
群馬イノベーション会議参加者募集
Forbes JAPAN執行役員 谷本有香さんによる講演&トークセッション開催!
地域と未来をつなぐヒントが見つかるかも。
参加無料・定員300名・申込締切5/13(火)
📅5/16(金)16:00~
📍日本トーターグリーンドーム前橋
Forbes JAPAN執行役員 谷本有香さんによる講演&トークセッション開催!
地域と未来をつなぐヒントが見つかるかも。
参加無料・定員300名・申込締切5/13(火)
📅5/16(金)16:00~
📍日本トーターグリーンドーム前橋
起業家の輩出や県内企業の技術革新を促進する「群馬イノベーションスクール(GIS)」(田中仁財団主宰)の講演会が6日、前橋市の昌賢学園まえばしホールで開かれた。眼鏡チェーン「JINS」を展開するジンズホールディングス(HD、同市)の最高経営責任者(CEO)の田中仁さんが登壇。これまでの事業展開を振り返りながら、企業経営に対する思いを語った。
田中さんは福岡市で1号店を開店する際、他社より安価に眼鏡を販売するためにレンズなどの卸売業者を探して奔走したエピソードを紹介。オープンして間もなく、近隣に競合店の出店が加速して売り上げ低迷に直面したという。
生まれ育った前橋市を皮切りに、地方都市での店舗展開も順調に進んで上場を果たしたが、その後に上場廃止の危機にひんした。その際に自社の事業価値を徹底して見つめ直したとし、「正面から挑戦しようと決めた」と振り返った。起業を目指す人たちに向けて、「『なせば成る』。このことを忘れないでほしい」とエールを送った。
同スクールの卒業生でつくる「GISアドバンス」と上毛新聞社GIA事務局が共催した。
(村山拓未)
掲載日
2025/03/07
このたび、GIS講演会として ジンズホールディングス代表取締役CEO 田中 仁氏 をお迎えし、特別講演を開催いたします。
群馬県出身の起業家である田中氏が、自身の経験やビジネスの展望について語る貴重な機会です。ぜひご参加ください。
📅 日付: 2025年3月6日(木)
📍 場所: 昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)
🎟 入場無料・事前申込制(どなたでもご参加いただけます)
皆さまのご参加を心よりお待ちしております!
12回目を迎えた起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)のファイナルステージが14日、前橋市の日本トーターグリーンドーム前橋で開かれた。最終審査に臨んだ13組が社会課題の解決や暮らしの変革につながるような視点を持った事業プランを発表。最高賞の大賞はベンチャー部門で出場し、「『映画づくり=まちづくり』群馬発の世界で戦える俳優と映画づくりプロジェクト」を、顔に特殊メークを施し提案した映画監督、脚本家でスタジオ6.11(前橋市)代表社員の飯塚花笑さん(34)が輝いた。
(関連記事 5~7、19面)
応募323組から2回の審査を通過した中学生から社会人までが熱のこもった3分間のプレゼンテーションを披露。協賛社に加え、来場者が投票し、この結果を参考に慶応大の国領二郎教授ら6人が審査した。
ビジネスプラン部門は、高校生以下の部で前橋商業高3年の江戸美月さん(17)、大学生・専門学校生の部で慶応大3年の渡辺光祐さん(22)、一般の部でデジタルスイッチ(渋川市)社長の田中秀彰さん(38)、ベンチャー部門はMU(ミュウ、高崎市)社長の村田悠典さん(35)がそれぞれ入賞した。今後の成長が期待される奨励賞には共愛学園前橋国際大3年の春山奈緒さん(22)が選ばれた。
本県を拠点に活動するラッパー、NAIKA MC(ナイカ エムシー)さんの思いのこもった言葉のパフォーマンスで開幕。ブレイクダンサーのSHADE(シェイド)さん、Mako(マコ)さんはダンスで盛り上げた。本県にゆかりのある20~30代の若手起業家4人が起業への思いを語ったトークセッションもあった。
