎支社長 樋口達夫氏
 成長戦略は三つある。一つはJR東日本グループ内の連携。鉄道をはじめホテルや駅ビルなどの事業がある。少子高齢化、人口減少社会の中で、連携を深める必要性を感じた。まずはJREポイントを中心にデータを整え、精度の高いデータマーケティングを進める。
 二つ目は地域との共創。例えば、鮮度が求められる農産物などを新幹線で運んで食べてもらい、アピールする。それが観光誘致につながる。
 三つ目はインバウンド。オーバーツーリズムになっているエリアもあるが、群馬は余力がある。温泉文化の無形文化遺産登録やリトリートの聖地を目指している県と一緒になって盛り上げていければ。

 ひぐち・たつお 1967年、茨城県生まれ。東京大卒。91年にJR東日本に入社し、新潟支社総務部長、本社マーケティング本部戦略・プラットフォーム部門長などを歴任。6月から現職

【メッセージ】
◎新社屋で自由な発想 ジャオス社長 赤星大二郎氏
 SUV車向けカスタムパーツなどの企画から製造、販売までを手掛けています。昨年は世界で最も過酷なオフロードレースとして知られる「BAJA1000」に参戦しました。今秋竣工した新社屋は、開発から製造まで一気通貫可能な1Fと、オフィスやミーティングルーム、そしてカフェスペースによってコミュニケーションが自然に生まれる2Fを設けました。この新社屋が自由でクリエイティブな発想が生まれる拠点となり、かつ地域の雇用にも貢献したいと考えています。

◎「投資」政策を後押し 野村證券高崎支店兼太田支店支店長 梶田明宏氏
 2024年からは、現行のNISA(少額投資非課税制度)枠が1800万円まで拡大され、個人投資家数と投資額を倍増させる計画も発表されています。野村證券は、この「貯蓄から投資へ」という政策を全面的に後押しいたします。家計金融資産の半分以上を占める現金・預金が投資に向かい、企業価値向上の恩恵が家計に還元され、家計の資産形成とさらなる投資や消費につながるという好循環を実現させることで、日本と当社の成長に寄与いたします。

次回は11日掲載

23.10.04 上毛新聞掲載はこちら

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群馬イノベーションアワード2023 トップ座談会(2)理想求め挑戦続ける

202309/27

 起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2023」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の実行委員と協賛社によるトップ座談会(全6回)。2回目は、座長の荒井正昭オープンハウスグループ社長ら9人が「これからの成長戦略」をテーマに、現在注力している事業から理想とする企業の在り方、今後の成長に向けた展望まで活発に意見を交わし合った。

■対応力・提案力を磨く 宮下工業社長 宮下学氏
 土木、建築工事を行っている建設会社で、最近では前橋の街中の開発にも携わらせていただいている。
 ものづくりを通して、地域に貢献したい。そのためには技術者、技能者の対応力が評価されることを重視していく必要がある。設計後に工事を進めることが施工会社の役割だが、近年は土木工事、建築工事ともに、プロジェクトの過程で施工者として提案することが増えてきた。これからは造ることに加え、提案力を向上させていくことが大事だと考える。
 建設業界でもIT化が進んでいる。自社内で一貫して施工できるICT建機の施工をさらに進め、業務の効率化を図るとともに、技術者、技能者の育成に力を入れていきたい。

 みやした・まなぶ 1971年、前橋市生まれ。大学卒業後、都内建設会社を経て、97年に宮下工業に入社。2006年から現職。土木工事、建築工事、建築設計、建設機械施工、不動産取引を展開している

■空間全体プロデュース 前橋園芸社長 中村敬太郎氏
 造園や観葉植物のレンタル事業などを展開。近年は建物の外回りの空間、いわゆるランドスケープに力を入れている。昨年、沼田市にプールやサウナなどを併設したグランピング・オートキャンプ場をオープンした。運営と施工、両方のノウハウを蓄積しながら、空間を全体的にプロデュースできる会社を目指している。
 今後はロボット芝刈り機と電解水の成長に期待している。ロボット芝刈り機は、SDGsの観点から近年ニーズが高まっている。電解水は害虫駆除や除菌に有用とされており、当社でも本格的に実証実験を始めた。農薬の代替品として、農薬の必要ない環境を創出していければと展望している。

 なかむら・けいたろう 1971年、前橋市生まれ。造園・外構工事会社を経て、2003年に家業の前橋園芸入社。10年から現職。外構造園の設計施工、観葉植物レンタル、生花販売などを手がける

