「面白い」を掘り下げて
ジンズホールディングス
田中仁CEO
「面白い」を掘り下げて
安く大量生産された商品を購入する時代から、店や商品の背景に共感して手に取る時代に変わってきていると感じている。価値観が変化する中で、地域とのつながりを持ちながら、ブランド力を高めることを目指している。 昨年は地域が抱える課題に向き合い、共に成長するために「地域共生事業部」を発足。地域活性の一助となれるよう、これから活動を充実させていきたい。 地域の憩いの場となるような店舗作りを進めている。昨年開業した新施設「JINS PARK前橋」では、新たな交流を生む場として屋外広場を設け、店内を開放的にした。今年開業の前橋小島田店では、店舗として初めてソーラーパネルを設置。環境に配慮しつつ、空間演出に本県出身のアーティストが携わり、文化的な発信にも取り組んでいる。
眼鏡の開発だけでなく、子どもの近視を防ぎたいと考えている。進行抑制の手段として外で遊ぶことが推奨されていることから「もっと外遊びプロジェクト」を開始。商品購入時に有料化した紙袋の代金を活用し、玩具や遊具などを乗せた車「JINS見る育プレーカー」を製作し、都内のNPO法人に寄贈。子どもの外遊びを支援している。前橋市内のイベントにも出動した。
当社の事業ではデジタルを活用し、業務をブラッシュアップしている。過剰在庫の発生や欠品を防ぐため、人工知能(AI)が商品の需給を予測するシステムを本格導入した。多様なニーズに応えるために、公式アプリの改善を進め、最良なサービスの形を模索し続けている。
事業を展開する上で人材育成は欠かせない。従業員一人一人のスキルアップのため、本年度新設された国家資格「眼鏡作製技能士」の取得を目指し、社内教育機関「JINS Academy(ジンズ アカデミー)」を設立した。
従業員のモチベーションアップも重要だ。10月支給分から非正規雇用従業員のベース(最低)時給を東京水準で全国一律化する。格差をなくし、各地域の活力を生み出すきっかけとしたい。
新たなことを始めるには自分が「面白い」と感じたものを掘り下げていくことが大切だと感じている。その先にさまざまな可能性が見えてくるはずだ。変わりゆく時代に向けてチャレンジしよう。
22.9.24 上毛新聞掲載はこちら