実行委員長の田中仁・ジンズホールディングスCEOは閉幕後の交流会で「自分自身をイノベーションして人生を切り開いてほしい」と期待を込めた。GIA協賛社や歴代入賞者らが43のブースを出展した「群馬イノベーションマーケット」も開かれた。
(文 大楽和範、写真 新井諭)
起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2024」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)は14日、ファイナルステージに13組が出場した。ラッパーのNAIKA MC(ナイカ エムシー)さん、ブレイクダンサーのSHADE(シェイド)さんとMako(マコ)さんが、それぞれ熱のこもったパフォーマンスを披露。若手起業家4人によるトークセッションでは、好きなことを突き詰める行動力などについて議論を深めた。
【大賞】
スタジオ6.11代表社員・映画監督・脚本家 飯塚 花笑さん
◎ロケ地情報提供し支援
前橋市を拠点に、世界を視野に入れた映画の製作や、俳優のレッスンに取り組む。プレゼンでは撮影地に大きな経済効果をもたらす映画のロケを本県に誘致するため、撮影チームに対して情報をワンストップで提供する事業を紹介した。大賞に選ばれ、「『群馬で映画なんて』と言われることもあった。映画が実際に地域を活性化させていることが認められた」と喜ぶ。
映画の撮影ではスタッフの食事代や宿泊代など、多額の費用がロケ地に還元される。ただ撮影チームが地域の実情に疎く、撮影場所や飲食店、宿泊施設などの情報が不足している場合も多いという。そうした情報を地域と密着した立場から一元的に提供することで、本県での撮影をサポートしている。支援体制の充実によって本県での撮影機会が増えることで、地域経済が潤うだけでなく、レッスン生の出演機会が確保でき、人材育成にもつながっていくと見通す。
非日常をつくる映画への実感を持ってもらおうと、この日は映画「ロッキー」の主人公に扮(ふん)し、顔に傷などの特殊メークを施して臨んだ。「群馬県を映画の聖地へ」。力強く述べ、高らかに拳を突き上げた。
◆ビジネスプラン部門入賞◆
【高校生以下の部】
前橋商業高3年 江戸 美月さん
◎旅行者とガイド結ぶ
コロナ禍が一段落し、国内ではインバウンド(訪日客)需要の取り込みが活発化する中、「トラベル」と「マッチング」を掛け合わせた多言語対応プラットフォーム「トラッチング」を考案した。家族で国内旅行した際、現地の人に親切にしてもらった経験から「外国人にも同じことができたら」と考えたのがきっかけだ。
旅行会社では提供できないニッチなローカル体験を望むインバウンドに照準を合わせた。自治体がトップページを作成し、事業者やガイドと呼ばれる地域住民が登録。旅行者はプロフィルから申請すればマッチング成立となる仕組みだ。
高校卒業後は大学に進学する。「大学でも今回のプランを磨き上げて、起業したい」と目標を掲げる。
【大学生・専門学校生の部】
慶応大3年 渡辺 光祐さん
◎職業限定でポイント
保育や看護、介護の人手不足が深刻化し、その数は介護業界だけでも54万人といわれる。離職を食い止め、目指す人を増やすために、職業限定型のポイントカードで支援する仕組みを考案した。「2年前は受賞できなかったので、結果につながってうれしい」と笑顔を見せた。
人材の定着を狙う自治体や企業が関わり、通常のポイントカードよりも高い還元率を設定。地元での消費が増え、地域活性化にもつながるメリットがある。
「国も賃上げに取り組んでいるが、現状の政策を変えるのは限界がある。お金の使い道で優遇できればと思った」とし、「興味のある企業があれば、ぜひお話ししたい」と事業化への意欲を示した。
【一般の部】
デジタルスイッチ社長 田中 秀彰さん
◎DXの効率化と育成
「システム導入で後悔する会社をゼロに」。企業に実践型デジタルトランスフォーメーション(DX)研修を提供し、業務効率化とIT人材の育成を同時に支援するプランを提案した。