■100年続く企業目指す アゼット社長 大河原康史氏
 小中高生向けにeラーニングシステムの作製を行っている。会社の規模としては従業員20人弱で、現在は会社の地盤をつくっている段階だ。
 今後の成長を考えると、人が大事だと考えている。当社ではフランスやベトナム、ロシアなどさまざまな国の人が働いている。彼らがいずれ母国に帰った際、日本で培った経験を元に地元で仕事をしたり、会社を興したりすることで、世の中に貢献できれば良いと願っている。
 その上で難しい仕事に対しても、あきらめず取り組む姿勢や気持ちを会社の仲間たちに伝えたい。ただ人を増やすだけでなく社員たちの成長を後押ししながら、100年続く企業にしていきたいと考えている。

 おおかわら・やすし 1972年、沼田市生まれ。他業種での経験を経て、2000年にWEB業界へ転身。アゼット設立時から役員として携わり、08年に代表就任。対話型AIを活用した「恋愛相談AIチャット」も提供している

■最高・最適な商品提供 SMBC日興証券 プライベート・バンキング第二部長 岡田康志氏
 私が所属するプライベート・バンキング部は、企業オーナーを対象に、自社株へのアドバイスや情報提供をしている。上場企業は、東証の市場再編などで市場との付き合い方に悩まれている方が多い。株式や投資家に向き合う際の対応について、アナリストを内部に入れ、的確なアドバイスができるよう体制を整えている。
 一方、未上場企業においては、相続、遺言を意識している方が多い印象。万が一の際に、頼ってもらえるようオーナーの方々のお考えを把握してビジネスを広げていきたい。
 最高かつ適切なソリューションと商品をお客さまに提供することがわれわれの使命。グループの強みを生かし、一番のサービスをお届けしたい。

 おかだ・やすし 1978年、東京都生まれ。2001年に日興証券(現SMBC日興証券)入社。プライベート・バンキング企画部副部長、プライベート・ウェルス戦略部長などを経て、23年から現職

■頼れるアドバイザーに 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 大宮支店コンサルティング第二部長 新家崇史氏
 MUFGと米モルガン・スタンレーとのジョイントベンチャーである当社固有の強みを生かし、お客さまに寄り添ったオーダーメードのソリューションを提供している。
 当社では四半期に一回、ハウスビューを策定し、リサーチリポートを作成している。策定においては、外部の有識者からの助言などを受け、客観性に加えガバナンス体制も強化。ハウスビューをもとに、お客さまに応じたポートフォリオを構築し、安定的かつ中長期的に資産形成を可能とする提案を心がけている。
 われわれはセールスマンではなくアドバイザー。どんな課題にも対応できるお客さまの懐刀になることを、目指すべき姿だと考えている。

 にいのみ・たかふみ 1982年、愛知県生まれ。2005年大学卒業後に入社し、横浜支店、仙台支店、難波支店を経て、22年7月より群馬県の未上場企業を担当するコンサルティング部長として現在に至る

■顧客満足度で差別化 オープンハウスグループ社長 荒井正昭氏
 東京に本社を置き、住宅建築、販売などの不動産業を展開している。今年の連結売上額は1兆円を超える見込みで、もし達成すれば平成に生まれた企業としては2社目となる1兆円企業に仲間入りすることとなる。
 会社を拡大させるという意味においてはM&A(企業の合併・買収)が非常に重要だと考えている。現在もTOB(株式公開買い付け)の最中だが、今後も力を入れていきたい。
 会社の目標として、「不動産業界でナンバー1」を掲げている。その上で、最終的に目指すのは「顧客満足度ナンバー1」。不動産を扱う会社は多いが、顧客満足度ナンバー1という部分で差別化を図れば、永遠に企業は続くだろうと確信している。

 あらい・まさあき 1965年、旧藪塚本町(現太田市)生まれ。都内の不動産会社勤務を経て、97年に不動産業のオープンハウスを設立。2013年に東証1部上場。19年に群馬クレインサンダーズの運営会社を子会社化

■そば・馬肉輸出に注力 ダイコー社長 齋藤胡依氏
 そば屋の運営やそば粉の製造・販売、そばに関わる人材の育成などを手がけている。昨年3月には鶏弁当店を新たに開業した。
 そばの国内消費は年間約15万トンで、そのうち10~12万トンほどを輸入に頼っている。安定してそばを提供するためには、栽培から携わることが大事だと考え、10年ほど前からモンゴルで栽培を行っている。将来的には輸入の半分である5万トンを収穫できればと頑張っている。
 最近は馬肉に注目。そば栽培の傍ら畜産にも取り組んでおり、モンゴルの馬肉を世界に売れないかと模索し、今年から新たに会社を立ち上げた。年間500トンを目標に馬肉の輸出にも力を入れていきたい。

 さいとう・こい 1970年、中国生まれ。2006年に十割そば専門店「竹林」を開店し、08年にダイコーを設立。そば店経営や業務用食材の仕入れ、販売業務、そば粉の製粉業を展開。「日本そば文化学院」理事長

■煉瓦窯で食レベル向上 増田煉瓦社長 増田晋一氏
 れんが販売のほか、れんがを使ったピザ窯やパン窯、グリル窯を製造し、設計・施工・維持管理など付随するもの全てを手がけている。
 石窯製造の市場でナンバー1になりたい。れんがだけだと市場は小さいが、食を取り入れることで新たなビジネスに広げていこうと挑戦している。群馬でおいしいものを食べられる環境をつくりたいとの考えから、一流の調理人が県内で指導する機会も提供。毎年5月には「キングオブピッツァ」に協賛し、ピッツァレベル向上のお手伝いをしている。
 今後は、道の駅などでの窯料理の研修会を通じて、持続可能な地域独自の窯と食の仕組みも手がけていきたいと考えている。

 ますだ・しんいち 1960年、前橋市生まれ。大学卒業後、東京三洋電機・三洋電機で技術職を経て94年入社。98年5代目就任。前橋をピッツァのまちに、煉瓦のまちづくりと併せて群馬・前橋の魅力を全国に発信中

■常識覆す靴を世界へ BMZ社長 高橋毅氏
 みなかみ町で「足から健康、元気になる」を合言葉に、機能性インソールの製造販売を展開。シューズの開発も行っている。
 2001年開業。事業としては導入期で収益性は弱かったが、足の機能の研究を続け、20年ごろから成長期に入った。現在は大手靴メーカーなどとコラボレーションしながら日本中で約100万足ほどのインソールを提供している。
 イタリアの会社と契約し、イタリアの工場でインソールの開発、製造を始めるなど、アメリカ、中国など販路の拡大に努めている。今後は、インソールのノウハウを生かして靴の開発を進め、これまでの常識を覆す靴を世界に広げていきたい。

 たかはし・つよし 1956年、みなかみ町生まれ。地元スポーツショップを経て、2001年にスキーブーツの調整とオーダーメードのインソールを製作する店を開業。04年にBMZを創立

【メッセージ】
◎脱炭素・女性活躍推進 赤尾商事社長 赤尾佳子氏
 当社は、カーボンニュートラル社会実現のため、地域における脱炭素のリーディングカンパニーを目指しています。省エネ診断事業、PPAを含む自家消費型太陽光発電システムの販売、EV車のワンストップサービス―この三つの事業を成長戦略の柱と位置付け活動しています。もう一つの成長戦略は女性活躍の推進です。近年、女性社員比率が20%から26%に上昇。女性リーダーの育成にも力を入れています。

◎今までにない感動を 富士スバル会長兼CEO 斎藤郁雄氏
 自動車業界は世界規模で進む自動車のEV化や購買行動のデジタル化、AIの進化などにより、大きな転換期を迎えています。変化に対応する上で必要なことは、一人一人に合ったコミュニケーションを円滑に図り、刻々と変化するニーズや情報をより敏感に把握し、お客さまに快適で賢明な選択をしていただけるよう提案することです。そして、チームによるお客さまへのアフターフォローを実現し、今までにない感動をご提供することで永く愛される会社を目指していきます。

次回は4日掲載

23.9.27 上毛新聞掲載はこちら

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52組 2次審査進出

202309/22

 今年で11回目を迎える起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2023」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)の事務局は21日、計52組が1次書類審査を通過したと発表した。10月7日に前橋市の前橋商工会議所会館で開かれる2次プレゼンテーション審査に進む。
 部門別では独自の新しいプランを募集する「ビジネスプラン部門」のうち、高校生以下の部で22組、大学生・専門学校生の部で10組、一般の部で13組が通過。昨年までの「スタートアップ」と「イノベーション」を統合した「ベンチャー部門」は7件だった。
 今年は485件の応募があり、同プロジェクトに協賛する金融機関「フィナンシャルサポーター」が1次審査を担った。同月7日の2次審査はパワーポイントによる3分間のプレゼンテーションを実施し、実行委員長を務めるジンズホールディングスの田中仁CEOら実行委員がファイナリストを選出する。ファイナルステージは同月28日、日本トーターグリーンドーム前橋(同市)で開かれる。
 GIAは今年から、「天才はいらない。応募資格、挑戦者であること。」を新たなキャッチフレーズに掲げる。ジンズホールディングス、オープンハウスグループ、セガサミーホールディングス、カインズ、群馬銀行の経営者らでつくる実行委員が中心となって実施している。

23.9.22 上毛新聞掲載