中小企業の多くでDXの成果が出ていないとして、社内にIT人材がいないことや、推進ノウハウがないことなどを要因に指摘する。そんな企業が知識の取得ではなく「自走」できるサービスとして打ち出す。
ワークショップなどを通じて企業の経営像や課題、業務改善に向けたアクションを明確化。必要に応じてペーパーレス化や各種デジタル化の導入などを薦める。「デジタルの市場はますます成長が見込まれる。巨大な市場に対し、群馬県から挑戦していきたい」
◆ベンチャー部門入賞◆
MU社長 村田 悠典さん
◎論文要約し動画配信
生成人工知能(AI)を駆使して医学論文の要約動画を作成し、配信するプラットフォームを開発した。20~30代の若手医師をメインターゲットに、医療の学習が効率的にできるようサポートする。
論文は年間約168万本発行されるが、実際に医師が読めるのは年平均36本ほどという。AIが論文を読み込み2~3分の動画にまとめることで、限られた時間でも多くの知見に触れられるようにする。
製薬企業の営業として10年以上勤務する中で、最新の医薬品の情報が医療従事者に十分に届いていない現状を目の当たりにしてきた。「適切な医療情報を全ての人に届けるために群馬から発信していきたい」と意気込む。
◆奨励賞◆
共愛学園前橋国際大3年 春山 奈緒さん
◎子ども感情色で表示
少子化の今、不登校の児童生徒は増加している。悩みがあっても、自分の気持ちをうまく言葉で表せない子どもは多いと感じたことから、感情を色で可視化し、教師が児童生徒の精神状態に合った指導をできるように手助けするインソール(靴の中敷き)とアプリを考案した。
アプリでは感情を分析する人工知能(AI)を駆使し、中敷きに搭載したセンサーを通して読み取った湿度や脈拍から感情を色で表示。不安や緊張状態が一目で分かるようにする。子どもの生活に支障が出ないように中敷きを採用した。
現在はチームでシステム開発を進め、センサーの利用は企業に働きかけている。「全ての教育現場で当たり前に使えるようにしたい」と展望する。
◆ビジネスプラン部門(高校生以下の部)◆
◇根子 優太さん(桐生高3年)
身近に潜む食物アレルギーのリスクに着目。確認が困難な視覚障害者向けに、原材料表示や独自のQRコードをカメラで読み取り、音声でアレルギー情報を知らせる装置を開発した。
より多くの人が利用できるよう、実際の装置とアプリの二つでサービスを提供。障害の程度によって使い分けできるように工夫した。「技術だけでなく、ビジネスにつなげる視点も大切。事業化に向け、今後も挑戦を続けたい」と意気込んだ。
◇佐野 結愛さん、天田ヒカリさん(前橋東高2年)
人身事故削減を目指し、危険運転を防止するアプリ「SRR」を考案した。スマートフォンのカメラで表情を読み取ることで、心拍数や呼吸数を検知。ストレスや怒りなど予兆があった際に音声で注意を促すほか、事前に登録した連絡先へ通報する機能も搭載した。
スマホ1台で利用できる手軽さを生かし、タクシーや運送事業者向けに従量課金制での実装を展望。2人は「SRRの商品化を実現し、世界に広げていきたい」と力を込めた。
◇浜島 陽奈さん(ぐんま国際アカデミー中等部2年)
けがで車いすを使用することになった友人を補助した経験から、障害の有無にかかわらず、誰もが快適に利用できる公園の整備プランを発表した。
整備対象に館林市の城沼総合運動場を選定。プランでは、車いすのまま乗れるブランコや段差のないトランポリンといったインクルーシブ遊具の設置、風鈴や花など五感で楽しめる環境整備の推進を掲げた。「みんなが平等に過ごせるようになってほしい」と共生社会の実現を願った。
◆ビジネスプラン部門(大学生・専門学校生の部)◆
◇宮川 拓也さん(群馬大5年)
人工知能(AI)問診システムと五感のデジタル化を融合し、あらゆる場所での病院診療を実現する「未来の医療」を展望した。
「病院が苦手」という患者の声を聞いたことが発案のきっかけ。視覚と聴覚による情報に偏っている現在のオンライン診療を発展させた。AI問診と組み合わせることで、自宅にいながら対面と遜色ない医療につなげる。
「ここ群馬から発信し、世界の医療に強烈な空っ風を吹かせたい」と強調した。
◆ビジネスプラン部門(一般の部)◆
◇西沢 洋介さん(にしざわ接骨医院院長)
「移動できることは人間の本質的な幸せ」。神経を鍛える健康事業を発表した。自身がプロ野球選手時に経験した痛みなどを解消する役目を担おうと、接骨院を開業し、三つの神経に着目した。
感覚神経には特殊なタッチで神経の滞りを改善する施術を実施。運動神経には高齢者の機能回復などを図れる療法、自律神経には副交感神経節を刺激する療法を施す。「仲間を増やしながらメソッドを日本中に広めていきたい」
◇小保方貴之さん(FM桐生事業本部長)
「地域のリスナーと企業がつながる新しい広告市場をつくる」。ユーザーが作成したラジオのプレイリストに合った広告を出稿できるアプリ「shelfs(シェルフス)」の魅力を伝えた。
利用者は各地のラジオ局から番組を選んでプレイリストを作成。ターゲットを個人からプレイリストに変えることで、文脈に合った広告を提供できる。「利用者のストレスを軽減できる。企業も広告をリーズナブルな価格で出せる新しい選択肢だ」と熱を込める。
◆ベンチャー部門◆
◇岡村 昌輝さん(Splash Brothers取締役)
3台同時に短時間で洗車できるトンネル洗車機を使ったサブスクリプション(定額利用)の洗車サービスを展開する。本県と栃木県に4店舗を構え、1店舗当たりの会員は約2000人に上る。2027年までに本県近郊で20店舗を出店する構想を示した。
「イノベーションは未来の当たり前をつくること」と述べ、「群馬で根付き始めた、いつでも、どこでも、気軽にできる洗車を日本の当たり前にしていく」と展望した。
【若手起業家トークセッション】原体験語り挑戦者激励 起業への考え方熱く
本県ゆかりの若手起業家によるトークセッションでは県内外で活躍する4人が事業内容や起業したきっかけを紹介。好きなことを突き詰める大切さを語り、起業や新たなビジネスに挑戦する人たちの背中を押した。
インバウンド(訪日客)向けにだるま販売などを手がける高橋史好(ふみこ)さん=高崎市出身、伊勢崎市伝統の絹織物「伊勢崎銘仙」をアップサイクルするアパレルブランドを立ち上げた村上采(あや)さん=同市出身、前橋市中心街のカレー店など飲食店経営の林龍男さん=高崎市出身、映像制作会社経営のアジズ・アフメッドさん=榛東村=が登壇した。
◎インドに留学
高橋さんは高校時代にインドへ留学し、不動産開発でまちを発展させるホストファザーの仕事ぶりを見て起業家を志すようになったと振り返った。大学在学中に起業しインド向け配信メディアを手がけ、その売却資金でデコレーションして販売しただるまが注目を浴びた。既存のだるまから脱した製品を海外向けに売り込み、将来的にパリコレを目指す夢を語った。
村上さんも大学時代にアフリカのコンゴ民主共和国に渡り、不安定な社会で力強く生活する現地の人と交流したことが起業の原体験。アパレル事業で同国との橋渡しをしたいと行動を起こし、慣れ親しんだ伊勢崎銘仙でのビジネス構想が後から追いついたと説明した。
◎好きなことで
林さんは大学卒業後に就職した商社を退職後、一番好きな飲食を仕事にしようと一念発起した。現在は業態の異なる飲食店4店舗を経営するが、学生や社会人での多様な経験が今につながっていると語った。
パキスタン出身のアジズさんは9歳の時に来日し、日本語が分からない中で映像で人に思いを伝えた経験が現在の糧になっているとした。さまざまな商品を見て魅力を引き出すのが得意で、伝える役目にやりがいを感じているとした。
ハードルが高いイメージの起業への考え方も共有した。高橋さんは、今は学生でもリスクなく始められる事業があると説明。大学時代に仲間と編集に10時間かかる動画を2年間で200本制作した経験を例に挙げ、「才能は必要なく、泥くさく続けられるかが大切」と強調した。林さんは「好きなことで起業して毎日文化祭のようで楽しい」と語る一方、苦しくても従業員を背負う以上やるしかないと腹を決める覚悟はあると語った。
掲載日
2024/12/15